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京都大学 2009年 文系 第3問(甲) 解説

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京都大学 2009年 文系 第3問(甲) 解説

方針・初手

対数の底が $x, y$ とまちまちなので、底の変換公式を用いて底を統一します。右辺に $\log_x 2$ や $\log_y 2$ があることから、底を2に揃えると計算が見やすくなります。変数を置き換えて代数的な分数不等式に帰着させ、因数分解を行ってから再び $x, y$ の条件に戻して領域を判定します。

解法1

$x, y$ は $x \neq 1, y \neq 1$ を満たす正の数であるから、$x > 0, x \neq 1$ かつ $y > 0, y \neq 1$ である。底の変換公式を用いて、不等式のすべての対数の底を2に統一する。

$$ \frac{\log_2 y}{\log_2 x} + \frac{\log_2 x}{\log_2 y} > 2 + \frac{1}{\log_2 x} \cdot \frac{1}{\log_2 y} $$

ここで、$X = \log_2 x, Y = \log_2 y$ とおくと、条件より $X \neq 0, Y \neq 0$ である。不等式は次のように書き換えられる。

$$ \frac{Y}{X} + \frac{X}{Y} > 2 + \frac{1}{XY} $$

右辺を左辺に移項し、通分する。

$$ \frac{X^2 + Y^2}{XY} - \frac{2XY + 1}{XY} > 0 $$

$$ \frac{X^2 - 2XY + Y^2 - 1}{XY} > 0 $$

$$ \frac{(X - Y)^2 - 1}{XY} > 0 $$

分子を因数分解して、

$$ \frac{(X - Y - 1)(X - Y + 1)}{XY} > 0 $$

この不等式が成り立つ条件は、以下の (i) または (ii) のいずれかが成り立つことである。

(i)

$(X - Y - 1)(X - Y + 1) > 0$ かつ $XY > 0$

(ii)

$(X - Y - 1)(X - Y + 1) < 0$ かつ $XY < 0$

ここで、$X, Y$ の条件を $x, y$ の条件に翻訳する。$X = \log_2 x, Y = \log_2 y$ より、

$$ XY > 0 \iff (x - 1)(y - 1) > 0, \quad XY < 0 \iff (x - 1)(y - 1) < 0 $$

また、

$$ X - Y - 1 > 0 \iff \log_2 x - \log_2 y > 1 \iff y < \frac{x}{2} $$

$$ X - Y - 1 < 0 \iff y > \frac{x}{2} $$

$$ X - Y + 1 > 0 \iff \log_2 x - \log_2 y > -1 \iff y < 2x $$

$$ X - Y + 1 < 0 \iff y > 2x $$

これらを用いると、分子の条件は次のように言い換えられる。

$$ (X - Y - 1)(X - Y + 1) > 0 \iff y < \frac{x}{2} \text{ または } y > 2x $$

$$ (X - Y - 1)(X - Y + 1) < 0 \iff \frac{x}{2} < y < 2x $$

したがって、(i), (ii) の条件はそれぞれ以下のようになる。

(i) の場合:「$(x > 1$ かつ $y > 1)$ または $(0 < x < 1$ かつ $0 < y < 1)$」であって、かつ「$y < \frac{x}{2}$ または $y > 2x$」

(ii) の場合:「$(x > 1$ かつ $0 < y < 1)$ または $(0 < x < 1$ かつ $y > 1)$」であって、かつ「$\frac{x}{2} < y < 2x$」

ここで、$x > 1$ かつ $0 < y < 1$ のときは常に $y < 2x$ が成り立つため、条件は $y > \frac{x}{2}$ となる。同様に、$0 < x < 1$ かつ $y > 1$ のときは常に $y > \frac{x}{2}$ が成り立つため、条件は $y < 2x$ となる。

以上より、求める領域は $xy$ 平面上の第1象限において、直線 $x=1, y=1, y=2x, y=\frac{x}{2}$ を境界として区切られる領域の一部となる。

解説

対数不等式の定石通り、まずは「底の統一」と「真数・底の条件の確認」から入ります。今回は底を2に揃えることで、$X, Y$ の対称な有理式の形に持ち込めるのが最大のポイントです。分母を払う際に $XY$ の符号で場合分けが発生しますが、そのまま分数不等式として処理して形を整えると見通しが良くなります。グラフを図示する際は、基準となる線($x=1, y=1$)で区切られた4つの領域ごとに、丁寧に境界線との位置関係を確かめることが大切です。

答え

$xy$ 座標平面上の第1象限において、以下の4つの連立不等式が表す領域の和集合(図示はテキストで代用)。境界線($x=0, x=1, y=0, y=1, y=2x, y=\frac{x}{2}$)はすべて含まない。

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