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東北大学 1991年 理系 第3問 解説

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東北大学 1991年 理系 第3問 解説

方針・初手

円に内接する正方形の中心は円の中心と一致する。したがって、1つの頂点 $(p,q)$ から他の頂点は原点まわりの $90^\circ$ 回転で表せる。

(2) では、その4点がグラフ $y=f(x)$ 上にもあることを使って、まず $f$ が奇関数であることを示す。その後、円との共有点を与える方程式を $x^2$ の3次方程式に直し、「共有点が4点のみ」であることから残り1つの根が重なる条件を課して、$p,q$ を決定する。

解法1

(1)

円 $x^2+y^2=1$ に内接する正方形の中心は原点である。よって、頂点 $(p,q)$ を原点まわりに $90^\circ,\ 180^\circ,\ 270^\circ$ 回転した点が残りの頂点である。

したがって、残りの3頂点は

$$ (-q,p),\ (-p,-q),\ (q,-p) $$

である。


(2)

共有する4点が正方形の頂点であるから、(1) よりその4点は

$$ (p,q),\ (-q,p),\ (-p,-q),\ (q,-p) $$

と書ける。もちろん

$$ p^2+q^2=1 $$

である。

ここで、これら4点がグラフ $y=f(x)$ 上にあるので、

$$ f(p)=q,\quad f(-p)=-q,\quad f(-q)=p,\quad f(q)=-p $$

を満たす。

また、$p=0$ または $q=0$ なら同じ $x$ 座標をもつ頂点が現れ、1つの関数 $y=f(x)$ のグラフ上に4頂点すべてを載せることはできない。したがって

$$ p\neq 0,\quad q\neq 0 $$

である。

さらに、$p^2=q^2$ でも同じ $x$ 座標をもつ頂点が現れてしまうから、

$$ p^2\neq q^2 $$

である。

$f(x)=ax^3+bx^2+cx+d$ として、まず $b,d$ を調べる。

$f(p)=q,\ f(-p)=-q$ を加えると

$$ 2bp^2+2d=0 $$

すなわち

$$ bp^2+d=0 $$

を得る。同様に、$f(q)=-p,\ f(-q)=p$ を加えると

$$ bq^2+d=0 $$

を得る。ここで $p^2\neq q^2$ なので、

$$ b=0,\quad d=0 $$

である。よって

$$ f(x)=ax^3+cx $$

となる。

次に、$f(p)=q,\ f(q)=-p$ を用いると

$$ ap^3+cp=q,\qquad aq^3+cq=-p $$

である。$p,q\neq 0$ より、それぞれ $p,q$ で割って

$$ ap^2+c=\frac{q}{p},\qquad aq^2+c=-\frac{p}{q} $$

を得る。両式を引くと

$$ a(p^2-q^2)=\frac{q}{p}+\frac{p}{q} =\frac{p^2+q^2}{pq} =\frac{1}{pq} $$

だから、

$$ a=\frac{1}{pq(p^2-q^2)} $$

である。


ここで、円との共有点の $x$ 座標を調べる。

共有点では $y=f(x)$ かつ $x^2+y^2=1$ であるから、

$$ x^2+(ax^3+cx)^2=1 $$

すなわち

$$ a^2x^6+2acx^4+(c^2+1)x^2-1=0 $$

を満たす。ここで $u=x^2$ とおくと

$$ a^2u^3+2acu^2+(c^2+1)u-1=0 $$

となる。

この方程式の根として $u=p^2,\ q^2$ をもつので、

$$ a^2(u-p^2)(u-q^2)(u-r)=0 $$

と因数分解できる。

定数項を比較すると

$$ a^2p^2q^2r=1 $$

である。先ほど求めた

$$ a=\frac{1}{pq(p^2-q^2)} $$

を代入すると

$$ \frac{1}{(p^2-q^2)^2}r=1 $$

より

$$ r=(p^2-q^2)^2 $$

である。

さて、共有点が4点のみであるから、$u=r$ から新しい正の根が出てはいけない。$r>0$ であり、しかも $u=x^2$ なので、$r$ が $p^2,\ q^2$ のどちらとも異なれば、さらに

$$ x=\pm \sqrt{r} $$

に対応する2点が現れてしまう。よって

$$ (p^2-q^2)^2=p^2 \quad\text{または}\quad (p^2-q^2)^2=q^2 $$

である。

ここで $s=p^2$ とおくと $q^2=1-s$ であるから、

$$ (2s-1)^2=s \quad\text{または}\quad (2s-1)^2=1-s $$

となる。

前者は

$$ 4s^2-5s+1=0 $$

より

$$ s=1,\ \frac14 $$

であるが、$s=1$ は $q=0$ となり不適である。したがって

$$ s=\frac14 $$

後者は

$$ 4s^2-3s=0 $$

より

$$ s=0,\ \frac34 $$

であるが、$s=0$ は $p=0$ となり不適である。したがって

$$ s=\frac34 $$

である。

結局、

$$ {p^2,q^2}=\left{\frac14,\frac34\right} $$

である。


あとは $a,c$ を決めればよい。

(i) $p=\dfrac{\sqrt3}{2},\ q=\dfrac12$ とすると、

$$ a=\frac{1}{pq(p^2-q^2)} =\frac{1}{\left(\frac{\sqrt3}{2}\right)\left(\frac12\right)\left(\frac34-\frac14\right)} =\frac{8}{\sqrt3} =\frac{8\sqrt3}{3} $$

であり、

$$ ap^2+c=\frac{q}{p}=\frac{1}{\sqrt3} $$

より

$$ c=\frac{1}{\sqrt3}-a\cdot \frac34 =\frac{1}{\sqrt3}-2\sqrt3 =-\frac{5}{\sqrt3} =-\frac{5\sqrt3}{3} $$

となる。したがって

$$ f(x)=\frac{\sqrt3}{3}(8x^3-5x) $$

である。

(ii) $p=\dfrac12,\ q=\dfrac{\sqrt3}{2}$ とすると、同様に

$$ f(x)=-\frac{\sqrt3}{3}(8x^3-5x) $$

を得る。

最後に確認すると、たとえば

$$ f(x)=\frac{\sqrt3}{3}(8x^3-5x) $$

のとき

$$ x^2+f(x)^2-1 =\frac13(2x-1)^2(2x+1)^2(4x^2-3) $$

となる。したがって共有点の $x$ 座標は

$$ x=\pm \frac12,\ \pm \frac{\sqrt3}{2} $$

のみであり、共有点はちょうど4点である。負号の場合も同様である。

解説

この問題の本質は、正方形が円に内接するとき「中心が原点になる」ことである。これにより4頂点が回転で統一的に表せる。

そのうえで、グラフが4頂点を通ることから $f(-x)=-f(x)$ 型の対称性が現れ、$f$ が奇関数に限られる。さらに、円との共有条件を $x^2$ の方程式に直すと、共有点4個という条件が「残り1つの根が既存の根と重なる」という代数的条件に言い換えられる。ここが決定打である。

答え

$$ \text{(1) 残りの頂点は }(-q,p),\ (-p,-q),\ (q,-p) $$

$$ \text{(2) }f(x)=\pm \frac{\sqrt3}{3}(8x^3-5x) $$

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