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東北大学 1989年 理系 第5問 解説

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東北大学 1989年 理系 第5問 解説

方針・初手

$f(x)$ が単調増加であるかどうかは、導関数

$$ f'(x)=4e^{2x}-ae^x+b $$

の符号で判定するのが自然である。ここで $e^x>0$ であるから、$t=e^x,(>0)$ とおくと二次式の問題に直せる。

また、面積 $S$ については $y=f(x)$ と $y=bx$ の差

$$ f(x)-bx=2e^{2x}-ae^x=e^x(2e^x-a) $$

を見れば交点がすぐ分かるので、その差を積分すればよい。

解法1

(1) $f(x)$ が単調増加となる条件

$f'(x)$ を計算すると

$$ f'(x)=4e^{2x}-ae^x+b $$

である。

ここで $t=e^x,(>0)$ とおくと

$$ f'(x)=4t^2-at+b $$

となる。したがって、$f(x)$ が単調増加であるための必要十分条件は

$$ 4t^2-at+b\geqq 0 \qquad (t>0) $$

である。

この二次関数は上に凸であり、頂点は

$$ t=\frac{a}{8} $$

にある。条件 $a\geqq 1$ より $\dfrac{a}{8}>0$ であるから、$t>0$ の範囲での最小値は頂点でとる。

よって最小値は

$$ 4\left(\frac{a}{8}\right)^2-a\left(\frac{a}{8}\right)+b =b-\frac{a^2}{16} $$

である。したがって

$$ f(x)\text{ が単調増加} \iff b-\frac{a^2}{16}\geqq 0 $$

すなわち

$$ b\geqq \frac{a^2}{16} $$

である。

(2) 面積 $S$

$y=f(x)$ と $y=bx$ の交点は

$$ f(x)=bx $$

すなわち

$$ 2e^{2x}-ae^x+bx=bx $$

より

$$ 2e^{2x}-ae^x=0 $$

である。これを整理すると

$$ e^x(2e^x-a)=0 $$

となるが、$e^x>0$ であるから

$$ 2e^x-a=0 $$

であり、

$$ x=\log \frac{a}{2} $$

を得る。

したがって、求める面積は

$$ S=\left|\int_0^{\log(a/2)}\bigl(f(x)-bx\bigr),dx\right| $$

である。ここで

$$ f(x)-bx=2e^{2x}-ae^x $$

だから

$$ S=\left|\int_0^{\log(a/2)}(2e^{2x}-ae^x),dx\right| $$

となる。

積分すると

$$ \int (2e^{2x}-ae^x),dx=e^{2x}-ae^x $$

であるから、

$$ S=\left|\left[e^{2x}-ae^x\right]_0^{\log(a/2)}\right| $$

となる。ここで $L=\log(a/2)$ とおくと $e^L=\dfrac{a}{2}$ であるから、

$$ e^{2L}-ae^L=\frac{a^2}{4}-a\cdot \frac{a}{2} =-\frac{a^2}{4} $$

である。よって

$$ S=\left|-\frac{a^2}{4}-(1-a)\right| =\left|-\frac{a^2}{4}+a-1\right| $$

すなわち

$$ S=\frac{(a-2)^2}{4} $$

を得る。

(3) $S$ の最大値 $M$

(1) の条件より

$$ b\geqq \frac{a^2}{16} $$

であるから、

$$ a\leqq 4\sqrt{b} $$

となる。もともと $a\geqq 1$ であるので、動き得る $a$ の範囲は

$$ 1\leqq a\leqq 4\sqrt{b} $$

である。ただしこの範囲が空でないためには

$$ 4\sqrt{b}\geqq 1 $$

すなわち

$$ b\geqq \frac{1}{16} $$

が必要である。

一方、

$$ S=\frac{(a-2)^2}{4} $$

は $a=2$ から離れるほど大きくなる。したがって、区間 $[1,,4\sqrt b]$ において $2$ から最も遠い端点で最大になる。

端点 $a=1$ では

$$ S=\frac{(1-2)^2}{4}=\frac14 $$

である。

端点 $a=4\sqrt b$ では

$$ S=\frac{(4\sqrt b-2)^2}{4}=(2\sqrt b-1)^2 $$

である。

よって、どちらが大きいかを比較すればよい。

$$ (2\sqrt b-1)^2\geqq \frac14 $$

$$ |2\sqrt b-1|\geqq \frac12 $$

と同値であり、$b\geqq \dfrac{1}{16}$ のもとでは

$$ 2\sqrt b-1\geqq \frac12 $$

すなわち

$$ \sqrt b\geqq \frac34 $$

と同値である。したがって

$$ b\geqq \frac{9}{16} $$

のときに端点 $a=4\sqrt b$ の方が大きい。

以上より

$$ M= \begin{cases} \dfrac14 & \left(\dfrac{1}{16}\leqq b\leqq \dfrac{9}{16}\right),[6pt] (2\sqrt b-1)^2 & \left(b\geqq \dfrac{9}{16}\right) \end{cases} $$

である。

解説

この問題の要点は、$e^x$ をそのまま扱うのではなく $t=e^x,(>0)$ とおいて二次式に帰着することである。これにより、単調増加の条件は二次関数の最小値の問題になる。

また、面積 $S$ では $bx$ の項が消えて

$$ f(x)-bx=2e^{2x}-ae^x $$

となるため、実は $S$ は $b$ に依存しない。したがって (3) では、(1) の条件 $a\leqq 4\sqrt b$ が $a$ の動ける範囲を決め、その範囲の端で $S$ を比較するだけでよい。

答え

$$ \text{(1)}\quad b\geqq \frac{a^2}{16} $$

$$ \text{(2)}\quad S=\frac{(a-2)^2}{4} $$

$$ \text{(3)}\quad M= \begin{cases} \dfrac14 & \left(\dfrac{1}{16}\leqq b\leqq \dfrac{9}{16}\right),[6pt] (2\sqrt b-1)^2 & \left(b\geqq \dfrac{9}{16}\right) \end{cases} $$

ただし、(1) の条件を満たす $a$ が存在するためには $b\geqq \dfrac{1}{16}$ が必要である。

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