東北大学 2017年 理系 第2問 解説

方針・初手
各人の取り出し方は,$0,1,2,3,4,5$ から異なる3枚を選ぶので,全部で
$$ {}_{6}\mathrm{C}_{3}=20 $$
通りである。
したがって,まず1人分について「どの3枚を引いたとき得点がいくつになるか」を整理するのが最も確実である。2人は独立にカードを引くので,その結果を用いて確率を数え上げればよい。
解法1
1人分の3枚の選び方20通りと得点を整理する。
$0$ を含むときは,残り2枚の和が得点であるから,
$$ 012\to3,\ 013\to4,\ 014\to5,\ 015\to6,\ 023\to5,\ 024\to6,\ 025\to7,\ 034\to7,\ 035\to8,\ 045\to9 $$
となる。
$0$ を含まないときは,3枚の平均が得点であるから,
$$ 123\to2,\ 124\to\frac73,\ 125\to\frac83,\ 134\to\frac83,\ 135\to3,\ 145\to\frac{10}3,\ 234\to3,\ 235\to\frac{10}3,\ 245\to\frac{11}3,\ 345\to4 $$
となる。
よって,得点ごとの通り数は次のようになる。
$$ \begin{array}{c|cccccccccccc} \text{得点} & 2 & \frac73 & \frac83 & 3 & \frac{10}3 & \frac{11}3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 \\ \hline \text{通り数} & 1 & 1 & 2 & 3 & 2 & 1 & 2 & 2 & 2 & 2 & 1 & 1 \end{array} $$
(1) 少なくとも一方が $0$ を取り出し,しかも双方とも得点が $3$ となる確率
得点が $3$ になる3枚の組は
$$ 012,\ 135,\ 234 $$
の3通りである。
このうち,$0$ を含むのは $012$ のみである。
したがって,A君・B君がともに得点 $3$ となる組合せは全部で
$$ 3\times 3=9 $$
通りであり,このうち「どちらも $0$ を引いていない」ものは
$$ 2\times 2=4 $$
通りである。
よって,求める組合せ数は
$$ 9-4=5 $$
通りである。
全事象は $20\times 20=400$ 通りなので,求める確率は
$$ \frac{5}{400}=\frac{1}{80} $$
である。
(2)
$A$ の得点が $B$ より大きいときの,$A$ の得点が整数ではない確率
条件付き確率であるから,
$$ \frac{P(A>B \text{ かつ } A\text{ の得点が整数でない})}{P(A>B)} $$
を求めればよい。
まず分母 $P(A>B)$ を求める。
A君とB君の得点分布は同じであり,2人は独立であるから,
$$ P(A>B)=P(B>A) $$
である。したがって,
$$ P(A>B)=\frac{1-P(A=B)}{2} $$
となる。
ここで,同点となる確率は,上の表の通り数を用いて
$$ P(A=B)=\frac{1^2+1^2+2^2+3^2+2^2+1^2+2^2+2^2+2^2+2^2+1^2+1^2}{20^2} =\frac{38}{400} =\frac{19}{200} $$
である。
よって,
$$ P(A>B)=\frac{1-\frac{19}{200}}{2} =\frac{181}{400} $$
となる。
次に分子を求める。
A君の得点が整数でないのは
$$ \frac73,\ \frac83,\ \frac{10}3,\ \frac{11}3 $$
の4種類である。それぞれについて,B君の得点がそれより小さい場合を数える。
(i)
$A=\dfrac73$ のとき
A君側は1通り,B君側でこれより小さいのは $2$ の1通りだけなので,
$$ 1\times 1=1 $$
通り。
(ii)
$A=\dfrac83$ のとき
A君側は2通り,B君側でこれより小さいのは $2,\dfrac73$ の計2通りなので,
$$ 2\times 2=4 $$
通り。
(iii)
$A=\dfrac{10}3$ のとき
A君側は2通り,B君側でこれより小さいのは
$$ 2,\ \frac73,\ \frac83,\ 3 $$
であり,通り数は
$$ 1+1+2+3=7 $$
通りなので,
$$ 2\times 7=14 $$
通り。
(iv)
$A=\dfrac{11}3$ のとき
A君側は1通り,B君側でこれより小さいのは
$$ 2,\ \frac73,\ \frac83,\ 3,\ \frac{10}3 $$
であり,通り数は
$$ 1+1+2+3+2=9 $$
通りなので,
$$ 1\times 9=9 $$
通り。
以上より,分子に対応する組合せ数は
$$ 1+4+14+9=28 $$
通りである。したがって,
$$ P(A>B \text{ かつ } A\text{ の得点が整数でない}) =\frac{28}{400} =\frac{7}{100} $$
となる。
よって求める条件付き確率は
$$ \frac{\frac{7}{100}}{\frac{181}{400}} =\frac{28}{181} $$
である。
解説
この問題の要点は,得点の定義が「$0$ を含むかどうか」で変わるため,まず1人分の得点分布を正確に作ることである。ここを曖昧にすると,(1) では「得点3になる場合」に $012$ 以外もあることを見落としやすく,(2) では条件付き確率の分母 $P(A>B)$ を直接数えようとして煩雑になりやすい。
(2) では,A君とB君が対称であることから
$$ P(A>B)=P(B>A)=\frac{1-P(A=B)}{2} $$
とするのが典型的な処理である。これにより計算量を大きく減らせる。
答え
$$ \text{(1)}\ \frac{1}{80} $$
$$ \text{(2)}\ \frac{28}{181} $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











