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北海道大学 1965年 理系 第4問 解説

数学2/微分法数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/不等式の証明
北海道大学 1965年 理系 第4問 解説

方針・初手

解法1

$g(x) = x^3 - 3a^2x$ とおくと、$f(x) = |g(x)|$ である。 $g(-x) = -x^3 + 3a^2x = -g(x)$ より、$g(x)$ は奇関数である。 よって、$f(-x) = |-g(x)| = |g(x)| = f(x)$ となり、$f(x)$ は偶関数である。 したがって、$|x| \leqq 1$ における $f(x)$ の最大値 $M$ は、$0 \leqq x \leqq 1$ における最大値に等しい。

また、$f(x)$ の式において $a$ は $a^2$ として現れるため、最大値 $M$ は $a$ に関する偶関数となる。 よって、まずは $a \geqq 0$ の場合について考える。

導関数は $g'(x) = 3x^2 - 3a^2 = 3(x-a)(x+a)$ となる。 $x \geqq 0, a \geqq 0$ において、$g'(x) = 0$ となるのは $x = a$ のときである。

(i) $0 \leqq a < 1$ のとき

$x$ が $0$ から $a$ まで増加するとき、$g'(x) \leqq 0$ より $g(x)$ は $g(0) = 0$ から $g(a) = -2a^3$ まで単調に減少する。 $x$ が $a$ から $1$ まで増加するとき、$g'(x) \geqq 0$ より $g(x)$ は $g(a)$ から $g(1) = 1 - 3a^2$ まで単調に増加する。

したがって、$0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x) = |g(x)|$ の最大値 $M$ は、極小値の絶対値 $f(a) = |-2a^3| = 2a^3$ と、区間の右端での値 $f(1) = |1 - 3a^2|$ のうち小さくない方となる。

$$ M = \max(2a^3, |1 - 3a^2|) $$

ここで、$2a^3$ と $1 - 3a^2$ の大小を比較する。

$$ 2a^3 - (1 - 3a^2) = 2a^3 + 3a^2 - 1 = (a+1)^2(2a-1) $$

$a \geqq 0$ において $(a+1)^2 > 0$ であるから、差の符号は $2a-1$ の符号と一致する。 ゆえに、 $0 \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ のとき、$2a^3 \leqq 1 - 3a^2$ である。このとき $1 - 3a^2 \geqq 0$ であるため $|1 - 3a^2| = 1 - 3a^2$ となり、$M = 1 - 3a^2$ を得る。

$\frac{1}{2} < a < 1$ のとき、$2a^3 > 1 - 3a^2$ である。 さらに、$2a^3$ と $-(1 - 3a^2) = 3a^2 - 1$ の大小を比較する。

$$ 2a^3 - (3a^2 - 1) = 2a^3 - 3a^2 + 1 = (a-1)^2(2a+1) $$

$a \geqq 0, a \neq 1$ において $(a-1)^2(2a+1) > 0$ であるから、常に $2a^3 > 3a^2 - 1$ が成り立つ。 したがって、$\frac{1}{2} < a < 1$ のとき $M = 2a^3$ となる。

(ii) $a \geqq 1$ のとき

$0 \leqq x \leqq 1$ において常に $g'(x) \leqq 0$ となり、$g(x)$ は単調減少する。 $g(0) = 0$、$g(1) = 1 - 3a^2 \leqq -2$ より、$f(x)$ は $0$ から $3a^2 - 1$ まで単調増加する。 よって、最大値は $M = f(1) = 3a^2 - 1$ となる。

(i)(ii) 、および $M$ が $a$ の偶関数であることを合わせると、任意の実数 $a$ に対する最大値 $M$ は以下のように表される。

$$ M = \begin{cases} 1 - 3a^2 & \left( |a| \leqq \frac{1}{2} \right) \\ 2|a|^3 & \left( \frac{1}{2} < |a| < 1 \right) \\ 3a^2 - 1 & \left( |a| \geqq 1 \right) \end{cases} $$

次に、$M$ を最小にする $a$ の値を求める。 $a \geqq 0$ の範囲において、$M$ の増減を調べる。 $0 \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ のとき、$M = 1 - 3a^2$ は単調減少し、$a = \frac{1}{2}$ のとき最小値 $\frac{1}{4}$ をとる。 $\frac{1}{2} < a < 1$ のとき、$M = 2a^3$ は単調増加し、$\frac{1}{4} < M < 2$ となる。 $a \geqq 1$ のとき、$M = 3a^2 - 1$ は単調増加し、$M \geqq 2$ となる。

したがって、$a \geqq 0$ における $M$ の最小値は $\frac{1}{4}$ であり、そのときの $a$ の値は $\frac{1}{2}$ である。 偶関数性より、$a < 0$ も含めると、$a = \pm \frac{1}{2}$ のとき $M$ は最小値 $\frac{1}{4}$ をとる。

解説

パラメータを含む3次関数の絶対値の最大化と、その最大値の最小化を問う典型的な問題である。 計算量を減らし論理を簡明にするために、$f(x)$ および $M(a)$ の偶関数性(対称性)を初期段階で見抜き、変域を $x \geqq 0, a \geqq 0$ に絞って考えることが最大のポイントである。 場合分けにおいては、「極大値・極小値の絶対値」と「区間の端点の絶対値」の比較が不可避となるが、式同士の差をとって因数分解する基本的な処理を行うことで、大小関係の切り替わる境界(本問では $a = \frac{1}{2}$)を正確に特定できる。

答え

$M$ を最小にする $a$ の値は、

$$ a = \pm \frac{1}{2} $$

また、$|a| \leqq 1$ の範囲での $a$ と $M$ の関係を表すグラフは、以下の式で表される曲線となる(グラフ描画は省略する)。

$$ M = \begin{cases} -2a^3 & \left( -1 \leqq a < -\frac{1}{2} \right) \\ 1 - 3a^2 & \left( -\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2} \right) \\ 2a^3 & \left( \frac{1}{2} < a \leqq 1 \right) \end{cases} $$

これは $M$ 軸に関して対称であり、点 $(0, 1)$ を頂点とする上に凸の放物線と、点 $\left(\pm \frac{1}{2}, \frac{1}{4}\right)$ で接続する3次関数の曲線をつないだ形状となり、両端点は $(\pm 1, 2)$ である。

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