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東北大学 1973年 理系 第2問 解説

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東北大学 1973年 理系 第2問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(X, Y, Z)$ とおき、$N(0, 0, 1)$、$S(0, 0, -1)$ を通る直線と $XY$ 平面の交点 $Q(x, y, 0)$、$Q'(x', y', 0)$ の座標を $X, Y, Z$ を用いて表す。 点 $P$ が単位球面上にある条件 $X^2 + Y^2 + Z^2 = 1$ を利用して、$Q$ の座標 $(x, y)$ と $Q'$ の座標 $(x', y')$ の関係式を導く。 その関係式を用いて、$Q$ が描く円の方程式を $x', y'$ で表し、$Q'$ の軌跡を求める。

解法1

球面上の点 $P$ の座標を $(X, Y, Z)$ とおく。

点 $P$ は単位球面上にあり、$N(0, 0, 1)$、$S(0, 0, -1)$ とは異なるため、次が成り立つ。

$$ X^2 + Y^2 + Z^2 = 1 \quad (Z \neq \pm 1) $$

点 $Q(x, y, 0)$ は直線 $NP$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて $\vec{OQ} = \vec{ON} + t\vec{NP}$ と表せる。

$$ (x, y, 0) = (0, 0, 1) + t(X, Y, Z - 1) = (tX, tY, 1 + t(Z - 1)) $$

$z$ 成分に注目すると $1 + t(Z - 1) = 0$ となり、$Z \neq 1$ より $t = \frac{1}{1 - Z}$ を得る。これを $x, y$ の式に代入すると次が成り立つ。

$$ x = \frac{X}{1 - Z}, \quad y = \frac{Y}{1 - Z} $$

同様に、点 $Q'(x', y', 0)$ は直線 $SP$ 上にあるので、実数 $s$ を用いて $\vec{OQ'} = \vec{OS} + s\vec{SP}$ と表せる。

$$ (x', y', 0) = (0, 0, -1) + s(X, Y, Z + 1) = (sX, sY, -1 + s(Z + 1)) $$

$z$ 成分に注目すると $-1 + s(Z + 1) = 0$ となり、$Z \neq -1$ より $s = \frac{1}{1 + Z}$ を得る。同様に代入して次が成り立つ。

$$ x' = \frac{X}{1 + Z}, \quad y' = \frac{Y}{1 + Z} $$

ここで、$X^2 + Y^2 = 1 - Z^2 = (1 - Z)(1 + Z)$ を用いて、$(x')^2 + (y')^2$ を計算する。

$$ (x')^2 + (y')^2 = \frac{X^2 + Y^2}{(1 + Z)^2} = \frac{(1 - Z)(1 + Z)}{(1 + Z)^2} = \frac{1 - Z}{1 + Z} $$

これより、$Z \neq 1$ であるため $(x')^2 + (y')^2 \neq 0$ であり、次のように変形できる。

$$ \frac{1 + Z}{1 - Z} = \frac{1}{(x')^2 + (y')^2} $$

また、$x, y$ と $x', y'$ の関係について、それぞれの比をとることで次が分かる。

$$ x = \frac{1 + Z}{1 - Z} x', \quad y = \frac{1 + Z}{1 - Z} y' $$

これに先ほどの式を代入すると、$(x, y)$ と $(x', y')$ の関係式が得られる。

$$ x = \frac{x'}{(x')^2 + (y')^2}, \quad y = \frac{y'}{(x')^2 + (y')^2} $$

点 $Q(x, y)$ は円 $(x - a)^2 + (y - b)^2 = r^2$ 上を動く。これを展開すると次の方程式になる。

$$ x^2 + y^2 - 2ax - 2by + a^2 + b^2 - r^2 = 0 $$

ここで、$x^2 + y^2 = \frac{(x')^2 + (y')^2}{\{(x')^2 + (y')^2\}^2} = \frac{1}{(x')^2 + (y')^2}$ であるから、これを円の方程式に代入する。

$$ \frac{1}{(x')^2 + (y')^2} - 2a \frac{x'}{(x')^2 + (y')^2} - 2b \frac{y'}{(x')^2 + (y')^2} + a^2 + b^2 - r^2 = 0 $$

両辺に $(x')^2 + (y')^2$ をかけると、$x', y'$ の満たすべき方程式が得られる。

$$ 1 - 2ax' - 2by' + (a^2 + b^2 - r^2)\{(x')^2 + (y')^2\} = 0 $$

この方程式が表す図形は、$x'^2, y'^2$ の係数 $a^2 + b^2 - r^2$ の値によって異なるため、場合分けを行う。

(i) $a^2 + b^2 - r^2 = 0$ のとき

方程式は $1 - 2ax' - 2by' = 0$ となる。$a^2 + b^2 = r^2 > 0$ より $a, b$ は同時には $0$ にならないため、これは直線を表す。

$$ 2ax' + 2by' - 1 = 0 $$

(ii) $a^2 + b^2 - r^2 \neq 0$ のとき

方程式の両辺を $a^2 + b^2 - r^2$ で割り、整理する。

$$ (x')^2 + (y')^2 - \frac{2a}{a^2 + b^2 - r^2} x' - \frac{2b}{a^2 + b^2 - r^2} y' + \frac{1}{a^2 + b^2 - r^2} = 0 $$

平方完成を行うと、次のように変形できる。

$$ \left( x' - \frac{a}{a^2 + b^2 - r^2} \right)^2 + \left( y' - \frac{b}{a^2 + b^2 - r^2} \right)^2 = \frac{r^2}{(a^2 + b^2 - r^2)^2} $$

$r > 0$ であるため、これは円を表す。

解説

本問は、単位球面上の点を座標平面に投影する「ステレオ投影」を題材とした問題である。 北極 $N$ からの投影 $Q$ と南極 $S$ からの投影 $Q'$ について、$Q$ と $Q'$ が原点中心の反転($|\vec{OQ}| \cdot |\vec{OQ'}| = 1$ かつ同じ向き)の関係にあることを見抜くか、座標計算で愚直に $x, y$ と $x', y'$ の関係を導くことが最大のポイントである。

反転の性質として「原点を通らない円は、原点を通らない円に移る」「原点を通る円は、原点を通らない直線に移る」という有名な事実があり、場合分けの $a^2 + b^2 - r^2 = 0$ はまさに「元の円が原点を通るか否か」の条件と一致している。

答え

$Q'$ が動く曲線は、$a, b, r$ の条件によって以下のように分類される。

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