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大阪大学 1990年 理系 第5問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/空間図形
大阪大学 1990年 理系 第5問 解説

方針・初手

立方体の各頂点の座標をベクトルを用いて特定することから始める。問題文にある「立方体 $OABC-DEFG$」という記法から、面 $OABC$ と面 $DEFG$ が平行であり、各頂点を結ぶ辺が $OD, AE, BF, CG$ であると判断できる。これにより、原点 $O$ に集まる3つの辺に対応するベクトル $\vec{OA}, \vec{OC}, \vec{OD}$ を基本ベクトルとして設定する。

空間内の点 $P(x_0, y_0, z_0)$ を $x$ 軸のまわりに回転させたとき、その点が通過する軌跡は $x$ 軸に垂直な平面上の円となる。この円が $xy$ 平面と交わる点は、$x$ 座標が $x_0$ に保たれ、$y$ 座標の絶対値が元の点の $x$ 軸からの距離 $\sqrt{y_0^2 + z_0^2}$ に等しくなる点である。この性質を用いて方程式や不等式を立式する。

解法1

立方体 $OABC-DEFG$ において、$\vec{OA}, \vec{OC}, \vec{OD}$ は互いに直交する長さ1のベクトルである。 点 $C$ は $z$ 軸の正の部分にあるため、その座標は $C(0, 0, 1)$ であり、$\vec{OC} = (0, 0, 1)$ となる。 これより、$\vec{OA}$ と $\vec{OD}$ は $z=0$ の平面($xy$ 平面)上のベクトルである。

また、立方体の構造から $\vec{OE} = \vec{OA} + \vec{OD}$ が成り立つ。 四角形 $OADE$ は1辺の長さが1の正方形であるため、$OE = \sqrt{1^2 + 1^2} = \sqrt{2}$ である。 点 $E$ は $x$ 軸の正の部分にあるため、$E$ の座標は $E(\sqrt{2}, 0, 0)$ と一意に定まる。

$\vec{OA}$ は $xy$ 平面上において $\vec{OE}$ と $45^\circ$ の角をなす長さ1のベクトルであるから、$\vec{OA} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}, 0\right)$ または $\vec{OA} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}, -\frac{1}{\sqrt{2}}, 0\right)$ となる。 どちらの場合も立体全体が $xz$ 平面に関して対称に配置されるだけであり、$x$ 軸まわりの回転軌跡は変わらないため、以下では $\vec{OA} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}, 0\right)$ として計算を進める。

(1) 点 $B$ は面 $OABC$ 上の点であり、$\vec{OB} = \vec{OA} + \vec{OC}$ であるから、その座標は $B\left(\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}, 1\right)$ となる。 辺 $BC$ は点 $C(0, 0, 1)$ と点 $B$ を結ぶ線分である。辺 $BC$ 上の点 $P$ は、媒介変数 $t \ (0 \leqq t \leqq 1)$ を用いて次のように表せる。

$$ \vec{OP} = (1-t)\vec{OC} + t\vec{OB} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}t, \frac{1}{\sqrt{2}}t, 1\right) $$

点 $P$ を $x$ 軸のまわりに回転させたとき、$xy$ 平面を通過する点を $Q(x, y, 0)$ とおく。 回転において $x$ 座標は不変であり、点 $Q$ の $y$ 座標の絶対値は、点 $P$ の $x$ 軸からの距離に等しいため、以下の関係が成り立つ。

$$ \begin{cases} x = \frac{1}{\sqrt{2}}t \\ y^2 = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}t\right)^2 + 1^2 \end{cases} $$

第1式より $t = \sqrt{2}x$ であり、$0 \leqq t \leqq 1$ から $x$ の範囲は $0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ となる。 $t$ を第2式に代入して消去すると、次の方程式が得られる。

$$ y^2 = x^2 + 1 $$

したがって、図形 $M$ を表す方程式は次のようになる。

$$ y^2 - x^2 = 1 \quad \left(0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}\right) $$

(2) 面 $OABC$ 上の点 $R$ は、2つの媒介変数 $s, u \ (0 \leqq s \leqq 1, \ 0 \leqq u \leqq 1)$ を用いて次のように表せる。

$$ \vec{OR} = s\vec{OA} + u\vec{OC} = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}s, \frac{1}{\sqrt{2}}s, u\right) $$

点 $R$ を $x$ 軸のまわりに回転させて $xy$ 平面を通過する点を $S(x, y, 0)$ とおくと、(1) と同様にして以下の関係が成り立つ。

$$ \begin{cases} x = \frac{1}{\sqrt{2}}s \\ y^2 = \left(\frac{1}{\sqrt{2}}s\right)^2 + u^2 \end{cases} $$

第1式から $s = \sqrt{2}x$ となり、$0 \leqq s \leqq 1$ より $0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ である。 これを第2式に代入すると、

$$ y^2 = x^2 + u^2 $$

ここで $u$ は $0 \leqq u \leqq 1$ の範囲を動くため、$u^2$ の取り得る値の範囲は $0 \leqq u^2 \leqq 1$ である。 したがって、$y^2$ の満たすべき条件は次の不等式となる。

$$ x^2 \leqq y^2 \leqq x^2 + 1 $$

これを $y$ について解くと、$|x| \leqq |y| \leqq \sqrt{x^2 + 1}$ となる。 求める領域は、$xy$ 平面においてこの不等式と $0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ を同時に満たす領域である。

境界線は以下の4種類から構成される。 ・双曲線 $y^2 - x^2 = 1$ のうち $0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ の部分 ・2直線 $y = x$ および $y = -x$ のうち $0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ の部分 ・直線 $x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のうち $\frac{1}{\sqrt{2}} \leqq y \leqq \frac{\sqrt{6}}{2}$ および $-\frac{\sqrt{6}}{2} \leqq y \leqq -\frac{1}{\sqrt{2}}$ の部分

これらに囲まれた領域が求める図示範囲となる(境界線を含む)。

解説

空間図形の回転に関する典型的な軌跡・領域の問題である。この問題で最も受験生が詰まりやすいのは、初手の「立方体の頂点座標の決定」である。図が与えられていない中で、$OABC-DEFG$ という記法のルールから $\vec{OE} = \vec{OA} + \vec{OD}$ を導き、$E$ の座標が $(1, 0, 0)$ ではなく $(\sqrt{2}, 0, 0)$ になることを見抜けるかが最大の山場となる。

座標さえ正しく設定できれば、あとは「$x$ 軸まわりの回転では $x$ 座標が保存され、原点からの距離の2乗 $y^2 + z^2$ が $xy$ 平面上の $y^2$ となる」という回転体の基本原則に従って立式するだけである。軌跡のパラメータ消去や領域の不等式評価は標準的な処理といえる。

答え

(1)

図形 $M$ を表す方程式は、以下の通り。

$$ y^2 - x^2 = 1 \quad \left(0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}\right) $$

(2)

求める領域は、$xy$ 平面において次の不等式が表す領域である。

$$ x^2 \leqq y^2 \leqq x^2 + 1 \quad \left(0 \leqq x \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}\right) $$

これは $x \geqq 0$ の領域において、以下の境界線に囲まれた2つの部分である(境界線を含む)。 ・上側:双曲線 $y^2 - x^2 = 1$ の一部、下側:直線 $y = x$ の一部、右側:直線 $x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ の一部に囲まれた領域。 ・上側:直線 $y = -x$ の一部、下側:双曲線 $y^2 - x^2 = 1$ の一部、右側:直線 $x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ の一部に囲まれた領域。

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