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北海道大学 1974年 理系 第3問 解説

数学B/数列テーマ/漸化式
北海道大学 1974年 理系 第3問 解説

方針・初手

与えられた2つの漸化式①、②を用いて、偶数番目の項と奇数番目の項の関係を整理する。(1)では、奇数番目の項を消去して偶数番目の項のみの漸化式を導く。(2)は(1)で得られた漸化式が等差数列を表すことに着目する。(3)は奇数番目の項の一般項を求め、シグマ計算を行う。

解法1

(1)

与えられた条件より、すべての項は正である。 式②において、$n$ を $n-1$ に置き換えると、以下の式を得る。

$$ a_{2n-1}^2 = a_{2n-2}a_{2n} \quad (n \geqq 2) $$

$a_n > 0$ であるから、正の平方根をとると次式になる。

$$ a_{2n-1} = \sqrt{a_{2n-2}}\sqrt{a_{2n}} \quad \cdots \text{③} $$

また、式②の両辺の正の平方根をとると次式になる。

$$ a_{2n+1} = \sqrt{a_{2n}}\sqrt{a_{2n+2}} \quad \cdots \text{④} $$

式③、④を式①に代入する。

$$ 2a_{2n} = \sqrt{a_{2n-2}}\sqrt{a_{2n}} + \sqrt{a_{2n}}\sqrt{a_{2n+2}} $$

$a_{2n} > 0$ より $\sqrt{a_{2n}} > 0$ であるから、両辺を $\sqrt{a_{2n}}$ で割って整理する。

$$ 2\sqrt{a_{2n}} = \sqrt{a_{2n-2}} + \sqrt{a_{2n+2}} $$

変形して、求める式を得る。

$$ \sqrt{a_{2n}} = \frac{\sqrt{a_{2n-2}} + \sqrt{a_{2n+2}}}{2} $$

(2)

(1)の結果から、

$$ \sqrt{a_{2n+2}} - \sqrt{a_{2n}} = \sqrt{a_{2n}} - \sqrt{a_{2n-2}} $$

となるため、数列 $\{\sqrt{a_{2n}}\}$ は等差数列である。

その初項は $n=1$ に対応する $\sqrt{a_2}$ である。条件 $a_2=2$ より、初項は $\sqrt{2}$ である。

次に公差を求めるために $a_4$ を計算する。 式①で $n=1$ とすると、

$$ 2a_2 = a_1 + a_3 $$

$a_1=1, a_2=2$ を代入すると $4 = 1 + a_3$ となり、$a_3 = 3$ である。 式②で $n=1$ とすると、

$$ a_3^2 = a_2a_4 $$

$a_2=2, a_3=3$ を代入すると $9 = 2a_4$ となり、$a_4 = \frac{9}{2}$ である。 したがって、$\sqrt{a_4} = \sqrt{\frac{9}{2}} = \frac{3\sqrt{2}}{2}$ となる。

数列 $\{\sqrt{a_{2n}}\}$ の公差 $d$ は、次のように求まる。

$$ d = \sqrt{a_4} - \sqrt{a_2} = \frac{3\sqrt{2}}{2} - \sqrt{2} = \frac{\sqrt{2}}{2} $$

よって、数列 $\{\sqrt{a_{2n}}\}$ の一般項は以下のように計算できる。

$$ \sqrt{a_{2n}} = \sqrt{a_2} + (n-1)d = \sqrt{2} + (n-1)\frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{\sqrt{2}(n+1)}{2} $$

(3)

求める和 $S_n$ は、奇数番目の項の和である。

$$ S_n = \sum_{k=1}^{n} a_{2k-1} $$

式③より、$a_{2k-1} = \sqrt{a_{2k-2}}\sqrt{a_{2k}}$ ($k \geqq 2$) である。 (2)で求めた一般項を用いると、$\sqrt{a_{2k}} = \frac{\sqrt{2}(k+1)}{2}$ であり、$\sqrt{a_{2k-2}} = \frac{\sqrt{2}k}{2}$ であるから、

$$ a_{2k-1} = \frac{\sqrt{2}k}{2} \cdot \frac{\sqrt{2}(k+1)}{2} = \frac{k(k+1)}{2} $$

この式は $k=1$ のとき $\frac{1 \cdot 2}{2} = 1 = a_1$ となり、$k=1$ でも成立する。 したがって、求める和 $S_n$ は次のように計算できる。

$$ S_n = \sum_{k=1}^{n} \frac{k(k+1)}{2} = \frac{1}{2} \left( \sum_{k=1}^{n} k^2 + \sum_{k=1}^{n} k \right) $$

$$ S_n = \frac{1}{2} \left\{ \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) + \frac{1}{2}n(n+1) \right\} $$

$$ S_n = \frac{1}{12}n(n+1) \{ (2n+1) + 3 \} = \frac{1}{12}n(n+1)(2n+4) = \frac{1}{6}n(n+1)(n+2) $$

解説

2種類の漸化式が連立された形の問題である。式①は算術平均(等差数列の性質)、式②は幾何平均(等比数列の性質)を背景としている。(1)の誘導に従い、添え字を揃えて奇数項を消去することで、偶数項のみの漸化式を導出できる。 (2)では(1)の形からすぐに数列 $\{\sqrt{a_{2n}}\}$ が等差数列であることを見抜くのがポイントである。(3)では $\sum k(k+1)$ の計算が現れるが、これは連続する整数の積の和としての性質を利用して計算を工夫することも可能である。

答え

(1) $$ \sqrt{a_{2n}} = \frac{\sqrt{a_{2n-2}} + \sqrt{a_{2n+2}}}{2} $$

(2) $$ \sqrt{a_{2n}} = \frac{\sqrt{2}(n+1)}{2} $$

(3) $$ S_n = \frac{1}{6}n(n+1)(n+2) $$

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