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東北大学 1988年 理系 第2問 解説

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東北大学 1988年 理系 第2問 解説

方針・初手

おうぎ形の図形的な対称性に着目し、中心角を二等分する直線を軸として長方形の各辺の長さを $x$ と $\theta$ で表す。その後、三角関数の倍角の公式や加法定理(合成)を用いて面積関数 $S_\theta(x)$ を整理し、最大値を求める。

解法1

(1)

おうぎ形の中心角を二等分する直線を $l$ とする。図形の対称性から、長方形 $ABCD$ は直線 $l$ に関して対称である。

辺 $AB$ と $l$ の交点を $H$、辺 $CD$ と $l$ の交点を $K$ とすると、$H, K$ はそれぞれ $AB, CD$ の中点であり、$l \perp AB$、$l \perp CD$ となる。

$\angle AOB = 2x$ であり、$l$ は $\angle AOB$ の二等分線でもあるため、$\angle AOH = x$ である。

直角三角形 $OAH$ において、$OA = 1$ より、

$$ AH = 1 \cdot \sin x = \sin x $$

$$ OH = 1 \cdot \cos x = \cos x $$

となる。長方形の横の長さは $AB = 2AH = 2\sin x$ である。

また、点 $D$ はおうぎ形の半径上にあり、この半径と $l$ のなす角はおうぎ形の中心角 $4\theta$ の半分の $2\theta$ である。よって $\angle DOK = 2\theta$ となる。

直角三角形 $ODK$ において、$DK = AH = \sin x$ であるから、

$$ OK = \frac{DK}{\tan(2\theta)} = \frac{\sin x}{\tan(2\theta)} $$

となる。長方形の縦の長さは $AD = HK = OH - OK$ であるから、

$$ AD = \cos x - \frac{\sin x}{\tan(2\theta)} $$

となる。

長方形が存在するための条件は $AD > 0$ より $\cos x > \frac{\sin x}{\tan(2\theta)}$ すなわち $\tan x < \tan(2\theta)$ であるから、$x$ のとりうる値の範囲は $0 < x < 2\theta$ である。

長方形の面積 $S_\theta(x)$ は、$S_\theta(x) = AB \cdot AD$ より、

$$ \begin{aligned} S_\theta(x) &= 2\sin x \left( \cos x - \frac{\sin x}{\tan(2\theta)} \right) \\ &= 2\sin x \cos x - \frac{2\sin^2 x}{\tan(2\theta)} \\ &= \sin(2x) - \frac{1 - \cos(2x)}{\tan(2\theta)} \end{aligned} $$

と表される。

(2)

(1) で求めた $S_\theta(x)$ の式を通分し、加法定理を用いて変形する。

$$ \begin{aligned} S_\theta(x) &= \frac{\sin(2x)\sin(2\theta) - (1 - \cos(2x))\cos(2\theta)}{\sin(2\theta)} \\ &= \frac{\sin(2x)\sin(2\theta) + \cos(2x)\cos(2\theta) - \cos(2\theta)}{\sin(2\theta)} \\ &= \frac{\cos(2\theta - 2x) - \cos(2\theta)}{\sin(2\theta)} \end{aligned} $$

$0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ であり、$x$ の範囲は $0 < x < 2\theta$ であるから、

$$ 0 < 2x < 4\theta \iff -2\theta < 2\theta - 2x < 2\theta $$

である。

この範囲で $\cos(2\theta - 2x)$ が最大となるのは $2\theta - 2x = 0$、すなわち $x = \theta$ のときであり、そのときの最大値は $\cos 0 = 1$ である。

したがって、$S_\theta(x)$ を最大にする $x$ の値は $x = \theta$ であり、最大値 $M(\theta)$ は、

$$ \begin{aligned} M(\theta) &= \frac{1 - \cos(2\theta)}{\sin(2\theta)} \\ &= \frac{2\sin^2 \theta}{2\sin \theta \cos \theta} \\ &= \tan \theta \end{aligned} $$

となる。

(3)

関数 $M(\theta) = \tan \theta$ のグラフは、$\theta y$ 平面において以下のような特徴を持つ。

これらの特徴をふまえ、横軸に $\theta$、縦軸に $y$ をとって曲線を描画する。

解説

(1) 長方形の面積を角 $x$ を用いて立式する問題である。おうぎ形とそれに内接する長方形がもつ「対称性」を見抜き、中心角の二等分線を基準に考えることが重要である。

(2) $S_\theta(x)$ の最大値を求める問題である。式に $\sin(2x)$ と $\cos(2x)$ が現れることから、三角関数の合成(加法定理の逆)を用いて $\cos$ の $1$ つの項にまとめることで、微分を使わずに視覚的に最大値を求めることができる。 もちろん、$x$ について微分して $S_\theta'(x) = 0$ となる条件を求めて増減表をかき、最大値を求める方針でもよい。その場合 $S_\theta'(x) = 2\cos(2x) - \frac{2\sin(2x)}{\tan(2\theta)}$ となり、$S_\theta'(x) = 0 \iff \tan(2x) = \tan(2\theta)$ から $x = \theta$ を得る。

(3) 半角の公式などを用いて求めた $M(\theta)$ の式が $\tan \theta$ と極めてシンプルな形になる。定義域が $0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ であることに注意し、端点を含まないグラフを正確にかくことが求められる。

答え

(1) $S_\theta(x) = \sin(2x) - \frac{1 - \cos(2x)}{\tan(2\theta)}$

(2) $S_\theta(x)$ を最大にする $x$ の値は $x = \theta$ 、最大値 $M(\theta) = \tan \theta$

(3) 横軸に $\theta$、縦軸に $y$ をとり、点 $(0, 0)$ と点 $\left(\frac{\pi}{4}, 1\right)$ を結ぶ、下に凸で単調増加する $y = \tan \theta$ の曲線。(ただし、両端の点は含まない)

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