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東北大学 2006年 文系 第1問 解説

数学2/式と証明テーマ/整式の証明
東北大学 2006年 文系 第1問 解説

方針・初手

まず $P,Q,R$ をそれぞれ一次式の積に因数分解する。

すると、共通因数をもつという条件は、各多項式の一次因子どうしが一致することに言い換えられる。特に $Q$ の因子は明確に決まるので、$P,Q,R$ のどの因子が一致しうるかを比較すれば、$a,b,c,p,q$ が定まる。

解法1

(1) $P,Q,R$ を因数分解する。

$P$ は平方差であるから、

$$ P=(x+a)^2-{3c(y+b)}^2 $$

より

$$ P={x+a-3c(y+b)}{x+a+3c(y+b)}. $$

整理すると

$$ P=(x-3cy+a-3bc)(x+3cy+a+3bc). $$

次に $Q$ について、$X=x+11$ とおくと

$$ Q=X^2+13Xy+36y^2=(X+4y)(X+9y) $$

であるから、

$$ Q=(x+4y+11)(x+9y+11). $$

$R$ は定数項が $-77$、$x$ の係数が $4$ なので、$-7$ と $11$ を用いた形を考えると

$$ (x+py-7)(x+2qy+11) $$

を展開して

$$ \begin{aligned} (x+py-7)(x+2qy+11) &=x^2+(p+2q)xy+2pqy^2+4x+(11p-14q)y-77 \end{aligned} $$

となり、これはちょうど $R$ に一致する。したがって

$$ R=(x+py-7)(x+2qy+11). $$

以上より、

$$ \begin{aligned} P&=(x-3cy+a-3bc)(x+3cy+a+3bc),\ Q&=(x+4y+11)(x+9y+11),\ R&=(x+py-7)(x+2qy+11). \end{aligned} $$

(2) $P$ と $Q$, $Q$ と $R$, $R$ と $P$ がそれぞれ一次式を共通因数としてもつとする。

まず $P$ と $Q$ の共通因数を考える。

$Q$ の因子は $x+4y+11,\ x+9y+11$ の 2 つである。一方、$P$ の因子の $y$ の係数は $\pm 3c$ である。したがって $P$ が $Q$ と共通因数をもつには

$$ \pm 3c=4 \quad \text{または} \quad \pm 3c=9 $$

でなければならないが、$c$ は整数なので前者は不可能である。よって

$$ \pm 3c=9 $$

すなわち

$$ c=\pm 3 $$

であり、$P$ と $Q$ の共通因数は

$$ x+9y+11 $$

である。

次に $Q$ と $R$ の共通因数を考える。

$R$ の因子は $x+py-7,\ x+2qy+11$ である。$Q$ の因子の定数項はどちらも $11$ であるから、共通因数になりうるのは

$$ x+2qy+11 $$

の方しかない。したがって

$$ x+2qy+11=x+4y+11 \quad \text{または} \quad x+9y+11 $$

である。

後者なら $2q=9$ となり整数 $q$ に反するので不可能である。よって

$$ 2q=4 $$

すなわち

$$ q=2 $$

であり、$Q$ と $R$ の共通因数は

$$ x+4y+11 $$

である。

したがって、$R$ と $P$ の共通因数は、それぞれの残りの因子でなければならない。つまり

$$ x+py-7 $$

と、$P$ のもう一方の因子が一致する。

ここで $c=3$ のとき

$$ P=(x-9y+a-9b)(x+9y+a+9b) $$

である。$P$ と $Q$ の共通因数が $x+9y+11$ だから

$$ a+9b=11 $$

であり、残りの因子は

$$ x-9y+a-9b $$

となる。これが $x+py-7$ に一致するので

$$ p=-9,\quad a-9b=-7 $$

を得る。これと $a+9b=11$ を連立すると

$$ 2a=4 $$

より

$$ a=2, $$

さらに

$$ 2+9b=11 $$

より

$$ b=1. $$

$c=-3$ のときも、$P$ の因子の順序が入れ替わるだけで同じ条件

$$ a=2,\quad b=1,\quad p=-9 $$

を与える。

以上より

$$ a=2,\quad b=1,\quad p=-9,\quad q=2,\quad c=\pm 3 $$

である。

解説

この問題の要点は、先に完全に因数分解することである。

特に (2) では、共通因数をもつという条件を係数比較に落とし込むのが本質である。$Q$ の因子が

$$ x+4y+11,\quad x+9y+11 $$

と確定するため、$P$ の $y$ の係数 $\pm 3c$、$R$ の因子の定数項 $-7,11$ を見れば、どの因子どうしが一致するかがほぼ自動的に決まる。

答え

$$ \begin{aligned} P&=(x-3cy+a-3bc)(x+3cy+a+3bc),\ Q&=(x+4y+11)(x+9y+11),\ R&=(x+py-7)(x+2qy+11). \end{aligned} $$

また、

$$ a=2,\quad b=1,\quad p=-9,\quad q=2,\quad c=\pm 3 $$

である。

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