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東北大学 1985年 理系 第3問 解説

数学1/方程式不等式数学3/積分法数学3/極限テーマ/場合分け
東北大学 1985年 理系 第3問 解説

方針・初手

まず $\left[\dfrac{x+1}{2}\right]$ がどの区間で一定になるかを見る。

$\left[\dfrac{x+1}{2}\right]$ は長さ $2$ の区間ごとに値が $1$ ずつ増えるので、$f(x)$ は各区間で一次式の絶対値となる。したがってグラフは折れ線になり、しかも周期性が見えてくる。

積分はこの周期性を用いて、長さ $2$ の区間ごとの和に分解するとよい。

解法1

$\left[\dfrac{x+1}{2}\right]$ の値を調べるため、整数 $k$ に対して区間を分ける。

(i) $2k \leqq x < 2k+1$ のとき

$$ k \leqq \frac{x+1}{2} < k+1 $$

であるから、

$$ \left[\frac{x+1}{2}\right]=k $$

したがって

$$ f(x)=|x-2k|=x-2k $$

である。

(ii) $2k+1 \leqq x < 2k+2$ のとき

$$ k+1 \leqq \frac{x+1}{2} < k+\frac{3}{2} $$

であるから、

$$ \left[\frac{x+1}{2}\right]=k+1 $$

したがって

$$ f(x)=|x-2(k+1)|=2k+2-x $$

である。

以上より、任意の整数 $k$ に対して

$$ f(x)= \begin{cases} x-2k & (2k \leqq x < 2k+1),\\ 2k+2-x & (2k+1 \leqq x < 2k+2) \end{cases} $$

となる。

よって $y=f(x)$ のグラフは、各整数 $k$ に対して $(2k,0)$、$(2k+1,1)$、$(2k+2,0)$ を結ぶ折れ線である。すなわち、頂点が

$$ (2k,0),\ (2k+1,1)\qquad (k\in\mathbb{Z}) $$

にある高さ $1$ の三角波であり、周期は $2$ である。

次に積分を求める。周期 $2$ を用いると、

$$ f(x+2)=f(x) $$

であるから、

$$ \int_0^{2n} e^{-2x}f(x),dx ========================== \sum_{k=0}^{n-1}\int_{2k}^{2k+2} e^{-2x}f(x),dx $$

と分けられる。ここで $x=t+2k$ とおくと、

$$ \int_{2k}^{2k+2} e^{-2x}f(x),dx =============================== e^{-4k}\int_0^2 e^{-2t}f(t),dt $$

である。したがって

$$ \int_0^{2n} e^{-2x}f(x),dx ========================== \left(\int_0^2 e^{-2x}f(x),dx\right)\sum_{k=0}^{n-1}e^{-4k} $$

となる。

そこで

$$ A=\int_0^2 e^{-2x}f(x),dx $$

を求める。区間 $[0,2]$ では

$$ f(x)= \begin{cases} x & (0\leqq x<1),\ 2-x & (1\leqq x<2) \end{cases} $$

であるから、

$$ A=\int_0^1 xe^{-2x},dx+\int_1^2 (2-x)e^{-2x},dx $$

である。

まず

$$ \int xe^{-2x},dx ================ -\frac{2x+1}{4}e^{-2x} $$

より、

$$ \int_0^1 xe^{-2x},dx ==================== # \left[-\frac{2x+1}{4}e^{-2x}\right]_0^1 \frac{1-3e^{-2}}{4} $$

である。

また

$$ \int (2-x)e^{-2x},dx ==================== \frac{2x-3}{4}e^{-2x} $$

より、

$$ \int_1^2 (2-x)e^{-2x},dx ======================== # \left[\frac{2x-3}{4}e^{-2x}\right]_1^2 \frac{e^{-2}-e^{-4}}{4} $$

である。

したがって

$$ A=\frac{1-3e^{-2}}{4}+\frac{e^{-2}-e^{-4}}{4} =\frac{1-2e^{-2}+e^{-4}}{4} =\frac{(1-e^{-2})^2}{4} $$

となる。

よって

$$ \int_0^{2n} e^{-2x}f(x),dx ========================== \frac{(1-e^{-2})^2}{4}\sum_{k=0}^{n-1}e^{-4k} $$

であり、$n\to\infty$ で

$$ \sum_{k=0}^{n-1}e^{-4k}\to \frac{1}{1-e^{-4}} $$

だから、

$$ \lim_{n\to\infty}\int_0^{2n} e^{-2x}f(x),dx =========================================== # \frac{(1-e^{-2})^2}{4(1-e^{-4})} # \frac{1-e^{-2}}{4(1+e^{-2})} \frac{e^2-1}{4(e^2+1)} $$

である。

解説

この問題の本質は、床関数 $\left[\dfrac{x+1}{2}\right]$ が「長さ $2$ ごとに一定」であることにある。そのため $f(x)$ は各区間で一次式となり、全体として周期 $2$ の三角波になる。

積分でもこの周期性が決定的である。$f(x)$ 自体は周期関数だが、重み $e^{-2x}$ は周期的でない。しかし区間 $[2k,2k+2]$ ごとに見ると、重みが $e^{-4k}$ 倍ずつ減るので、等比級数に帰着できる。

答え

$$ f(x)= \begin{cases} x-2k & (2k \leqq x < 2k+1),\ 2k+2-x & (2k+1 \leqq x < 2k+2) \end{cases} \qquad (k\in\mathbb{Z}) $$

したがってグラフは、各整数 $k$ に対し $(2k,0)$、$(2k+1,1)$、$(2k+2,0)$ を結ぶ折れ線である。

また、

$$ \lim_{n\to\infty}\int_0^{2n} e^{-2x}f(x)\,dx = \frac{e^2-1}{4(e^2+1)} $$

である。

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