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東北大学 1989年 理系 第6問 解説

数学B/数列数学3/極限テーマ/漸化式
東北大学 1989年 理系 第6問 解説

方針・初手

分数漸化式 $x_{n+1} = \frac{px_n + q}{rx_n + s}$ で表される数列の一般項を求める典型問題である。(1)の誘導に従い、数列 $\{y_n\}$ が等比数列となるように定数 $a, b$ を定めることで、(2)で一般項 $x_n$ を求め、(3)でその極限を計算する。

解法1

(1)

与えられた漸化式を $y_{n+1} = \frac{x_{n+1} + a}{x_{n+1} + b}$ に代入する。

$$ \begin{aligned} y_{n+1} &= \frac{\frac{5x_n + 8}{x_n + 3} + a}{\frac{5x_n + 8}{x_n + 3} + b} \\ &= \frac{5x_n + 8 + a(x_n + 3)}{5x_n + 8 + b(x_n + 3)} \\ &= \frac{(a+5)x_n + 3a + 8}{(b+5)x_n + 3b + 8} \end{aligned} $$

数列 $\{y_n\}$ が等比数列となるためには、ある定数 $r$ が存在して $y_{n+1} = r y_n$ すなわち $y_{n+1} = r \frac{x_n + a}{x_n + b}$ がすべての自然数 $n$ に対して成り立てばよい。

$$ \frac{(a+5)x_n + 3a + 8}{(b+5)x_n + 3b + 8} = \frac{r(x_n + a)}{x_n + b} $$

これが成り立つための十分条件は、分子の式と分母の式がそれぞれ $x_n + a$ と $x_n + b$ の定数倍となることである。したがって、係数の比が等しくなればよく、

$$ a+5 : 3a+8 = 1 : a $$

$$ b+5 : 3b+8 = 1 : b $$

が成り立てばよい。$a$ についての比例式から方程式を立てて解く。

$$ a(a+5) = 3a+8 $$

$$ a^2 + 2a - 8 = 0 $$

$$ (a+4)(a-2) = 0 $$

よって $a = -4, 2$ を得る。$b$ についても全く同じ方程式が得られるため、$b = -4, 2$ である。 問題の条件 $a < b$ を満たす組み合わせは $a = -4, b = 2$ のときである。

このとき、元の式に代入して確認すると、

$$ y_{n+1} = \frac{(-4+5)x_n + 3(-4) + 8}{(2+5)x_n + 3(2) + 8} = \frac{x_n - 4}{7x_n + 14} = \frac{1}{7} \cdot \frac{x_n - 4}{x_n + 2} = \frac{1}{7} y_n $$

となり、確かに数列 $\{y_n\}$ は等比数列となる。 よって、求める定数は $a = -4, b = 2$ である。

(2)

(1) の結果より、$y_n = \frac{x_n - 4}{x_n + 2}$ とおくと、数列 $\{y_n\}$ は公比 $\frac{1}{7}$ の等比数列である。 初項 $y_1$ は、与えられた $x_1 = 19$ を用いて計算する。

$$ y_1 = \frac{x_1 - 4}{x_1 + 2} = \frac{19 - 4}{19 + 2} = \frac{15}{21} = \frac{5}{7} $$

したがって、数列 $\{y_n\}$ の一般項は、

$$ y_n = y_1 \left(\frac{1}{7}\right)^{n-1} = \frac{5}{7} \left(\frac{1}{7}\right)^{n-1} = 5 \left(\frac{1}{7}\right)^n $$

次に、$y_n = \frac{x_n - 4}{x_n + 2}$ を $x_n$ について解く。両辺に $x_n + 2$ を掛ける。

$$ y_n (x_n + 2) = x_n - 4 $$

$$ x_n y_n + 2y_n = x_n - 4 $$

$$ (1 - y_n) x_n = 2y_n + 4 $$

ここで、$y_n = 5 \left(\frac{1}{7}\right)^n > 0$ であり、また数列 $\{y_n\}$ は単調に減少するため、最大値は $n=1$ のときの $\frac{5}{7}$ である。これにより、すべての自然数 $n$ において $y_n \neq 1$ であることが保証される。よって $1 - y_n$ で割ることができ、

$$ x_n = \frac{2y_n + 4}{1 - y_n} $$

これに先ほど求めた $y_n = 5 \left(\frac{1}{7}\right)^n$ を代入する。

$$ x_n = \frac{10 \left(\frac{1}{7}\right)^n + 4}{1 - 5 \left(\frac{1}{7}\right)^n} $$

分母と分子に $7^n$ を掛けて整理する。

$$ x_n = \frac{10 + 4 \cdot 7^n}{7^n - 5} $$

(3)

(2) で求めた $y_n = 5 \left(\frac{1}{7}\right)^n$ において、$n \to \infty$ のとき $\left(\frac{1}{7}\right)^n \to 0$ であるから、$\lim_{n \to \infty} y_n = 0$ となる。 したがって、極限値は次のように計算できる。

$$ \lim_{n \to \infty} x_n = \lim_{n \to \infty} \frac{2y_n + 4}{1 - y_n} = \frac{2 \cdot 0 + 4}{1 - 0} = 4 $$

解説

一次分数漸化式 $x_{n+1} = \frac{px_n + q}{rx_n + s}$ の解法の基本方針を問う問題である。 通常は特性方程式 $\alpha = \frac{p\alpha + q}{r\alpha + s}$ の解を用いて、数列を等比数列の形に帰着させる。本問は特性方程式の考え方を具体的な式変形の形で誘導しているため、誘導に素直に従って係数比較を行うことで等比数列を構成できる。 (3)の極限の計算では、求めた $x_n$ の式において分母分子を $7^n$ で割って計算することもできるが、途中式で用いた $y_n$ の極限が $0$ になることを利用する方が、計算量が少なくミスを防ぎやすい。

答え

(1) $a = -4, b = 2$

(2) $x_n = \frac{4 \cdot 7^n + 10}{7^n - 5}$

(3) $4$

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