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北海道大学 1964年 理系 第6問 解説

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北海道大学 1964年 理系 第6問 解説

方針・初手

与えられた2つの式から媒介変数 $t$ を消去し、$x, y$ の関係式を導きます。その際、$t \geqq 0$ という条件から $x$ の取り得る値の範囲(定義域)が制限されることに注意します。 (2) では、指定された領域の面積 $S$ を $x$ を用いた定積分で表して計算します。その後、(1) で求めた $x$ と $t$ の関係式を用いて $S$ を $t$ の式で表し、$t$ で微分して変化率を求めます。

解法1

(1)

与えられた条件式は以下の通りです。

$$ \begin{cases} (x-2)(y+x-1) = t-1 & \cdots \text{①} \\ x(y-x+1) = t+1 & \cdots \text{②} \end{cases} $$

② $-$ ① より $t$ を消去します。

$$ x(y-x+1) - (x-2)(y+x-1) = (t+1) - (t-1) $$

左辺を展開して整理します。

$$ xy - x^2 + x - (xy + x^2 - x - 2y - 2x + 2) = 2 $$

$$ -2x^2 + 4x + 2y - 4 = 0 $$

$$ y = x^2 - 2x + 2 $$

$$ y = (x-1)^2 + 1 \quad \cdots \text{③} $$

③ を ② に代入し、$t$ と $x$ の関係を求めます。

$$ x \{ (x^2 - 2x + 2) - x + 1 \} = t + 1 $$

$$ x (x^2 - 3x + 3) = t + 1 $$

$$ x^3 - 3x^2 + 3x - 1 = t $$

$$ (x-1)^3 = t \quad \cdots \text{④} $$

条件より $t \geqq 0$ であるから、

$$ (x-1)^3 \geqq 0 $$

これより、実数 $x$ の範囲は $x \geqq 1$ となります。

以上より、点 $P$ のえがく曲線は放物線 $y = x^2 - 2x + 2$ の $x \geqq 1$ の部分です。 図示すると、座標平面上において頂点が $(1, 1)$ で下に凸の放物線の右半分(端点を含む実線部分)となります。

(2)

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とします。ただし $x \geqq 1$ です。 点 $P$ を通り $x$ 軸に平行な直線は $Y = y$ であり、(1) で求めた曲線は $Y = X^2 - 2X + 2$ (積分変数を $X$ とします)と表せます。

囲まれる部分の面積 $S$ は、$1 \leqq X \leqq x$ の範囲で直線 $Y = y$ と曲線 $Y = X^2 - 2X + 2$ に挟まれた部分なので、次のように立式できます。

$$ S = \int_{1}^{x} \{ y - (X^2 - 2X + 2) \} dX $$

被積分関数の $y$ は $X$ に無関係な定数として扱い、$y = x^2 - 2x + 2 = (x-1)^2 + 1$ を代入します。 また、曲線の方程式も $(X-1)^2 + 1$ と平方完成した形を用いると計算が容易になります。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{1}^{x} \left\{ (x-1)^2 + 1 - \left( (X-1)^2 + 1 \right) \right\} dX \\ &= \int_{1}^{x} \left\{ (x-1)^2 - (X-1)^2 \right\} dX \\ &= \left[ (x-1)^2 X - \frac{1}{3}(X-1)^3 \right]_{1}^{x} \\ &= \left\{ (x-1)^2 \cdot x - \frac{1}{3}(x-1)^3 \right\} - \left\{ (x-1)^2 \cdot 1 - 0 \right\} \\ &= (x-1)^2 (x-1) - \frac{1}{3}(x-1)^3 \\ &= \frac{2}{3}(x-1)^3 \end{aligned} $$

ここで、(1) で求めた関係式 ④ より $(x-1)^3 = t$ であるため、面積 $S$ は

$$ S = \frac{2}{3}t $$

となります。 求めるものは面積 $S$ の $t$ に関する変化率 $\frac{dS}{dt}$ であるから、

$$ \frac{dS}{dt} = \frac{2}{3} $$

解法2

(2) の別解: $y$ 軸方向の積分による面積計算

(1) より、曲線は $y = (x-1)^2 + 1 \ (x \geqq 1)$ です。 これを $x$ について解くと、$x-1 \geqq 0$ より $x-1 = \sqrt{y-1}$ すなわち $x = \sqrt{y-1} + 1$ となります。

面積 $S$ は、曲線 $x = \sqrt{y-1} + 1$、直線 $x = 1$、および直線 $Y = y$、$Y = 1$ で囲まれた領域の面積として、$y$ 軸方向に積分して求めることができます。積分変数を $Y$ とします。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{1}^{y} (x - 1) dY \\ &= \int_{1}^{y} \sqrt{Y-1} dY \\ &= \left[ \frac{2}{3} (Y-1)^{\frac{3}{2}} \right]_{1}^{y} \\ &= \frac{2}{3} (y-1)^{\frac{3}{2}} \end{aligned} $$

ここで $y-1 = (x-1)^2$ を代入すると、

$$ \begin{aligned} S &= \frac{2}{3} \left\{ (x-1)^2 \right\}^{\frac{3}{2}} \\ &= \frac{2}{3} (x-1)^3 \quad (\because x \geqq 1) \end{aligned} $$

(1) より $(x-1)^3 = t$ であるから、

$$ S = \frac{2}{3}t $$

よって、$t$ に関する変化率は

$$ \frac{dS}{dt} = \frac{2}{3} $$

解説

媒介変数表示された曲線の軌跡と、それによって囲まれる面積の計算を組み合わせた総合問題です。

(1) では、単に $t$ を消去して $x, y$ の関係式を作るだけでなく、「消去した変数 $t$ が持つ条件($t \geqq 0$)」から「残った変数 $x$ の条件($x \geqq 1$)」を正確に引き継ぐことが重要です。軌跡の問題における変域の確認は頻出のチェックポイントです。

(2) では、面積 $S$ を $x$ の関数として求めると $S = \frac{2}{3}(x-1)^3$ となりますが、ここに (1) で導いた $(x-1)^3 = t$ が綺麗に当てはまります。結果として $S$ が $t$ の一次式となるため、変化率(微分係数)は定数になります。面積計算において被積分関数を $(x-1)^2 - (X-1)^2$ のように工夫すると、展開や代入の手間を大きく減らすことができます。

答え

(1) 点 $P$ のえがく曲線は放物線 $y = x^2 - 2x + 2$ の $x \geqq 1$ の部分。 図は、頂点 $(1, 1)$ を持ち、下に凸の放物線の右半分(端点を含む)となる。

(2) $\frac{2}{3}$

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