東北大学 1989年 理系 第3問 解説

方針・初手
$t$ 秒後の水面の高さを $h(t)$ 、水の体積を $V(t)$ として、微分方程式を立てる。
(1) 水面の上昇速度 $\frac{dh}{dt}$ が与えられているので、これを $t$ で積分して $h(t)$ を求める。
(2) 水の体積に関する2つの表し方(時間 $t$ を用いた式と、高さ $y$ を用いた回転体の体積の式)を比較し、合成関数の微分(連鎖律)を用いて $f(y)$ を導く。
解法1
$t$ 秒後の水面の高さを $y = h(t)$、水の体積を $V$ とおく。
(1)
水面の上昇速度が $\frac{1}{\sqrt{1+t}}$ であるから、
$$\frac{dy}{dt} = \frac{1}{\sqrt{1+t}}$$
が成り立つ。これを $t$ について積分すると、
$$y = \int \frac{1}{\sqrt{1+t}} dt = 2\sqrt{1+t} + C \quad (C\text{ は積分定数})$$
$t=0$ のとき容器は空であり水面の高さは $0$ であるから、$y=0$ となる。
$$0 = 2\sqrt{1+0} + C$$
$$C = -2$$
したがって、$t$ 秒後の水面の高さは、
$$y = 2\sqrt{1+t} - 2$$
と表される。
水面の高さが $18\text{cm}$ になる時間を求めるので、$y=18$ を代入すると、
$$18 = 2\sqrt{1+t} - 2$$
$$20 = 2\sqrt{1+t}$$
$$\sqrt{1+t} = 10$$
両辺を2乗して、
$$1+t = 100$$
$$t = 99$$
よって、$99$秒後である。
(2)
水面の高さが $y$ のときの水の体積 $V$ は、曲線 $x=f(y)$ を $y$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積であるから、
$$V = \int_{0}^{y} \pi \{f(u)\}^2 du$$
と表せる。これを $y$ で微分すると、
$$\frac{dV}{dy} = \pi \{f(y)\}^2$$
となる。
一方で、毎秒 $a \text{ cm}^3$ の割合で水を入れるので、時間 $t$ における水の体積 $V$ は、
$$V = at$$
と表せる。これを $t$ で微分すると、
$$\frac{dV}{dt} = a$$
となる。
ここで、合成関数の微分法(連鎖律)より、
$$\frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dy} \cdot \frac{dy}{dt}$$
が成り立つので、これまでに求めた式を代入すると、
$$a = \pi \{f(y)\}^2 \cdot \frac{1}{\sqrt{1+t}}$$
$$\pi \{f(y)\}^2 = a\sqrt{1+t}$$
(1) より $y = 2\sqrt{1+t} - 2$ であるから、$\sqrt{1+t}$ を $y$ で表すと、
$$\sqrt{1+t} = \frac{y+2}{2}$$
これを上の式に代入すると、
$$\pi \{f(y)\}^2 = a \cdot \frac{y+2}{2}$$
$$\{f(y)\}^2 = \frac{a(y+2)}{2\pi}$$
条件より $f(y) > 0$ であるから、
$$f(y) = \sqrt{\frac{a(y+2)}{2\pi}}$$
となる。
解説
回転体の体積と微分方程式を組み合わせた頻出問題である。「毎秒 $a \text{ cm}^3$ の割合で水を入れる」という条件を $\frac{dV}{dt} = a$ と数式化できるか、そして $\frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dy} \cdot \frac{dy}{dt}$ の関係式を正しく立てられるかがポイントとなる。立体の底面積 $S(y)$ を用いると $\frac{dV}{dy} = S(y)$ となる事実は、水槽問題における基本事項である。
答え
(1) $99$秒後
(2) $f(y) = \sqrt{\frac{a(y+2)}{2\pi}}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











