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東京工業大学 1963年 理系 第1問 解説

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東京工業大学 1963年 理系 第1問 解説

方針・初手

第1式 $x^3 - y^3 - z^3 = 3xyz$ に対して、3変数の因数分解公式 $A^3 + B^3 + C^3 - 3ABC = (A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)$ を利用して条件を絞り込む。$A=x, B=-y, C=-z$ と見立てることがポイントである。

解法1

与えられた連立方程式の第1式は、次のように変形できる。

$$ x^3 + (-y)^3 + (-z)^3 - 3x(-y)(-z) = 0 $$

ここで、因数分解公式 $A^3 + B^3 + C^3 - 3ABC = (A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)$ において、$A=x, B=-y, C=-z$ とすると、

$$ (x - y - z)(x^2 + (-y)^2 + (-z)^2 - x(-y) - (-y)(-z) - (-z)x) = 0 $$

すなわち、

$$ (x - y - z)(x^2 + y^2 + z^2 + xy - yz + zx) = 0 $$

となる。ここで、左辺の第2因数について、

$$ \begin{aligned} x^2 + y^2 + z^2 + xy - yz + zx &= \frac{1}{2} \{ 2x^2 + 2y^2 + 2z^2 + 2xy - 2yz + 2zx \} \\ &= \frac{1}{2} \{ (x^2 + 2xy + y^2) + (y^2 - 2yz + z^2) + (z^2 + 2zx + x^2) \} \\ &= \frac{1}{2} \{ (x+y)^2 + (y-z)^2 + (z+x)^2 \} \end{aligned} $$

と変形できる。問題の条件より $x, y, z$ は正の整数であるから、$x+y \geqq 2$ および $z+x \geqq 2$ であり、

$$ (x+y)^2 + (y-z)^2 + (z+x)^2 > 0 $$

が成り立つ。よって、第2因数は正の値をとるため、$0$ になることはない。したがって、

$$ x - y - z = 0 $$

すなわち、

$$ x = y + z $$

が成り立つ。これを連立方程式の第2式 $x^2 = 2(y+z)$ に代入すると、

$$ x^2 = 2x $$

$$ x(x-2) = 0 $$

$x$ は正の整数であるから、$x=2$ と定まる。

これを $x = y + z$ に代入すると、

$$ y + z = 2 $$

$y, z$ は正の整数であるから、$y \geqq 1, z \geqq 1$ を満たす解の組は、

$$ (y, z) = (1, 1) $$

のみである。

解説

$a^3 + b^3 + c^3 - 3abc$ の因数分解は、難関大学の入試において頻出のテーマである。本問のように、符号を変えて $x^3 + (-y)^3 + (-z)^3 - 3x(-y)(-z) = 0$ と捉える発想ができれば、あとは定石通りの処理となる。

第2因数が正になることの証明は、「平方の和の形」を作ることがポイントである。本問では $x, y, z$ が正の整数であるという条件から、$x+y$ や $z+x$ が $0$ にならないことを指摘し、厳密に第2因数が正であることを述べる必要がある。

答え

$$ x = 2, \quad y = 1, \quad z = 1 $$

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