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北海道大学 1967年 理系 第6問 解説

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北海道大学 1967年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) は、関数とその導関数の関係式が与えられていることから、変数分離形の微分方程式として扱う。両辺を $f(t)$ で割り、$t$ について積分することで $f(t)$ を求める。

(2) は、(1) で求めた $f(t)$ と $x = e^{-t}$ の関係を用いて、$y$ を $x$ の関数 $g(x)$ として表す。その後、微分して増減を調べ、極限値を用いてグラフの概形を把握する。

解法1

(1)

$f(t) > 0$ であるから、与えられた等式 $f'(t) = \left(\frac{1}{t} - 1\right) f(t)$ の両辺を $f(t)$ で割ると

$$ \frac{f'(t)}{f(t)} = \frac{1}{t} - 1 $$

両辺を $t$ について積分すると

$$ \int \frac{f'(t)}{f(t)} dt = \int \left(\frac{1}{t} - 1\right) dt $$

$t > 0$ であることに注意して積分を実行すると

$$ \log f(t) = \log t - t + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$

これを $f(t)$ について解くと

$$ f(t) = e^{\log t - t + C} = e^C t e^{-t} $$

$e^C = A$ ($A$ は正の定数)とおくと

$$ f(t) = A t e^{-t} $$

ここで、与えられた極限の条件 $\lim_{t \to +0} \frac{f(t)}{t} = 2$ を用いると

$$ \lim_{t \to +0} \frac{A t e^{-t}}{t} = \lim_{t \to +0} A e^{-t} = A $$

これが $2$ に等しいので、$A = 2$ である。

したがって、求める関数は

$$ f(t) = 2t e^{-t} $$

(2)

$x = e^{-t}$ とおく。$t > 0$ であるから、定義域は $0 < x < 1$ である。

また、$t = -\log x$ となるから、これを $y = f(t)$ に代入すると

$$ g(x) = 2(-\log x) e^{-(-\log x)} = -2x \log x $$

この $g(x)$ について微分すると

$$ g'(x) = -2 \left( 1 \cdot \log x + x \cdot \frac{1}{x} \right) = -2(\log x + 1) $$

$g'(x) = 0$ となるのは $\log x = -1$、すなわち $x = \frac{1}{e}$ のときである。

さらに第2次導関数を求めると

$$ g''(x) = -2 \cdot \frac{1}{x} = -\frac{2}{x} $$

$0 < x < 1$ において $g''(x) < 0$ であるから、グラフは常に上に凸である。

以上より、$0 < x < 1$ における $g(x)$ の増減表は次のようになる。

$$ \begin{array}{c|ccccc} x & (0) & \cdots & \frac{1}{e} & \cdots & (1) \\ \hline g'(x) & & + & 0 & - & \\ \hline g''(x) & & - & - & - & \\ \hline g(x) & (0) & \nearrow & \frac{2}{e} & \searrow & (0) \end{array} $$

極限について調べる。

$x \to +0$ の極限は、$x = e^{-t}$ より $t \to +\infty$ に対応するため、与えられた条件を用いて

$$ \lim_{x \to +0} g(x) = \lim_{t \to +\infty} f(t) = 0 $$

また、$x \to 1-0$ の極限は

$$ \lim_{x \to 1-0} g(x) = \lim_{x \to 1-0} (-2x \log x) = -2 \cdot 1 \cdot 0 = 0 $$

ゆえに、$g(x)$ は $x = \frac{1}{e}$ で極大値 $\frac{2}{e}$ をとり、極小値は存在しない。

グラフの概形は、原点 $(0,0)$ と点 $(1,0)$ に近づき(両端は含まれない)、点 $\left(\frac{1}{e}, \frac{2}{e}\right)$ を頂点とする上に凸な山型の曲線となる。

解説

(1) は変数分離形の微分方程式の標準的な問題である。積分後に絶対値記号が外れることや、極限条件から積分定数を決定する流れを正確にこなしたい。

(2) は媒介変数表示から $x, y$ の関係式を導く問題である。定義域の変換($t > 0$ から $0 < x < 1$)を忘れないようにする。極限 $\lim_{x \to +0} x \log x = 0$ の計算において、問題文で与えられた $\lim_{t \to +\infty} f(t) = 0$ の条件がそのまま利用できることに気づけると見通しが良い。

答え

(1)

$f(t) = 2t e^{-t}$

(2)

$g(x) = -2x \log x \quad (0 < x < 1)$

極大値は $\frac{2}{e}$ ($x = \frac{1}{e}$ のとき)、極小値はなし。

グラフは点 $\left(\frac{1}{e}, \frac{2}{e}\right)$ を頂点とし、両端 $(0,0)$ と $(1,0)$ を白丸とする上に凸な曲線(図の描画は省略)。

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