北海道大学 2007年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) は、円 $C$ の中心と半径を求め、与えられた2つの円との中心間距離と半径の和・差を比較することで接することを示します。 (2) は、固定された2点 $A, O$ と動点 $P$ によって作られる $\triangle APO$ に着目します。正弦定理を用いて、$\angle APO$ の大きさを $\triangle APO$ の外接円の半径で表すことがポイントです。(1) で接することを示した2つの円が、ちょうど条件を満たす外接円の限界ケースになっていることに気づけるかがカギとなります。
解法1
(1)
円 $C$ の方程式 $x^2 + y^2 - 4y + 2 = 0$ を平方完成すると、
$$ x^2 + (y - 2)^2 = 2 $$
となる。よって、円 $C$ の中心を $C_0$ とすると $C_0(0, 2)$ であり、その半径 $r$ は $r = \sqrt{2}$ である。
中心の座標が $\left(-\frac{\sqrt{2}}{2}, 0\right)$ である円を $C_1$ とする。円 $C_1$ は点 $O(0,0)$ を通るため、その半径 $r_1$ は
$$ r_1 = \sqrt{\left(-\frac{\sqrt{2}}{2} - 0\right)^2 + (0 - 0)^2} = \frac{\sqrt{2}}{2} $$
である。ここで、円 $C$ と円 $C_1$ の中心間の距離 $d_1$ は
$$ d_1 = \sqrt{\left(0 - \left(-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)\right)^2 + (2 - 0)^2} = \sqrt{\frac{1}{2} + 4} = \frac{3\sqrt{2}}{2} $$
となる。半径の和を計算すると $r + r_1 = \sqrt{2} + \frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{3\sqrt{2}}{2}$ となり、$d_1 = r + r_1$ が成り立つ。したがって、円 $C_1$ は円 $C$ に外接する。
また、中心の座標が $\left(-\frac{\sqrt{2}}{2}, 2\right)$ である円を $C_2$ とする。円 $C_2$ も点 $O(0,0)$ を通るため、その半径 $r_2$ は
$$ r_2 = \sqrt{\left(-\frac{\sqrt{2}}{2} - 0\right)^2 + (2 - 0)^2} = \sqrt{\frac{1}{2} + 4} = \frac{3\sqrt{2}}{2} $$
である。円 $C$ と円 $C_2$ の中心間の距離 $d_2$ は
$$ d_2 = \sqrt{\left(0 - \left(-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)\right)^2 + (2 - 2)^2} = \frac{\sqrt{2}}{2} $$
となる。半径の差を計算すると $|r - r_2| = \left|\sqrt{2} - \frac{3\sqrt{2}}{2}\right| = \frac{\sqrt{2}}{2}$ となり、$d_2 = |r - r_2|$ が成り立つ。したがって、円 $C_2$ は円 $C$ に内接する。
以上より、2つの円はどちらも円 $C$ に接することが示された。
(2)
円 $C$ の最も下にある点の $y$ 座標は $2 - \sqrt{2} > 0$ であるため、円 $C$ 上の点 $P$ は常に $y > 0$ を満たす。一方、点 $A(-\sqrt{2}, 0)$ と $O(0,0)$ は $x$ 軸上の点である。したがって、3点 $A, O, P$ は同一直線上にないため、これらを通る円が常にただ1つ存在する。これを円 $K$ とする。
円 $K$ は定点 $A, O$ を通るため、その中心 $M$ は線分 $OA$ の垂直二等分線 $x = -\frac{\sqrt{2}}{2}$ 上にある。よって、中心 $M$ の座標を $\left(-\frac{\sqrt{2}}{2}, t\right)$ とおくことができる。円 $K$ は点 $O(0,0)$ を通るから、その半径 $R$ は
$$ R = \sqrt{\left(-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^2 + t^2} = \sqrt{t^2 + \frac{1}{2}} $$
となる。円 $K$ が円 $C$ 上の点 $P$ を通るということは、円 $K$ と円 $C$ が少なくとも1つの共有点を持つことと同値である。中心間距離を $d$ とすると、共有点を持つ条件は $|R - r| \le d \le R + r$ である。各辺を2乗して整理する。
$$ (R - r)^2 \le d^2 \le (R + r)^2 $$
$$ R^2 - 2\sqrt{2}R + 2 \le d^2 \le R^2 + 2\sqrt{2}R + 2 $$
$$ -2\sqrt{2}R \le d^2 - R^2 - 2 \le 2\sqrt{2}R $$
ここで、$d^2 = \left(\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^2 + (t - 2)^2 = t^2 - 4t + \frac{9}{2}$ であり、$R^2 = t^2 + \frac{1}{2}$ であるから、中央の式は以下のように計算できる。
$$ d^2 - R^2 - 2 = \left(t^2 - 4t + \frac{9}{2}\right) - \left(t^2 + \frac{1}{2}\right) - 2 = -4t + 2 $$
これを不等式に代入して、各辺を2で割る。
$$ -2\sqrt{2}\sqrt{t^2 + \frac{1}{2}} \le -4t + 2 \le 2\sqrt{2}\sqrt{t^2 + \frac{1}{2}} $$
$$ -\sqrt{2t^2 + 1} \le -2t + 1 \le \sqrt{2t^2 + 1} $$
この不等式は、両辺を2乗した $(-2t + 1)^2 \le 2t^2 + 1$ と同値である。これを解く。
$$ 4t^2 - 4t + 1 \le 2t^2 + 1 $$
$$ 2t^2 - 4t \le 0 $$
$$ 2t(t - 2) \le 0 $$
よって、$0 \le t \le 2$ が得られる。
次に、$\triangle APO$ において正弦定理を適用すると、
$$ \frac{OA}{\sin\angle APO} = 2R $$
$$ \sin\angle APO = \frac{\sqrt{2}}{2R} = \frac{\sqrt{2}}{2\sqrt{t^2 + \frac{1}{2}}} = \frac{1}{\sqrt{2t^2 + 1}} $$
となる。ここで $\angle APO$ が鋭角か鈍角かを考える。点 $P$ は円 $C$ 上にあるため $y > 0$ の領域にあり、外接円の中心 $M$ の $y$ 座標 $t$ も $0 \le t \le 2$ より $0$ 以上である。つまり、点 $P$ と中心 $M$ は、弦 $OA$($x$ 軸)に対して同じ側(あるいは中心が弦上)にある。円周角の定理より、弦から見て中心と同じ側に作られる円周角は直角または鋭角であるため、$0^\circ < \angle APO \le 90^\circ$ となり、$\cos\angle APO \ge 0$ である。
したがって、
$$ \cos\angle APO = \sqrt{1 - \sin^2\angle APO} = \sqrt{1 - \frac{1}{2t^2 + 1}} = \sqrt{\frac{2t^2}{2t^2 + 1}} $$
と表せる。根号の中身を関数 $f(t)$ とおく。
$$ f(t) = \frac{2t^2}{2t^2 + 1} = 1 - \frac{1}{2t^2 + 1} $$
$0 \le t \le 2$ の範囲において $2t^2 + 1$ は単調に増加するため、$\frac{1}{2t^2 + 1}$ は単調に減少し、$f(t)$ は単調に増加する。 よって $f(t)$ は、 $t = 0$ のとき最小値 $1 - 1 = 0$ をとり、 $t = 2$ のとき最大値 $1 - \frac{1}{9} = \frac{8}{9}$ をとる。
$\cos\angle APO = \sqrt{f(t)}$ も同様に単調増加となるため、最大値と最小値はそれぞれの平方根となる。
解説
2定点 $A, O$ と動点 $P$ がなす角 $\angle APO$ の大きさを問う問題です。角度の最大・最小を考える際、正弦定理 $\frac{OA}{\sin \theta} = 2R$ を利用して外接円の半径 $R$ の最大・最小に帰着させる幾何学的なアプローチが極めて有効です。
(1) で証明した2つの円は、ちょうど $\triangle APO$ の外接円の中心の $y$ 座標が $t=0$ と $t=2$ の場合にあたります。つまり、(1) は「外接円が円 $C$ と共有点を持つための限界(外接と内接)を調べよ」という強力な誘導になっています。座標を用いたベクトルの内積計算でも解くことは可能ですが、式が非常に煩雑になるため、図形的な意味を捉える解法が期待されています。
答え
(1) 中心 $\left(-\dfrac{\sqrt2}{2},0\right)$ および $\left(-\dfrac{\sqrt2}{2},2\right)$ の 2 つの円は、どちらも円 $C$ に接する。
(2) 最大値 $\frac{2\sqrt{2}}{3}$ 、最小値 $0$
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