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北海道大学 2006年 理系 第5問 解説

数学A/確率数学B/数列テーマ/確率漸化式
北海道大学 2006年 理系 第5問 解説

方針・初手

「〇回目以内に終了する」という確率を求めるため、以下の2つの方針が考えられます。

  1. 余事象を考える:「指定された回数までに終了しない」確率を求めて全体($1$)から引く。終了しない条件は「毎回、直前に出た目と異なる目が出続ける」ことです。
  2. 直接求める:「ちょうど $k$ 回目で終了する」確率を求め、それらを足し合わせる。

本問ではどちらのアプローチでも比較的容易に計算できますが、余事象を用いた方が計算量は少なく済みます。

解法1

さいころを $n$ 回投げたとき、それまでに「終了しない」確率を求める。 終了しないための条件は、2回目以降のすべての回において、直前に出た目と異なる目が出ることである。

1回目の目の出方は何でもよく、確率は $1$ である。 2回目以降は、毎回「直前の目以外の5種類の目のいずれか」が出ればよいので、各回における確率は $\frac{5}{6}$ である。

したがって、さいころを $n$ 回投げて終了しない確率 $P(n)$ は、

$$ P(n) = 1 \times \left( \frac{5}{6} \right)^{n-1} = \left( \frac{5}{6} \right)^{n-1} $$

となる。

(1) 4回目以内に終了する事象は、「4回目までに終了しない」という事象の余事象である。 したがって、求める確率は、

$$ 1 - P(4) = 1 - \left( \frac{5}{6} \right)^3 $$

$$ 1 - \frac{125}{216} = \frac{91}{216} $$

(2) $r$ 回目以内に終了する事象は、「$r$ 回目までに終了しない」という事象の余事象である。 したがって、求める確率は、

$$ 1 - P(r) = 1 - \left( \frac{5}{6} \right)^{r-1} $$

解法2

ちょうど $k$ 回目($k \geqq 2$)で終了する確率を $p_k$ とする。 ちょうど $k$ 回目で終了するためには、「$k-1$ 回目までは直前と異なる目が出続け、$k$ 回目に直前($k-1$ 回目)と同じ目が出る」ことが条件となる。

$k-1$ 回目まで終了しない確率は、解法1の議論と同様に $\left( \frac{5}{6} \right)^{k-2}$ である。(最初の1回は何でもよく、残り $k-2$ 回は直前と異なる目が出るため) そして、$k$ 回目に直前と同じ目が出る確率は $\frac{1}{6}$ である。

したがって、

$$ p_k = \left( \frac{5}{6} \right)^{k-2} \times \frac{1}{6} $$

(1) 4回目以内に終了する確率は、$p_2 + p_3 + p_4$ である。

$$ p_2 = \left( \frac{5}{6} \right)^0 \times \frac{1}{6} = \frac{1}{6} $$

$$ p_3 = \left( \frac{5}{6} \right)^1 \times \frac{1}{6} = \frac{5}{36} $$

$$ p_4 = \left( \frac{5}{6} \right)^2 \times \frac{1}{6} = \frac{25}{216} $$

これらを足し合わせて、

$$ p_2 + p_3 + p_4 = \frac{36}{216} + \frac{30}{216} + \frac{25}{216} = \frac{91}{216} $$

(2) $r$ 回目以内に終了する確率は、$\sum_{k=2}^{r} p_k$ である。 これは、初項 $p_2 = \frac{1}{6}$、公比 $\frac{5}{6}$、項数 $r-1$ の等比数列の和であるから、

$$ \sum_{k=2}^{r} p_k = \frac{\frac{1}{6} \left\{ 1 - \left( \frac{5}{6} \right)^{r-1} \right\}}{1 - \frac{5}{6}} $$

分母は $1 - \frac{5}{6} = \frac{1}{6}$ となるため、約分されて以下のようになる。

$$ 1 - \left( \frac{5}{6} \right)^{r-1} $$

解説

「〜回目以内に〜する確率」を問われた場合、本問の解法1のように余事象を考えるのが確率論における定石の一つです。終了条件の否定(=ゲームが続く条件)は「直前と違う目が出続ける」という非常にシンプルな独立試行の連続に帰着できるため、計算ミスを防ぎやすくなります。

一方で、解法2のように各回の確率を立式して総和をとる方法も、数学Bで学ぶ等比数列の和の公式の良い演習となります。両方のアプローチを理解し、結果が一致することを確認できると学習効果が高いでしょう。

答え

(1) $\frac{91}{216}$

(2) $1 - \left( \frac{5}{6} \right)^{r-1}$

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