東北大学 2017年 理系 第3問 解説

方針・初手
有理数解をもつ条件は、判別式 $D=b^2-4ac$ が平方数であることである。
また、整数解をもつ条件は整数根定理で処理できる。$a,b,c$ はすべて正なので、整数解があるならそれは負の整数である。これを用いて場合分けして数え上げる。
解法1
(1)
二次方程式
$$ ax^2+bx+c=0 $$
が有理数解をもつための必要十分条件は、判別式
$$ D=b^2-4ac $$
が非負の平方数であることである。
$a,c$ は $1$ 以上 $7$ 以下の互いに異なる整数なので、$ac\ge2$ である。したがって
$$ b^2\ge 4ac\ge 8 $$
より $b\ge 3$ である。
また $b\le 7$ だから
$$ 0\le D=b^2-4ac\le 49-8=41 $$
となる。よって $D$ としてありうる平方数は
$$ 0,1,4,9,16,25,36 $$
であるが、実際に条件を満たすものを $b$ ごとに調べればよい。
$b=3$ のとき
$$ 9-4ac=D $$
より、平方数になるのは $D=1$ のときだけで、このとき
$$ ac=2 $$
である。したがって
$$ (a,c)=(1,2),(2,1) $$
の $2$ 通り。
$b=4$ のとき
$$ 16-4ac=D $$
より、可能なのは $D=4$ のときで、
$$ ac=3 $$
となる。したがって
$$ (a,c)=(1,3),(3,1) $$
の $2$ 通り。
$b=5$ のとき
$$ 25-4ac=D $$
より、
- $D=1$ のとき $ac=6$
- $D=9$ のとき $ac=4$
である。したがって
$$ ac=6 \Rightarrow (a,c)=(1,6),(6,1),(2,3),(3,2) $$
の $4$ 通り、
$$ ac=4 \Rightarrow (a,c)=(1,4),(4,1) $$
の $2$ 通りで、合計 $6$ 通り。
$b=6$ のとき
$$ 36-4ac=D $$
より、
- $D=4$ のとき $ac=8$
- $D=16$ のとき $ac=5$
である。したがって
$$ ac=8 \Rightarrow (a,c)=(2,4),(4,2) $$
の $2$ 通り、
$$ ac=5 \Rightarrow (a,c)=(1,5),(5,1) $$
の $2$ 通りで、合計 $4$ 通り。
$b=7$ のとき
$$ 49-4ac=D $$
より、
- $D=1$ のとき $ac=12$
- $D=9$ のとき $ac=10$
- $D=25$ のとき $ac=6$
である。したがって
$$ ac=12 \Rightarrow (a,c)=(2,6),(6,2),(3,4),(4,3) $$
の $4$ 通り、
$$ ac=10 \Rightarrow (a,c)=(2,5),(5,2) $$
の $2$ 通り、
$$ ac=6 \Rightarrow (a,c)=(1,6),(6,1),(2,3),(3,2) $$
の $4$ 通りで、合計 $10$ 通り。
以上より、求める総数は
$$ 2+2+6+4+10=24 $$
である。
(2)
整数解を $x=-n$ とおく。ただし $n$ は正の整数である。係数がすべて正なので、整数解は負でなければならない。
整数根定理より、$n$ は $c$ の正の約数である。また
$$ a(-n)^2+b(-n)+c=0 $$
より
$$ an^2-bn+c=0 $$
すなわち
$$ b=an+\frac{c}{n} $$
を満たす。
ここで、根 $-n$ をもつ組の集合を $S_n$ とする。
$S_1$ の個数
$b=a+c$ である。$a,c$ は相異なるから、$b$ は自動的に $a,c$ と異なる。したがって $a+c\le 7$ を満たす相異なる順序つき組 $(a,c)$ の個数を数えればよい。
$$ \begin{aligned} a=1&:\ c=2,3,4,5,6 \quad 5\text{通り}\\ a=2&:\ c=1,3,4,5 \quad 4\text{通り}\\ a=3&:\ c=1,2,4 \quad 3\text{通り}\\ a=4&:\ c=1,2,3 \quad 3\text{通り}\\ a=5&:\ c=1,2 \quad 2\text{通り}\\ a=6&:\ c=1 \quad 1\text{通り} \end{aligned} $$
よって
$$ |S_1|=18 $$
である。
$S_2$ の個数
$c$ は偶数で、
$$ b=2a+\frac{c}{2} $$
である。
- $c=2$ のとき $b=2a+1\le 7$ より $a=1,3$ の $2$ 通り
- $c=4$ のとき $b=2a+2\le 7$ より $a=2$ の $1$ 通り
- $c=6$ のとき $b=2a+3\le 7$ より $a=1,2$ の $2$ 通り
したがって
$$ |S_2|=5 $$
である。
$S_3$ の個数
$c$ は $3$ の倍数で、
$$ b=3a+\frac{c}{3} $$
である。
- $c=3$ のとき $a=1,2$ の $2$ 通り
- $c=6$ のとき $a=1$ の $1$ 通り
よって
$$ |S_3|=3 $$
である。
$S_4,S_5,S_6$ の個数
同様にして
$$ S_4={(1,5,4)},\quad S_5={(1,6,5)},\quad S_6={(1,7,6)} $$
となるから、
$$ |S_4|=|S_5|=|S_6|=1 $$
である。
また $n\ge 7$ では
$$ b=an+\frac{c}{n}\ge 7a+1>7 $$
となり不可能である。
次に重複を引く。二つの集合の共通部分は、二つの異なる整数解を同時にもつ場合である。
実際、
$$ \begin{aligned} S_1\cap S_2&={(1,3,2),(2,6,4)} \quad 2\text{通り},\\ S_1\cap S_3&={(1,4,3)} \quad 1\text{通り},\\ S_1\cap S_4&={(1,5,4)} \quad 1\text{通り},\\ S_1\cap S_5&={(1,6,5)} \quad 1\text{通り},\\ S_1\cap S_6&={(1,7,6)} \quad 1\text{通り},\\ S_2\cap S_3&={(1,5,6)} \quad 1\text{通り} \end{aligned} $$
であり、これ以外の共通部分は空である。二次方程式なので、三つ以上の集合の共通部分も空である。
したがって包除原理より、求める個数は
$$ 18+5+3+1+1+1-(2+1+1+1+1+1)=22 $$
である。
解説
(1) では、有理数解の条件を判別式で処理するのが基本である。$a,b,c$ の範囲が小さいので、$b$ を固定して $ac$ の値に落とすと整理しやすい。
(2) では、整数解を直接試すのではなく、整数根定理で $x=-n$ とおいて
$$ b=an+\frac{c}{n} $$
という形に直すのが有効である。最後の重複は「二つの整数解をもつ場合」だけを引けばよい。
答え
$$ \text{(1)}\ 24\text{通り} $$
$$ \text{(2)}\ 22\text{通り} $$
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