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北海道大学 2015年 理系 第2問 解説

数学B/数列数学1/方程式不等式テーマ/漸化式テーマ/不等式の証明
北海道大学 2015年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 与えられた漸化式の両辺を $p^{n+1}$ で割ることで、数列 $\{b_n\}$ に関する階差数列の形を導く。その階差数列の一般項から $b_n$ を求める。 (2) (1) の結果を利用して $a_n$ の一般項を求め、$a_{n+1} - a_n \geqq 0$ となる条件を立式する。$n$ に $(-1)$ の累乗が含まれるため、数列の各項の差がすべての $n$ に対して $0$ 以上になるよう、必要条件から $p$ の範囲を絞り込み、それが十分条件でもあることを示す。

解法1

(1)

与えられた漸化式は以下の通りである。

$$ a_{n+1} = p a_n + (-q)^{n+1} $$

$p > 0$ であるから、両辺を $p^{n+1}$ で割ると次式を得る。

$$ \frac{a_{n+1}}{p^{n+1}} = \frac{a_n}{p^n} + \frac{(-q)^{n+1}}{p^{n+1}} $$

$b_n = \frac{a_n}{p^n}$ より、この式は以下のように書き換えられる。

$$ b_{n+1} = b_n + \left(-\frac{q}{p}\right)^{n+1} $$

したがって、数列 $\{b_n\}$ は初項が $b_1 = \frac{a_1}{p^1} = 0$、階差数列が $\left(-\frac{q}{p}\right)^{n+1}$ の数列である。 $n \geqq 2$ のとき、$b_n$ は次のように求められる。

$$ \begin{aligned} b_n &= b_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \left(-\frac{q}{p}\right)^{k+1} \\ &= 0 + \left(-\frac{q}{p}\right)^2 + \left(-\frac{q}{p}\right)^3 + \cdots + \left(-\frac{q}{p}\right)^n \end{aligned} $$

これは、初項 $\left(-\frac{q}{p}\right)^2 = \frac{q^2}{p^2}$、公比 $-\frac{q}{p}$、項数 $n-1$ の等比数列の和である。 $p, q$ は正の実数であるから、公比 $-\frac{q}{p}$ は負であり $-\frac{q}{p} \neq 1$ を満たす。よって等比数列の和の公式より、以下のようになる。

$$ \begin{aligned} b_n &= \frac{\frac{q^2}{p^2} \left\{ 1 - \left(-\frac{q}{p}\right)^{n-1} \right\}}{1 - \left(-\frac{q}{p}\right)} \\ &= \frac{\frac{q^2}{p^2} \left\{ 1 - \left(-\frac{q}{p}\right)^{n-1} \right\}}{\frac{p+q}{p}} \\ &= \frac{q^2}{p(p+q)} \left\{ 1 - \left(-\frac{q}{p}\right)^{n-1} \right\} \end{aligned} $$

この式において $n=1$ とすると、$\frac{q^2}{p(p+q)}(1-1) = 0$ となり、$b_1=0$ と一致する。 したがって、すべての自然数 $n$ について、次が成り立つ。

$$ b_n = \frac{q^2}{p(p+q)} \left\{ 1 - \left(-\frac{q}{p}\right)^{n-1} \right\} $$

(2)

$q=1$ のとき、(1) の結果より数列 $\{b_n\}$ の一般項は以下となる。

$$ b_n = \frac{1}{p(p+1)} \left\{ 1 - \left(-\frac{1}{p}\right)^{n-1} \right\} $$

$a_n = p^n b_n$ であるから、$a_n$ を $p$ と $n$ で表すと次式になる。

$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{p^n}{p(p+1)} \left\{ 1 - \left(-\frac{1}{p}\right)^{n-1} \right\} \\ &= \frac{p^{n-1}}{p+1} \left\{ 1 - \frac{(-1)^{n-1}}{p^{n-1}} \right\} \\ &= \frac{p^{n-1} - (-1)^{n-1}}{p+1} \end{aligned} $$

すべての自然数 $n$ について $a_{n+1} \geqq a_n$、すなわち $a_{n+1} - a_n \geqq 0$ となる条件を考える。

$$ \begin{aligned} a_{n+1} - a_n &= \frac{p^n - (-1)^n}{p+1} - \frac{p^{n-1} - (-1)^{n-1}}{p+1} \\ &= \frac{p^n - p^{n-1} - (-1)^n + (-1)^{n-1}}{p+1} \end{aligned} $$

ここで、$-(-1)^n = (-1)^{n-1}$ であるから、分子は以下のように変形できる。

$$ \begin{aligned} p^n - p^{n-1} - (-1)^n + (-1)^{n-1} &= p^{n-1}(p - 1) + (-1)^{n-1} + (-1)^{n-1} \\ &= p^{n-1}(p - 1) + 2(-1)^{n-1} \end{aligned} $$

したがって、次式を得る。

$$ a_{n+1} - a_n = \frac{p^{n-1}(p - 1) + 2(-1)^{n-1}}{p+1} $$

$p > 0$ より $p+1 > 0$ であるため、$a_{n+1} - a_n \geqq 0$ となる条件は、すべての自然数 $n$ に対して次が成り立つことである。

$$ p^{n-1}(p - 1) + 2(-1)^{n-1} \geqq 0 \quad \cdots (*) $$

必要条件を絞り込むため、いくつかの $n$ について調べる。

$n=1$ のとき、$(*)$ は $p^0(p-1) + 2 \geqq 0 \iff p+1 \geqq 0$ となり、$p>0$ のもとで常に成り立つ。

$n=2$ のとき、$(*)$ は $p^1(p-1) - 2 \geqq 0 \iff p^2 - p - 2 \geqq 0$ となる。 これを解くと $(p-2)(p+1) \geqq 0$ であり、$p>0$ より $p \geqq 2$ が必要条件となる。

次に、$p \geqq 2$ が十分条件でもあることを示す。 $p \geqq 2$ のとき、$p-1 \geqq 1 > 0$ である。

(i) $n$ が奇数のとき

$n-1$ は偶数であり、$(-1)^{n-1} = 1$ となる。

$$ p^{n-1}(p - 1) + 2(-1)^{n-1} = p^{n-1}(p - 1) + 2 > 0 $$

よって、$(*)$ は成り立つ。

(ii) $n$ が偶数のとき

$n-1$ は奇数であり、$(-1)^{n-1} = -1$ となる。 $p \geqq 2$ および $n-1 \geqq 1$ より $p^{n-1} \geqq 2^{n-1} \geqq 2$ であり、$p-1 \geqq 1$ であるから、次が成り立つ。

$$ \begin{aligned} p^{n-1}(p - 1) + 2(-1)^{n-1} &= p^{n-1}(p - 1) - 2 \\ &\geqq 2 \cdot 1 - 2 \\ &= 0 \end{aligned} $$

よって、$(*)$ は成り立つ。

以上より、$p \geqq 2$ のとき、すべての自然数 $n$ について $(*)$ が成り立つため、条件を満たす。 したがって、求める $p$ の値の範囲は $p \geqq 2$ である。

解説

(1) は $a_{n+1} = p a_n + r^{n+1}$ の形をした漸化式の典型的な解法です。両辺を $p^{n+1}$ または $r^{n+1}$ で割ることで階差数列の形に帰着させます。今回は問題文で指定された $b_n = \frac{a_n}{p^n}$ の置き換えに素直に従うことで、方針に迷うことなく計算を進められます。和の公式を適用する際、公比が $1$ ではないことの確認を忘れないようにしましょう。

(2) は、単調増加性($a_{n+1} - a_n \geqq 0$)を示す問題です。式に $(-1)^{n-1}$ のような交項符号が含まれる場合、$n$ が奇数のときと偶数のときで振る舞いが変わります。すべての $n$ で不等式が成立するためには、$n=2$ のときのように符号がマイナスとなって式全体が最も小さくなりやすい状況で $\geqq 0$ となることが重要です。まずは具体的な小さい $n$ の値(特に偶数)を代入して必要条件を導き出し、その後、求めた条件のもとで数学的帰納法や場合分けによってすべての $n$ に対して十分であることを記述するのが確実なプロセスです。

答え

(1) $$ b_n = \frac{q^2}{p(p+q)} \left\{ 1 - \left(-\frac{q}{p}\right)^{n-1} \right\} $$

(2) $$ p \geqq 2 $$

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