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東北大学 1991年 理系 第5問 解説

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東北大学 1991年 理系 第5問 解説

方針・初手

(1) は $t=\dfrac{1}{\sqrt{x}}$ とおくと,よく知られた不等式 $\log t<t-1$ に帰着する。

(2) は $y=x(\log x-1)$ を微分して増減と凹凸を調べ,さらに $x\to 0^+$ の極限を確認すれば概形が定まる。

(3) は $y$ 軸回転なので,$x$ を半径,曲線と $x$ 軸の間の高さを高さとする円筒殻法を用いるのが自然である。

解法1

(1)

$$ 0<x<1 $$

のとき,

$$ t=\frac{1}{\sqrt{x}} $$

とおくと $t>1$ であり,

$$ x=\frac{1}{t^2},\qquad \log x=\log \frac{1}{t^2}=-2\log t $$

である。したがって示すべき不等式

$$ \log x>2\left(1-\frac{1}{\sqrt{x}}\right) $$

$$ -2\log t>2(1-t) $$

すなわち

$$ \log t<t-1 $$

と同値である。

そこで

$$ f(t)=t-1-\log t\qquad (t>1) $$

とおくと,

$$ f'(t)=1-\frac{1}{t}=\frac{t-1}{t}>0 $$

より,$f(t)$ は $t>1$ で増加する。また,

$$ f(1)=1-1-\log 1=0 $$

であるから,

$$ t>1\ \Longrightarrow\ f(t)>0 $$

すなわち

$$ \log t<t-1 $$

が成り立つ。よって

$$ \log x>2\left(1-\frac{1}{\sqrt{x}}\right) $$

が示された。

(2)

$$ y=x(\log x-1)\qquad (x>0) $$

とおく。

まず微分すると,

$$ y'=(\log x-1)+x\cdot \frac{1}{x}=\log x $$

である。したがって,

$$ 0<x<1 \Rightarrow y'<0,\qquad x>1 \Rightarrow y'>0 $$

より,$y$ は $x=1$ で極小をとる。その値は

$$ y(1)=1(\log 1-1)=-1 $$

である。

さらに 2 回微分すると,

$$ y''=\frac{1}{x}>0\qquad (x>0) $$

となるので,グラフは全体として下に凸ではなく,上に凸である。

次に $x\to 0^+$ のときの極限を調べる。(1) より

$$ \log x>2\left(1-\frac{1}{\sqrt{x}}\right) $$

であり,また $0<x<1$ では $\log x<0$ だから,

$$ 2\left(1-\frac{1}{\sqrt{x}}\right)<\log x<0 $$

となる。これに $x>0$ を掛けると,

$$ 2x-2\sqrt{x}<x\log x<0 $$

を得る。両端は $x\to 0^+$ でともに $0$ に近づくから,はさみうちより

$$ \lim_{x\to 0^+}x\log x=0 $$

である。したがって

$$ \lim_{x\to 0^+}x(\log x-1)=\lim_{x\to 0^+}(x\log x-x)=0 $$

となる。

また,

$$ y=0 \Longleftrightarrow x(\log x-1)=0 $$

であり,$x>0$ だから

$$ \log x-1=0 \Longleftrightarrow x=e $$

である。よって $x$ 軸との交点は $(e,0)$ である。

以上より,曲線 $y=x(\log x-1)$ の概形は次のようになる。

$ x\to 0^+$ で原点に近づき,$0<x<e$ では $x$ 軸の下側にあり,$(1,-1)$ で極小をとったのち増加し,$(e,0)$ で $x$ 軸と交わる。さらに全域で上に凸である。

(3)

$0<b<1$ なので,区間 $b\le x\le e$ では

$$ y=x(\log x-1)\le 0 $$

である。したがって,直線 $x=b$,直線 $y=0$,曲線 $y=x(\log x-1)$ で囲まれる部分を $y$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積は,円筒殻法により

$$ V(b)=2\pi \int_b^e x{0-x(\log x-1)},dx $$

すなわち

$$ V(b)=2\pi \int_b^e x^2(1-\log x),dx $$

である。

ここで

$$ \int x^2(1-\log x),dx =\int x^2,dx-\int x^2\log x,dx $$

を計算する。部分積分により

$$ \int x^2\log x,dx =\frac{x^3}{3}\log x-\int \frac{x^3}{3}\cdot \frac{1}{x},dx =\frac{x^3}{3}\log x-\frac{x^3}{9} $$

だから,

$$ \int x^2(1-\log x),dx =\frac{x^3}{3}-\left(\frac{x^3}{3}\log x-\frac{x^3}{9}\right) =\frac{4}{9}x^3-\frac{1}{3}x^3\log x $$

となる。よって

$$ V(b)=2\pi \left[\frac{4}{9}x^3-\frac{1}{3}x^3\log x\right]_b^e $$

である。

ここで

$$ \lim_{b\to 0}b^3\log b=0 $$

より,

$$ \lim_{b\to 0}V(b) =2\pi \left(\frac{4}{9}e^3-\frac{1}{3}e^3\right) =2\pi \cdot \frac{e^3}{9} =\frac{2\pi e^3}{9} $$

を得る。

解説

(1) の本質は $\log t<t-1\ (t>1)$ という基本不等式である。これは対数関数の凹性,あるいは $t-1-\log t$ の増減で処理できる。

(2) では増減だけでなく,$x\to 0^+$ で原点に近づくことと,$y''>0$ による凸性を押さえることが重要である。これで概形が一意に定まる。

(3) では回転軸が $y$ 軸で,曲線が $y=f(x)$ の形で与えられているため,円筒殻法が最も素直である。断面法で $x$ を $y$ の式に直す必要はない。

答え

$$ \log x>2\left(1-\frac{1}{\sqrt{x}}\right)\qquad (0<x<1) $$

が成り立つ。

曲線 $y=x(\log x-1)$ は,$x\to 0^+$ で原点に近づき,$(1,-1)$ で極小をとり,$(e,0)$ で $x$ 軸と交わる上に凸の曲線である。

また,

$$ \lim_{b\to 0}V(b)=\frac{2\pi e^3}{9} $$

である。

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