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名古屋大学 1988年 理系 第3問 解説

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名古屋大学 1988年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) 点 $P$ の座標を $(x, y, z)$ とおき、問題文の条件を立式します。$\angle AOP < \frac{\pi}{2}$ の条件は内積を用いて処理し、平面 $\alpha$ と接平面 $\beta$ の法線ベクトルをそれぞれ成分で表して、なす角が $a$ である条件を適用します。

(2) (1) で求めた集合 $M$ の式($y$ の値が定まる)を平面の方程式に代入し、$xz$ 平面上の円と直線の共有点条件に帰着させます。点と直線の距離の公式を用いると簡明です。

解法1

(1) 平面 $\alpha: y=1$ の法線ベクトルとして $\vec{n_\alpha} = (0, 1, 0)$ をとる。 点 $P$ の座標を $(x, y, z)$ とおく。$P$ は球面 $C$ 上の点であるから、 $$x^2 + y^2 + z^2 = 1$$ が成り立つ。 点 $A(0, 1, 0)$ の位置ベクトルは $\vec{OA} = (0, 1, 0)$ であり、$\angle AOP < \frac{\pi}{2}$ であるから、内積について以下が成り立つ。 $$\vec{OA} \cdot \vec{OP} = 1 \cdot y = y > 0$$

点 $P$ における球面 $C$ の接平面 $\beta$ の法線ベクトルは、半径ベクトル $\vec{OP}$ そのものとしてよく、$\vec{n_\beta} = (x, y, z)$ ととれる。 平面 $\alpha$ と接平面 $\beta$ の法線のなす角が $a$ であるから、 $$\cos a = \frac{\vec{n_\alpha} \cdot \vec{n_\beta}}{|\vec{n_\alpha}| |\vec{n_\beta}|} = \frac{1 \cdot y}{1 \cdot 1} = y$$

よって、$y = \cos a$ である。$0 < a < \frac{\pi}{2}$ であるから、$y = \cos a > 0$ を満たしており適する。 これを球面 $C$ の方程式に代入すると、 $$x^2 + \cos^2 a + z^2 = 1$$ $$x^2 + z^2 = 1 - \cos^2 a$$ $$x^2 + z^2 = \sin^2 a$$

したがって、集合 $M$ は空間内の平面 $y = \cos a$ 上にある、点 $(0, \cos a, 0)$ を中心とする半径 $\sin a$ の円である。

(2) 集合 $M$ は以下の連立方程式で表される。 $$\begin{cases} x^2 + z^2 = \sin^2 a \\ y = \cos a \end{cases}$$

平面 $px + y - z + q - \cos a = 0$ と $M$ が共有点をもつための条件を考える。 平面の方程式に $y = \cos a$ を代入して整理すると、 $$px + \cos a - z + q - \cos a = 0$$ $$px - z + q = 0$$

これは、$xz$ 平面において、直線 $px - z + q = 0$ が円 $x^2 + z^2 = \sin^2 a$ と共有点をもつ条件と同値である。 円の中心 $(0, 0)$ と直線 $px - z + q = 0$ の距離 $d$ が、円の半径 $\sin a$ 以下であればよい。 点と直線の距離の公式より、 $$d = \frac{|p \cdot 0 - 0 + q|}{\sqrt{p^2 + (-1)^2}} = \frac{|q|}{\sqrt{p^2 + 1}}$$

したがって、共有点をもつ条件は $$\frac{|q|}{\sqrt{p^2 + 1}} \le \sin a$$ $$|q| \le \sin a \sqrt{p^2 + 1}$$

両辺はともに正であるため、2乗して同値変形を行う。 $$q^2 \le \sin^2 a (p^2 + 1)$$ $$q^2 - p^2 \sin^2 a \le \sin^2 a$$ $$\frac{q^2}{\sin^2 a} - p^2 \le 1$$

この不等式を満たす点 $(p, q)$ の存在範囲を図示する。 境界線は $pq$ 平面上の双曲線 $\frac{q^2}{\sin^2 a} - p^2 = 1$ である。 この双曲線の頂点は $(0, \sin a)$ と $(0, -\sin a)$ であり、漸近線は $q = p \sin a$ および $q = -p \sin a$ である。 不等式は $p=0$ のとき $q^2 \le \sin^2 a \iff -\sin a \le q \le \sin a$ を満たす領域を表すため、双曲線の上下の枝に挟まれた部分(原点を含む側)となる。

解説

空間図形と方程式の標準的な問題です。 (1) では、平面の法線ベクトルのなす角が問われていますが、原点を中心とする球面の接平面の法線ベクトルが接点の位置ベクトルと一致することを利用するとスムーズに立式できます。 (2) は、空間内の図形の共有点条件を、ある平面(ここでは $y = \cos a$ の平面、実質的に $xz$ 平面)上での円と直線の共有点条件に帰着させるのがポイントです。判別式を用いても解けますが、円と直線の関係であるため「点と直線の距離の公式」を用いる方が計算量が少なく、ミスを防げます。 最後に登場する双曲線の領域図示は、漸近線と頂点の座標を明記して概形を描くことが重要です。

答え

(1) 平面 $y = \cos a$ 上にある、点 $(0, \cos a, 0)$ を中心とする半径 $\sin a$ の円。

(2) 求める条件は $q^2 - p^2 \sin^2 a \le \sin^2 a$ (または $|q| \le \sin a \sqrt{p^2 + 1}$) 点 $(p, q)$ の存在範囲は、双曲線 $\frac{q^2}{\sin^2 a} - p^2 = 1$ の上下の枝に挟まれた、原点を含む側の領域(境界線を含む)。 (※図示は省略するが、横軸を $p$ 軸、縦軸を $q$ 軸とし、漸近線 $q = \pm (\sin a) p$、頂点 $(0, \pm \sin a)$ を明記した双曲線を描き、その双曲線に挟まれた原点を含む領域を塗る。)

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