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東北大学 1987年 理系 第4問 解説

数学A/確率数学B/確率分布・統計的推測数学A/場合の数
東北大学 1987年 理系 第4問 解説

方針・初手

残っている2組のカード枚数を、多い方から順に $(a,b)$($a\ge b$)とおく。

この状態から始めたときの $X$ の確率母関数を

$$ F_{a,b}(t)=E\left[t^X\right] $$

とおけば、終状態では $b=0$ であるから

$$ F_{a,0}(t)=t^a $$

である。

また、$a=b$ のときはどちらから1枚除いても、並べ替えれば次の状態は必ず $(a,a-1)$ になる。したがって

$$ F_{a,a}(t)=F_{a,a-1}(t) $$

である。

さらに $a>b>0$ のときは、確率 $\frac23$ で多い方から1枚除き、確率 $\frac13$ で少ない方から1枚除くから

$$ F_{a,b}(t)=\frac23 F_{a-1,b}(t)+\frac13 F_{a,b-1}(t) $$

が成り立つ。これを $(4,4)$ まで順に計算すればよい。

解法1

まず小さい状態から求める。

$$ F_{1,1}(t)=F_{1,0}(t)=t $$

次に

$$ \begin{aligned} F_{2,1}(t) &=\frac23F_{1,1}(t)+\frac13F_{2,0}(t) \ &=\frac23t+\frac13t^2, \end{aligned} $$

よって

$$ F_{2,2}(t)=F_{2,1}(t)=\frac23t+\frac13t^2 $$

である。

同様にして

$$ \begin{aligned} F_{3,1}(t) &=\frac23F_{2,1}(t)+\frac13F_{3,0}(t) \ &=\frac49t+\frac29t^2+\frac13t^3, \end{aligned} $$

$$ \begin{aligned} F_{3,2}(t) &=\frac23F_{2,2}(t)+\frac13F_{3,1}(t) \ &=\frac{16}{27}t+\frac{8}{27}t^2+\frac19t^3, \end{aligned} $$

したがって

$$ F_{3,3}(t)=F_{3,2}(t)=\frac{16}{27}t+\frac{8}{27}t^2+\frac19t^3 $$

である。

さらに

$$ \begin{aligned} F_{4,1}(t) &=\frac23F_{3,1}(t)+\frac13F_{4,0}(t) \ &=\frac{8}{27}t+\frac{4}{27}t^2+\frac29t^3+\frac13t^4, \end{aligned} $$

$$ \begin{aligned} F_{4,2}(t) &=\frac23F_{3,2}(t)+\frac13F_{4,1}(t) \ &=\frac{40}{81}t+\frac{20}{81}t^2+\frac4{27}t^3+\frac19t^4, \end{aligned} $$

最後に

$$ \begin{aligned} F_{4,3}(t) &=\frac23F_{3,3}(t)+\frac13F_{4,2}(t) \ &=\frac{136}{243}t+\frac{68}{243}t^2+\frac{10}{81}t^3+\frac1{27}t^4. \end{aligned} $$

初期状態は $(4,4)$ であり、これは $(4,3)$ と同じ扱いになるので

$$ F_{4,4}(t)=F_{4,3}(t)=\frac{136}{243}t+\frac{68}{243}t^2+\frac{10}{81}t^3+\frac1{27}t^4 $$

である。

よって確率分布は

$$ P(X=1)=\frac{136}{243},\quad P(X=2)=\frac{68}{243},\quad P(X=3)=\frac{10}{81},\quad P(X=4)=\frac1{27} $$

となる。

期待値は

$$ E[X]=F'_{4,4}(1) $$

より

$$ \begin{aligned} E[X] &=\frac{136}{243}+2\cdot\frac{68}{243}+3\cdot\frac{10}{81}+4\cdot\frac1{27} \ &=\frac{398}{243}. \end{aligned} $$

解説

等しい枚数のときは「どちらから除いてもよい」とあるが、並べ替えて多い方・少ない方として見れば、次の状態は必ず $(a,a-1)$ で同一になる。したがって、その選び方は最終的な分布に影響しない。

この問題の本質は、各状態 $(a,b)$ から先の分布が、より小さい状態の分布の重み付き平均として表せる点にある。確率母関数を用いると、分布そのものと期待値を同時に整理して求められる。

答え

$$ P(X=1)=\frac{136}{243},\quad P(X=2)=\frac{68}{243},\quad P(X=3)=\frac{10}{81},\quad P(X=4)=\frac1{27} $$

$$ E[X]=\frac{398}{243} $$

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