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東北大学 1991年 理系 第4問 解説

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東北大学 1991年 理系 第4問 解説

方針・初手

積 $XY$ が $3^n$ で割り切れるかどうかは、$X,Y$ がそれぞれ何回 $3$ を因数にもつかで決まる。

そこで、まず $Y$ がちょうど $3^j$ まで割り切れる場合、すなわち事象 $B_j$ ごとに分けて数える。$Y$ が $3^j$ を因数にもつなら、$X$ は残りの $3^{n-j}$ を補えばよいので、$X$ の条件もすぐに分かる。

解法1

(1) $P(A\cap B_j)$ を求める。

(i) $0\le j\le n-1$ のとき

事象 $B_j$ は

$$ Y \text{ は } 3^j \text{ で割り切れるが } 3^{j+1} \text{ では割り切れない} $$

という意味である。

このような $Y$ の個数は、

$$ \frac{3^n}{3^j}-\frac{3^n}{3^{j+1}} =3^{n-j}-3^{n-j-1} =2\cdot 3^{n-j-1} $$

である。

また、$A$ は $XY$ が $3^n$ で割り切れることであるから、$Y$ がちょうど $3^j$ を因数にもつとき、$X$ は少なくとも $3^{n-j}$ で割り切れなければならない。

$1,2,\dots,3^n$ のうち $3^{n-j}$ の倍数は

$$ \frac{3^n}{3^{n-j}}=3^j $$

個ある。

したがって、$A\cap B_j$ を満たす順序つき組 $(X,Y)$ の個数は

$$ 3^j\cdot 2\cdot 3^{n-j-1}=2\cdot 3^{n-1} $$

である。全事象の個数は $(3^n)^2=3^{2n}$ 個なので、

$$ P(A\cap B_j)=\frac{2\cdot 3^{n-1}}{3^{2n}} =\frac{2}{3^{n+1}} \qquad (0\le j\le n-1) $$

となる。

(ii) $j=n$ のとき

$B_n$ は $Y$ が $3^n$ で割り切れるが $3^{n+1}$ では割り切れないことを表す。ここでは $1\le Y\le 3^n$ であるから、これは

$$ Y=3^n $$

の場合に限る。

このときは $Y$ 自体がすでに $3^n$ を因数にもつので、$X$ は何であっても $XY$ は $3^n$ で割り切れる。したがって、$A\cap B_n$ を満たす組は $X$ の選び方 $3^n$ 通りだけあり、

$$ P(A\cap B_n)=\frac{3^n}{3^{2n}}=\frac{1}{3^n} $$

である。

以上より、

$$ P(A\cap B_j)= \begin{cases} \dfrac{2}{3^{n+1}} & (0\le j\le n-1),[6pt] \dfrac{1}{3^n} & (j=n). \end{cases} $$

(2) $P(A)$ を求める。

$B_0,B_1,\dots,B_n$ は互いに排反で、全事象を分けるので、

$$ P(A)=\sum_{j=0}^{n}P(A\cap B_j) $$

である。したがって、

$$ P(A) =\sum_{j=0}^{n-1}\frac{2}{3^{n+1}}+\frac{1}{3^n} =n\cdot \frac{2}{3^{n+1}}+\frac{1}{3^n} =\frac{2n+3}{3^{n+1}} $$

となる。

(3) $P_A(B_n)$ を求め、不等式を満たす $n$ を求める。

条件つき確率より、

$$ P_A(B_n)=P(B_n\mid A)=\frac{P(A\cap B_n)}{P(A)} $$

であるから、

$$ P_A(B_n) =\frac{\dfrac{1}{3^n}}{\dfrac{2n+3}{3^{n+1}}} =\frac{3}{2n+3} $$

となる。

これが

$$ \frac13\le P_A(B_n)<\frac12 $$

を満たす条件を調べる。

まず、

$$ \frac13\le \frac{3}{2n+3} \iff 2n+3\le 9 \iff n\le 3 $$

である。

次に、

$$ \frac{3}{2n+3}<\frac12 \iff 6<2n+3 \iff n>\frac32 $$

である。

$n$ は正の整数なので、これらを合わせると

$$ n=2,3 $$

である。

解説

この問題の要点は、$Y$ を「$3$ で何回割れるか」によって分類することである。

$Y$ がちょうど $3^j$ を因数にもつなら、$XY$ を $3^n$ の倍数にするために $X$ が補うべき条件は「$3^{n-j}$ の倍数であること」にちょうど一致する。この対応を使うと、$A\cap B_j$ の個数は素直に積で数えられる。

特に $0\le j\le n-1$ では $P(A\cap B_j)$ が $j$ によらず一定になる点が見やすい。最後の条件つき確率も、まず $P(A\cap B_n)$ と $P(A)$ を出してから商をとれば一行で整理できる。

答え

$$ P(A\cap B_j)= \begin{cases} \dfrac{2}{3^{n+1}} & (0\le j\le n-1),\\[6pt] \dfrac{1}{3^n} & (j=n) \end{cases} $$

$$ P(A)=\frac{2n+3}{3^{n+1}} $$

$$ P_A(B_n)=\frac{3}{2n+3} $$

したがって、

$$ \frac13\le P_A(B_n)<\frac12 $$

を満たすのは

$$ n=2,3 $$

である。

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