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北海道大学 1991年 理系 第2問 解説

数学2/指数対数数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域
北海道大学 1991年 理系 第2問 解説

方針・初手

重心の座標を $(X, Y)$ とおき、$t$ の式で表す。 得られた $X, Y$ の式からパラメータ $t$ を消去して $X, Y$ の関係式を導く。その際、$t$ が実数全体を動くときの $X, Y$ の変域(存在範囲)に注意する。

解法1

3点 $(x(t), y(t)), (x(t+1), y(t+1)), (x(t+2), y(t+2))$ を頂点とする三角形の重心の座標を $(X, Y)$ とおく。 重心の定義より、

$$ X = \frac{x(t) + x(t+1) + x(t+2)}{3} $$

$$ Y = \frac{y(t) + y(t+1) + y(t+2)}{3} $$

である。ここで、分子の和を計算する。

$$ \begin{aligned} x(t) + x(t+1) + x(t+2) &= \frac{2^t + 2^{-t}}{2} + \frac{2^{t+1} + 2^{-(t+1)}}{2} + \frac{2^{t+2} + 2^{-(t+2)}}{2} \\ &= \frac{1}{2} \left\{ (2^t + 2 \cdot 2^t + 4 \cdot 2^t) + \left(2^{-t} + \frac{1}{2} \cdot 2^{-t} + \frac{1}{4} \cdot 2^{-t}\right) \right\} \\ &= \frac{1}{2} \left( 7 \cdot 2^t + \frac{7}{4} \cdot 2^{-t} \right) \end{aligned} $$

したがって、

$$ X = \frac{7}{6} \cdot 2^t + \frac{7}{24} \cdot 2^{-t} $$

となる。同様に $Y$ についても計算すると、

$$ \begin{aligned} y(t) + y(t+1) + y(t+2) &= \frac{2^t - 2^{-t}}{2} + \frac{2^{t+1} - 2^{-(t+1)}}{2} + \frac{2^{t+2} - 2^{-(t+2)}}{2} \\ &= \frac{1}{2} \left\{ (2^t + 2 \cdot 2^t + 4 \cdot 2^t) - \left(2^{-t} + \frac{1}{2} \cdot 2^{-t} + \frac{1}{4} \cdot 2^{-t}\right) \right\} \\ &= \frac{1}{2} \left( 7 \cdot 2^t - \frac{7}{4} \cdot 2^{-t} \right) \end{aligned} $$

より、

$$ Y = \frac{7}{6} \cdot 2^t - \frac{7}{24} \cdot 2^{-t} $$

となる。次に、これら2式から $t$ を消去する。両辺の和と差をとると、

$$ X + Y = \frac{7}{3} \cdot 2^t $$

$$ X - Y = \frac{7}{12} \cdot 2^{-t} $$

これらを辺々掛け合わせると、

$$ (X + Y)(X - Y) = \left( \frac{7}{3} \cdot 2^t \right) \left( \frac{7}{12} \cdot 2^{-t} \right) $$

$$ X^2 - Y^2 = \frac{49}{36} $$

が得られる。

最後に変域を確認する。$t$ は実数全体を動くため、$2^t > 0$ であり、$2^t$ はすべての正の実数値をとる。 したがって、$X + Y = \frac{7}{3} \cdot 2^t > 0$ である。 また、$s = X + Y$ とおくと、$s$ は正の実数全体を動き、$X - Y = \frac{49}{36s}$ と表せる。 これを $X, Y$ について解くと、

$$ X = \frac{1}{2} \left( s + \frac{49}{36s} \right), \quad Y = \frac{1}{2} \left( s - \frac{49}{36s} \right) $$

となり、$s > 0$ に対してこのような $X, Y$ は必ず存在し、$X > 0$ を満たす(相加平均と相乗平均の関係より $X \ge \frac{7}{6}$)。

以上より、求める軌跡は双曲線 $x^2 - y^2 = \frac{49}{36}$ の $x > 0$ の部分である。

解説

双曲線の媒介変数表示の応用問題である。 元の $x(t), y(t)$ が双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の右側部分を表す媒介変数表示に似ていることに気づけば、これらを足し合わせた重心の軌跡もまた双曲線になることは見えやすい。 $X, Y$ を求めたあと、$t$ を消去する際、$X$ と $Y$ をそれぞれ2乗して引く計算をしてもよいが、$X+Y$ と $X-Y$ を計算して掛け合わせる方が計算ミスを防ぎやすい。 また、軌跡を求める問題では、方程式を導出するだけでなく、変域(隠れた条件)の確認を忘れないようにすることが重要である。本問では $X+Y > 0$ あるいは相加・相乗平均の関係から $X \ge \frac{7}{6}$ を導くことで、双曲線の片側の枝のみが軌跡となることがわかる。

答え

双曲線 $x^2 - y^2 = \frac{49}{36}$ の $x > 0$ の部分

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