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東京工業大学 1971年 理系 第1問 解説

数学3/極限数学B/数列数学2/図形と式テーマ/場合分け
東京工業大学 1971年 理系 第1問 解説

方針・初手

直線の方程式から $q$ を $p$ の式で表し、シグマの中の関数 $f$ の引数を $k$ と $p$ で表す。その後、$p \to \infty$ としたときに、第2引数の絶対値がどうなるかを $k=2$ と $k \neq 2$ の場合に分けて評価し、$f(x, y)$ の性質を利用する。

解法1

条件より、格子点 $(p, q)$ は直線 $2x + y = 1$ 上にあるので、

$$ 2p + q = 1 $$

すなわち、

$$ q = 1 - 2p $$

が成り立つ。これを極限の式中のシグマの中身に代入すると、

$$ f(k, pk + q) = f(k, pk + 1 - 2p) = f(k, p(k - 2) + 1) $$

となる。ここで、シグマの各項について、$p \to \infty$ としたときの第2引数 $p(k - 2) + 1$ の振る舞いを調べるため、$k = 2$ の場合と $k \neq 2$ の場合で分ける。

(i) $k = 2$ のとき

$p$ の値にかかわらず、第2引数は $p(2 - 2) + 1 = 1$ となる。したがって、

$$ f(2, p(2 - 2) + 1) = f(2, 1) $$

である。

(ii) $k \neq 2$ のとき

$k$ は整数であるから、$k \neq 2$ のとき $|k - 2| \ge 1$ である。 $p > 0$ として、三角不等式 $|a + b| \ge |a| - |b|$ を用いると、

$$ |p(k - 2) + 1| \ge |p(k - 2)| - 1 = p|k - 2| - 1 \ge p \cdot 1 - 1 = p - 1 $$

となる。ここで、$p \to \infty$ の極限を考えるため、$p > 11$ となる十分大きな整数 $p$ をとると、

$$ p - 1 > 10 $$

すなわち、

$$ |p(k - 2) + 1| > 10 $$

が成り立つ。 問題の条件より、$|y| > 10$ のとき $f(x, y) = 0$ であるから、$p > 11$ のとき、$-10 \le k \le 10$ を満たすすべての $k \neq 2$ について、

$$ f(k, p(k - 2) + 1) = 0 $$

となる。

(i), (ii) より、$p > 11$ のとき、シグマの和は以下のように計算できる。

$$ \sum_{k=-10}^{10} f(k, p(k - 2) + 1) = f(2, 1) + \sum_{\substack{k=-10 \\ k \neq 2}}^{10} f(k, p(k - 2) + 1) = f(2, 1) + 0 = f(2, 1) $$

したがって、十分大きな $p$ について和は定数 $f(2, 1)$ となるので、

$$ \lim_{p \to \infty} \sum_{k=-10}^{10} f(k, pk + q) = \lim_{p \to \infty} f(2, 1) = f(2, 1) $$

が示された。

解説

関数 $f(x, y)$ の値が $|y| > 10$ で $0$ になるという条件をどう活かすかがポイントである。極限をとる変数 $p$ が大きくなるにつれて、$y$ 座標に相当する部分がどのように変化するかを観察することで、和のほとんどの項が $0$ になって消えることを見抜けるかが問われている。絶対値の評価において、$p$ を十分大きくすれば特定の項以外がすべて条件を満たすという論法は、極限の厳密な扱いの基礎となる重要な考え方である。

答え

$\lim_{p \to \infty} \sum_{k=-10}^{10} f(k, pk + q) = f(2, 1)$ となることが示された。

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