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北海道大学 1977年 文系 第2問 解説

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北海道大学 1977年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) 放物線上の点における接線の方程式を立て、それが点 $(a, b)$ を通るという条件を立式する。または、傾き $t$ の直線を設定し、放物線と接する条件から関係式を導く。

(2) (1) で導いた $t$ についての2次方程式が、異なる2つの実数解をもち、かつその2解の積が $-1$ になる条件を考える。解と係数の関係を利用する。

(3) 2次方程式の解の配置問題として条件を求める(解法1)。または、定数 $b$ を分離して $b = -x^2 + ax$ とし、関数 $y = -x^2 + ax$ の $-1 \le x \le 1$ における値域から $b$ の存在範囲を求める(解法2)。

解法1

(1) 関数 $y = \frac{x^2}{4}$ について、導関数は $y' = \frac{x}{2}$ である。

接点の $x$ 座標を $s$ とおくと、接線の傾きは $\frac{s}{2}$ となる。

問題文より、接線の傾きが $t$ であるから、$t = \frac{s}{2}$ より $s = 2t$ となる。

よって、接点の座標は $(2t, t^2)$ となり、接線の方程式は以下のようになる。

$$ y - t^2 = t(x - 2t) $$

$$ y = tx - t^2 $$

この接線が点 $(a, b)$ を通るため、$x = a$、$y = b$ を代入する。

$$ b = at - t^2 $$

これを整理して、求める関係式は以下のようになる。

$$ t^2 - at + b = 0 $$

(2) 点 $(a, b)$ から放物線に引いた2本の接線の傾きを $t_1, t_2$ とする。

これらは、(1) で求めた $t$ についての2次方程式 $t^2 - at + b = 0$ の実数解である。

点 $(a, b)$ から2本の接線が引けるとき、この2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。その条件は、判別式を $D_t$ とすると $D_t > 0$ である。

$$ D_t = a^2 - 4b > 0 $$

また、解と係数の関係より、以下が成り立つ。

$$ t_1 t_2 = b $$

2本の接線が垂直に交わるとき、接線の傾きの積は $-1$ となるため、$t_1 t_2 = -1$ である。

したがって、$b = -1$ となる。

このとき、$D_t = a^2 - 4(-1) = a^2 + 4 > 0$ となり、これはすべての実数 $a$ に対して成り立つ。

よって、点 $(a, b)$ は直線 $y = -1$ 上にある。

(3) $f(x) = x^2 - ax + b$ とおく。

方程式 $f(x) = 0$ が $-1 \le x \le 1$ の範囲に実数解を少なくとも1つもつための $(a, b)$ の条件を求める。

$$ f(x) = \left(x - \frac{a}{2}\right)^2 - \frac{a^2}{4} + b $$

放物線 $y = f(x)$ の軸は直線 $x = \frac{a}{2}$ である。条件を満たすのは、以下の (i) または (ii) の場合である。

(i) $-1 \le x \le 1$ の範囲に2つの実数解(重解を含む)をもつ場合

以下の3つの条件をすべて満たす必要がある。

これらを整理すると、以下の不等式群を得る。

$$ \begin{cases} b \le \frac{a^2}{4} \\ -2 \le a \le 2 \\ b \ge -a - 1 \\ b \ge a - 1 \end{cases} $$

(ii) $-1 \le x \le 1$ の範囲に1つの実数解をもち、それ以外の範囲にもう1つの実数解をもつ場合

区間の端点における関数値の積が $0$ 以下であればよい。

$$ f(-1)f(1) \le 0 $$

$$ (1 + a + b)(1 - a + b) \le 0 $$

$$ (b + a + 1)(b - a + 1) \le 0 $$

これは、以下のいずれかの連立不等式が成り立つことと同値である。

$$ \begin{cases} b \ge -a - 1 \\ b \le a - 1 \end{cases} $$

または

$$ \begin{cases} b \le -a - 1 \\ b \ge a - 1 \end{cases} $$

(i), (ii) より、求める点 $(a, b)$ の存在範囲は、横軸を $a$ 軸、縦軸を $b$ 軸とする平面上において、上記を満たす領域の和集合となる。

具体的には、$a$ の値によって以下のように整理できる。

解法2

(3) の別解

方程式を $b$ について解くことで、定数分離の手法を用いる。

方程式 $x^2 - ax + b = 0$ を $b$ について解くと、以下のようになる。

$$ b = -x^2 + ax $$

この方程式が $-1 \le x \le 1$ に実数解をもつ条件は、関数 $g(x) = -x^2 + ax$ の $-1 \le x \le 1$ における値域に $b$ が含まれることである。

$$ g(x) = -\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + \frac{a^2}{4} $$

この関数は、上に凸の放物線であり、軸は直線 $x = \frac{a}{2}$ である。$-1 \le x \le 1$ における $g(x)$ の最大値を $M$、最小値を $m$ とすると、求める条件は $m \le b \le M$ となる。

軸 $x = \frac{a}{2}$ の位置によって場合分けを行う。

(i) $\frac{a}{2} < -1$ すなわち $a < -2$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ において $g(x)$ は単調減少する。

$$ M = g(-1) = -a - 1 $$

$$ m = g(1) = a - 1 $$

よって、$a - 1 \le b \le -a - 1$ となる。

(ii) $-1 \le \frac{a}{2} \le 1$ すなわち $-2 \le a \le 2$ のとき

頂点が区間内に含まれるため、最大値は頂点の $y$ 座標となる。

$$ M = g\left(\frac{a}{2}\right) = \frac{a^2}{4} $$

最小値は、区間の端点 $x = -1, 1$ のうち、軸から遠い方でとる。

(ア) $-2 \le a < 0$ のとき

軸は $x < 0$ の位置にあるため、$x = 1$ の方が軸から遠い。

$$ m = g(1) = a - 1 $$

よって、$a - 1 \le b \le \frac{a^2}{4}$ となる。

(イ) $0 \le a \le 2$ のとき

軸は $x \ge 0$ の位置にあるため、$x = -1$ の方が軸から遠い。

$$ m = g(-1) = -a - 1 $$

よって、$-a - 1 \le b \le \frac{a^2}{4}$ となる。

(iii) $1 < \frac{a}{2}$ すなわち $a > 2$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ において $g(x)$ は単調増加する。

$$ M = g(1) = a - 1 $$

$$ m = g(-1) = -a - 1 $$

よって、$-a - 1 \le b \le a - 1$ となる。

以上 (i)(iii) より、求める領域が導かれる。

解説

(1) は接線の方程式を立てて点 $(a, b)$ を代入する定石通りの問題である。

(2) は「直交する2本の接線の交点の軌跡」が準線になるという、放物線の有名な性質の証明そのものである。解と係数の関係を利用して $t_1 t_2 = -1$ を処理することで簡潔に示せる。

(3) は2次方程式の解の配置問題である。解法1のように $f(x)=0$ の解の配置として場合分けするのも良いが、解法2のように定数 $b$ を分離して関数 $b = g(x)$ の値域の問題に帰着させる手法も視覚的でミスが少ない。

答え

(1) $t^2 - at + b = 0$

(2) 直線 $y = -1$ 上

(3) 点 $(a,b)$ を座標平面上の点 $(x,y)$ とみなしたとき、求める領域は以下の不等式を満たす領域である。(境界線を含む)

$$ \begin{cases} x < -2 \text{ のとき} & x - 1 \le y \le -x - 1 \\ -2 \le x < 0 \text{ のとき} & x - 1 \le y \le \frac{x^2}{4} \\ 0 \le x \le 2 \text{ のとき} & -x - 1 \le y \le \frac{x^2}{4} \\ x > 2 \text{ のとき} & -x - 1 \le y \le x - 1 \end{cases} $$

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