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北海道大学 1991年 理系 第3問 解説

数学2/微分法数学2/図形と式テーマ/接線・法線
北海道大学 1991年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) 曲線 $y=f(x)$ 上の点 $P(x,y)$ における接線の方向ベクトルと、点 $P$、$Q$ を結ぶベクトルの直交条件を立式する。

(2) (1) で得られた微分方程式を変数分離形として解き、曲線 $C$ が円の一部であることを導く。その後、直線と接する条件から円の半径を決定し、$y=f(x)$ という関数の形(1価関数)に適合する半円の式を選択する。

解法1

(1)

点 $P(x, y)$ における接線の傾きは $\frac{dy}{dx}$ であるため、接線の方向ベクトルの一つは $\left(1, \frac{dy}{dx}\right)$ と表せる。

また、点 $P(x, y)$ と点 $Q(1, 0)$ を結ぶベクトルは $\vec{QP} = (x-1, y)$ である。

接線と直線 $PQ$ が直交するためには、これらのベクトルの内積が $0$ になればよい。

$$ 1 \cdot (x-1) + \frac{dy}{dx} \cdot y = 0 $$

これを整理して、求める微分方程式は以下のようになる。

$$ y \frac{dy}{dx} = 1 - x $$

(2)

(1) の微分方程式において変数分離を行う。

$$ y \, dy = (1-x) \, dx $$

両辺を積分する。

$$ \int y \, dy = \int (1-x) \, dx $$

$$ \frac{1}{2} y^2 = x - \frac{1}{2} x^2 + C_1 \quad (C_1 \text{ は積分定数}) $$

両辺を $2$ 倍して整理する。

$$ x^2 - 2x + y^2 = 2C_1 $$

平方完成を行うと、次式を得る。

$$ (x-1)^2 + y^2 = 2C_1 + 1 $$

ここで $2C_1 + 1 > 0$ であり、$R^2 = 2C_1 + 1$ ($R > 0$)とおくと、これは中心が $(1, 0)$、半径が $R$ の円の方程式を表す。 曲線 $C$ はこの円の一部である。

次に、この円が直線 $y = -\frac{2}{3}x + 5$、すなわち $2x + 3y - 15 = 0$ と接する条件を考える。 円の中心 $(1, 0)$ と直線の距離 $d$ が半径 $R$ に等しければよいので、点と直線の距離の公式より以下が成り立つ。

$$ R = \frac{|2 \cdot 1 + 3 \cdot 0 - 15|}{\sqrt{2^2 + 3^2}} = \frac{|-13|}{\sqrt{13}} = \sqrt{13} $$

したがって、曲線 $C$ が含まれる円の方程式は以下のようになる。

$$ (x-1)^2 + y^2 = 13 $$

題意より曲線 $C$ は $y = f(x)$ と表される関数であるため、ひとつの $x$ に対して $y$ がただ一つ定まる必要がある。$y$ について解くと以下の2つの関数が得られる。

$$ y = \pm \sqrt{13 - (x-1)^2} $$

ここで、円と直線の接点の座標を求める。 接点は、円の中心 $(1, 0)$ を通り接線 $2x + 3y - 15 = 0$ に垂直な直線 $3x - 2y = 3$ 上にある。 $2x + 3y = 15$ と $3x - 2y = 3$ を連立して解くと、接点の座標は $(3, 3)$ となる。

接点において $y = 3 > 0$ であるため、曲線 $C$ は接点を含む上半円を選択しなければならない。

よって、求める曲線 $C$ の方程式は以下の通りである。

$$ y = \sqrt{13 - (x-1)^2} $$

解説

「曲線上の任意の点における法線がつねに一定の点を通る曲線は円である」という幾何学的な性質を、微分方程式を通じて確認する問題である。

(1) では、接線の傾きと直線 $PQ$ の傾きの積が $-1$ であるという条件($\frac{dy}{dx} \cdot \frac{y}{x-1} = -1$)から立式することも可能だが、$x=1$ や $y=0$ の場合(分母が $0$ になるケース)の言及が煩雑になる。解答のようにベクトルの内積を利用することで、場合分けを回避しつつ論理的な隙をなくすことができる。

(2) では $y=f(x)$ という表記に注意が必要である。円の方程式 $(x-1)^2 + y^2 = 13$ をそのまま答えてしまうと、関数ではない(1つの $x$ に対して $y$ が2つ存在する)ため不適となる。接点の $y$ 座標の符号を確認し、適切な関数(この場合は上半円)を絞り込む手順が重要である。

答え

(1)

$$ y \frac{dy}{dx} = 1 - x $$

(2)

$$ y = \sqrt{13 - (x-1)^2} $$

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