東北大学 2012年 文系 第4問 解説

方針・初手
$\vec a,\vec b$ はともに長さ $1$ で、$\vec a\cdot \vec b=-\dfrac12$ であるから、角は $120^\circ$ である。したがって、$\vec a,\vec b$ を基底とみなしてベクトルを表し、内積条件を式に直すのが自然である。
(1) では $\vec c=p\vec a+q\vec b$ をそのまま内積条件に代入する。
(2) では $\vec x=s\vec a+t\vec b$ とおき、$u=\vec a\cdot \vec x,\ v=\vec b\cdot \vec x$ とおいて $| \vec x |^2$ を $u,v$ で表す。
解法1
(1)
$\vec c=p\vec a+q\vec b$ より、
$$ \vec a\cdot \vec c=\vec a\cdot (p\vec a+q\vec b) =p|\vec a|^2+q(\vec a\cdot \vec b) =p-\frac{q}{2}. $$
条件 $\vec a\cdot \vec c=0$ から、
$$ p-\frac{q}{2}=0 $$
となるので、
$$ q=2p $$
である。
次に $|\vec c|=1$ より、
$$ |\vec c|^2 =|p\vec a+q\vec b|^2 =p^2|\vec a|^2+q^2|\vec b|^2+2pq(\vec a\cdot \vec b) =p^2+q^2-pq=1. $$
ここに $q=2p$ を代入すると、
$$ p^2+4p^2-2p^2=1 $$
すなわち
$$ 3p^2=1. $$
さらに $p>0$ であるから、
$$ p=\frac{1}{\sqrt3},\qquad q=\frac{2}{\sqrt3} $$
となる。
(2)
$\vec x=s\vec a+t\vec b$ とおく。また
$$ u=\vec a\cdot \vec x,\qquad v=\vec b\cdot \vec x $$
とおくと、条件は
$$ -1\le u\le 1,\qquad 1\le v\le 2 $$
である。
一方、
$$ u=\vec a\cdot (s\vec a+t\vec b)=s-\frac{t}{2}, \qquad v=\vec b\cdot (s\vec a+t\vec b)=-\frac{s}{2}+t. $$
これを $s,t$ について解くと、
$$ \begin{aligned} 2u&=2s-t,\\ 2v&=-s+2t \end{aligned} $$
より、
$$ \begin{aligned} 4u+2v&=3s,\\ 2u+4v&=3t \end{aligned} $$
となるから、
$$ s=\frac{4u+2v}{3},\qquad t=\frac{2u+4v}{3} $$
である。
したがって、
$$ |\vec x|^2 =s^2+t^2-st $$
であり、これに上の $s,t$ を代入すると、
$$ |\vec x|^2=\frac{4}{3}(u^2+uv+v^2) $$
を得る。
よって、$u^2+uv+v^2$ の最大値・最小値を求めればよい。
まず $v$ について見ると、
$$ \frac{\partial}{\partial v}(u^2+uv+v^2)=u+2v $$
であり、条件 $-1\le u\le 1,\ 1\le v\le 2$ のもとでは
$$ u+2v\ge -1+2\cdot 1=1>0 $$
となる。したがって $u^2+uv+v^2$ はこの範囲で $v$ に関して単調増加である。
ゆえに最小値は $v=1$ のときに生じ、最大値は $v=2$ のときに生じる。
まず最小値について、$v=1$ とすると
$$ u^2+u+1=\left(u+\frac12\right)^2+\frac34. $$
したがって、
$$ u^2+u+1\ge \frac34 $$
であり、$u=-\dfrac12$ のとき等号が成り立つ。よって
$$ |\vec x|^2_{\min}=\frac{4}{3}\cdot \frac34=1. $$
次に最大値について、$v=2$ とすると
$$ u^2+2u+4=(u+1)^2+3. $$
$-1\le u\le 1$ においてこの最大値は $u=1$ のときに生じるから、
$$ u^2+2u+4\le 7. $$
よって
$$ |\vec x|^2_{\max}=\frac{4}{3}\cdot 7=\frac{28}{3}. $$
以上より、
$$ 1\le |\vec x|^2\le \frac{28}{3} $$
すなわち
$$ 1\le |\vec x|\le \sqrt{\frac{28}{3}}=\frac{2\sqrt{21}}{3} $$
である。
解説
この問題の要点は、$\vec a\cdot \vec b=-\dfrac12$ を使って、$\vec a,\vec b$ の一次結合で表したベクトルの長さや内積を具体的な式に落とすことである。
(1) は条件がそのまま $p,q$ の連立方程式になるので、まず $\vec a\cdot \vec c=0$ から $q=2p$ を出すのが最短である。
(2) は $\vec a\cdot \vec x,\ \vec b\cdot \vec x$ に範囲条件があるので、これらを新しい変数 $u,v$ とおくと整理しやすい。$|\vec x|^2$ を $u,v$ の二次式に直せば、あとは長方形領域上での最大最小の問題になる。
答え
$$ p=\frac{1}{\sqrt3},\qquad q=\frac{2}{\sqrt3} $$
および
$$ 1\le |\vec x|\le \frac{2\sqrt{21}}{3}. $$
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