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北海道大学 2016年 理系 第5問 解説

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北海道大学 2016年 理系 第5問 解説

方針・初手

空間図形における直線と点の距離を求める問題です。 まずは直線上の点を媒介変数(パラメータ)を用いて表し、点から下ろした垂線と直線の方向ベクトルが垂直に交わる(内積が $0$ になる)条件を利用して、交点の座標を求めます。 後半は、得られた距離の式を $s, t$ の関係式として整理し、それが $st$ 平面上でどのような図形を表すか(放物線の基本形とその平行移動)を読み取ります。

解法1

(1)

直線 $l$ は点 $A(0,0,2)$ を通り、方向ベクトルは $\vec{AB} = (0,1,1)$ である。 点 $Q$ は $l$ 上にあるため、実数 $u$ を用いて次のように表せる。

$$ \vec{OQ} = \vec{OA} + u\vec{AB} = (0, 0, 2) + u(0, 1, 1) = (0, u, u+2) $$

よって、$Q$ の座標は $(0, u, u+2)$ となる。 このとき、ベクトル $\vec{PQ}$ は

$$ \vec{PQ} = (0-s, u-t, u+2-a) = (-s, u-t, u-a+2) $$

$PQ \perp l$ より、$\vec{PQ}$ と $\vec{AB}$ の内積は $0$ であるから、

$$ \vec{PQ} \cdot \vec{AB} = 0 \cdot (-s) + 1 \cdot (u-t) + 1 \cdot (u-a+2) = 0 $$

$$ 2u - t - a + 2 = 0 $$

これを $u$ について解くと、

$$ u = \frac{t+a-2}{2} $$

したがって、$Q$ の座標は、これを代入して

$$ Q \left( 0, \frac{t+a-2}{2}, \frac{t+a+2}{2} \right) $$

同様に、直線 $m$ は点 $C(1,0,0)$ を通り、方向ベクトルは $\vec{CD} = (0,0,1)$ である。 点 $R$ は $m$ 上にあるため、実数 $v$ を用いて次のように表せる。

$$ \vec{OR} = \vec{OC} + v\vec{CD} = (1, 0, 0) + v(0, 0, 1) = (1, 0, v) $$

よって、$R$ の座標は $(1, 0, v)$ となる。 このとき、ベクトル $\vec{PR}$ は

$$ \vec{PR} = (1-s, 0-t, v-a) = (1-s, -t, v-a) $$

$PR \perp m$ より、$\vec{PR}$ と $\vec{CD}$ の内積は $0$ であるから、

$$ \vec{PR} \cdot \vec{CD} = 0 \cdot (1-s) + 0 \cdot (-t) + 1 \cdot (v-a) = 0 $$

$$ v - a = 0 $$

これを $v$ について解くと、

$$ v = a $$

したがって、$R$ の座標は

$$ R (1, 0, a) $$

(2)

点 $P$ を中心とする球面が直線 $l, m$ とともに接するとき、中心 $P$ から直線 $l, m$ までの距離は等しくなる。すなわち $|\vec{PQ}| = |\vec{PR}|$ が成り立つ。 両辺を2乗して $|\vec{PQ}|^2 = |\vec{PR}|^2$ とすると、(1) の結果より

$$ \vec{PQ} = \left( -s, \frac{-t+a-2}{2}, \frac{t-a+2}{2} \right) $$

であるから、

$$ |\vec{PQ}|^2 = (-s)^2 + \left( \frac{-(t-a+2)}{2} \right)^2 + \left( \frac{t-a+2}{2} \right)^2 = s^2 + \frac{1}{2}(t-a+2)^2 $$

また、$\vec{PR} = (1-s, -t, 0)$ より

$$ |\vec{PR}|^2 = (1-s)^2 + (-t)^2 = s^2 - 2s + 1 + t^2 $$

これらを等置すると、

$$ s^2 + \frac{1}{2}(t-a+2)^2 = s^2 - 2s + 1 + t^2 $$

両辺から $s^2$ を消去し、展開して整理する。

$$ \frac{1}{2}(t^2 - 2(a-2)t + (a-2)^2) = -2s + 1 + t^2 $$

全体を2倍すると、

$$ t^2 - 2(a-2)t + (a-2)^2 = -4s + 2 + 2t^2 $$

$$ 4s = t^2 + 2(a-2)t - (a-2)^2 + 2 $$

$$ 4s = (t + a - 2)^2 - (a - 2)^2 - (a - 2)^2 + 2 $$

$$ 4s = (t + a - 2)^2 - 2a^2 + 8a - 6 $$

$$ s = \frac{1}{4}(t + a - 2)^2 - \frac{a^2 - 4a + 3}{2} $$

これが求める条件の $s, t, a$ の関係式である。

(3)

(2) で求めた関係式

$$ s = \frac{1}{4}(t + a - 2)^2 - \frac{a^2 - 4a + 3}{2} $$

は、$st$ 平面(横軸を $s$、縦軸を $t$ とみなした座標平面)において、放物線 $s = \frac{1}{4}t^2$ を

だけ平行移動した図形を表す。したがって、平面上の点 $(s,t)$ の軌跡は放物線である。

ここで、基本となる放物線 $t^2 = 4s$ において、$4p = 4$ より $p=1$ となるため、その焦点は $(1, 0)$、準線は $s = -1$ である。 求める放物線の焦点と準線は、これらを上記の量だけ平行移動したものである。

焦点の座標は、

$$ \left( 1 - \frac{a^2 - 4a + 3}{2}, 0 - a + 2 \right) = \left( \frac{-a^2 + 4a - 1}{2}, -a+2 \right) $$

準線の方程式は、

$$ s = -1 - \frac{a^2 - 4a + 3}{2} = \frac{-a^2 + 4a - 5}{2} $$

解説

ベクトルを用いた空間座標の基礎的な演算と、2次曲線の性質(放物線の頂点、焦点、準線)を問う融合問題です。 放物線の基本形として、$y^2 = 4px$ ($x$ 軸が対称軸)の形に持ち込んで処理できるかどうかが鍵となります。本問では変数として $s$ と $t$ が用いられており、$s$ が $x$ 軸方向、$t$ が $y$ 軸方向に対応している点に注意が必要です。焦点や準線の定義を忘れてしまった場合は、$st$ 平面を $xy$ 平面に置き換えて視覚的に整理するとミスを防げます。

答え

(1)

$Q \left( 0, \frac{t+a-2}{2}, \frac{t+a+2}{2} \right)$ $R (1, 0, a)$

(2)

$s = \frac{1}{4}(t + a - 2)^2 - \frac{a^2 - 4a + 3}{2}$ (または $4s = t^2 + 2(a-2)t - a^2 + 4a - 2$ など展開・整理された形)

(3)

軌跡が放物線であることの証明は解法に示した通り。 焦点: $\left( \frac{-a^2 + 4a - 1}{2}, -a+2 \right)$ 準線: $s = \frac{-a^2 + 4a - 5}{2}$

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