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東北大学 1991年 理系 第6問 解説

旧課程/行列・一次変換数学C/平面ベクトル数学B/数列テーマ/漸化式テーマ/図形総合
東北大学 1991年 理系 第6問 解説

方針・初手

直線 $l:x+y=1$ 上の点は、ベクトル $(1,1)$ と $(1,-1)$ を用いて

$$ P_n=\frac12(1,1)+t_n(1,-1) $$

と表せる。$P_1=\left(\frac12,\frac12\right)$ であるから $t_1=0$ である。

また、一次変換 $f$ は $(1,-1)$ の向きを保って $\sqrt2$ 倍し、$(1,1)$ を別のベクトルへ移すので、この基底で表すと漸化式が素直に出る。まずは $f(1,1)$ を $(1,1),(1,-1)$ の一次結合に直す。

解法1

$f(1,-1)=(\sqrt2,-\sqrt2)=\sqrt2(1,-1)$ である。

次に $f(1,1)=(2a-\sqrt2,,2\sqrt2-2a)$ を $(1,1),(1,-1)$ で表す。 $(u,v)=\alpha(1,1)+\beta(1,-1)$ とすると

$$ \alpha=\frac{u+v}{2},\qquad \beta=\frac{u-v}{2} $$

であるから、

$$ f(1,1) =\frac{(2a-\sqrt2)+(2\sqrt2-2a)}{2}(1,1) +\frac{(2a-\sqrt2)-(2\sqrt2-2a)}{2}(1,-1) $$

$$ =\frac{\sqrt2}{2}(1,1)+\frac{4a-3\sqrt2}{2}(1,-1). $$

したがって

$$ P_n=\frac12(1,1)+t_n(1,-1) $$

に対して

$$ f(P_n)=\frac12f(1,1)+t_nf(1,-1) $$

$$ =\frac{\sqrt2}{4}(1,1)+\left(\frac{4a-3\sqrt2}{4}+\sqrt2,t_n\right)(1,-1). $$

これを $P_n'$ とする。 $P_{n+1}$ は、原点 $O$ と $P_n'$ を通る直線と $l$ との交点である。 よって $P_{n+1}$ は $P_n'$ の実数倍であり、しかも $x+y=1$ を満たすので、$(1,1)$ の係数が $\frac12$ になればよい。

いま $P_n'$ の $(1,1)$ の係数は $\frac{\sqrt2}{4}$ であるから、倍率は

$$ \lambda\cdot \frac{\sqrt2}{4}=\frac12 \quad\Longrightarrow\quad \lambda=\sqrt2 $$

である。したがって

$$ P_{n+1}=\sqrt2,P_n' =\frac12(1,1)+\left(a\sqrt2-\frac32+2t_n\right)(1,-1). $$

よって $t_n$ は

$$ t_{n+1}=2t_n+a\sqrt2-\frac32 $$

を満たす。初期値 $t_1=0$ より、

$$ t_n=(2^{n-1}-1)\left(a\sqrt2-\frac32\right) $$

である。

(1) $|\overrightarrow{P_nP_{n+1}}|$ を求める

$$ \overrightarrow{P_nP_{n+1}} =(t_{n+1}-t_n)(1,-1). $$

しかも

$$ t_{n+1}-t_n =2^{n-1}\left(a\sqrt2-\frac32\right) $$

であるから、

$$ \overrightarrow{P_nP_{n+1}} =========================== 2^{n-1}\left(a\sqrt2-\frac32\right)(1,-1). $$

したがって、その長さは

$$ |\overrightarrow{P_nP_{n+1}}| ============================= # 2^{n-1}\left|a\sqrt2-\frac32\right|\cdot \sqrt2 2^{n-1}\left|2a-\frac{3}{\sqrt2}\right|. $$

(2) $|\overrightarrow{P_1P_8}|=\dfrac{635}{\sqrt2}$ となる $a$

$t_1=0$ であり、

$$ t_8=(2^7-1)\left(a\sqrt2-\frac32\right) =127\left(a\sqrt2-\frac32\right) $$

だから、

$$ |\overrightarrow{P_1P_8}| =|t_8-t_1|\cdot \sqrt2 =127\left|a\sqrt2-\frac32\right|\sqrt2 =127\left|2a-\frac{3}{\sqrt2}\right|. $$

これが $\dfrac{635}{\sqrt2}$ に等しいので、

$$ 127\left|2a-\frac{3}{\sqrt2}\right|=\frac{635}{\sqrt2} $$

$$ \left|2a-\frac{3}{\sqrt2}\right|=\frac{5}{\sqrt2}. $$

よって

$$ 2a-\frac{3}{\sqrt2}=\pm \frac{5}{\sqrt2} $$

より、

$$ 2a=\frac{3\pm 5}{\sqrt2}. $$

したがって

$$ a=2\sqrt2,\qquad a=-\frac{\sqrt2}{2}. $$

解説

この問題の本質は、直線 $x+y=1$ 上の点を

$$ \frac12(1,1)+t(1,-1) $$

と表し、$t$ の漸化式に帰着することである。

一次変換 $f$ の情報は $(1,1),(1,-1)$ という基底に対して与え直すと見通しがよくなる。また、$P_n'$ から $P_{n+1}$ を作る操作は「原点からの直線上で $x+y=1$ となるように拡大・縮小する」ことなので、$(1,1)$ の係数だけ見ればよい。ここを押さえると、あとは等比型の漸化式として処理できる。

答え

$$ |\overrightarrow{P_nP_{n+1}}| = 2^{n-1}\left|2a-\frac{3}{\sqrt2}\right| $$

である。

また、

$$ |\overrightarrow{P_1P_8}|=\frac{635}{\sqrt2} $$

となるのは

$$ a=2\sqrt2,\qquad a=-\frac{\sqrt2}{2} $$

である。

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