北海道大学 2004年 理系 第4問 解説

方針・初手
空間における直線のベクトル表現と、回転体の基本原理を用いて順に処理していく。 (1) は、2点を通る直線の方向ベクトルを用いて、直線上の点を媒介変数(パラメータ)で表す。 (2) は、直線を $x$ 軸まわりに回転させたときの回転面の方程式を、$x$ 軸からの距離の2乗を用いて立てる。その後、$xy$ 平面との交わりであるから $z=0$ とすればよい。 (3) は、回転軸に垂直な平面で切ったときの断面積を立式し、定積分によって体積を求める。
解法1
(1) 点 $A(0, a, 0)$ と $B(1, 0, b)$ を通る直線 $l$ の方向ベクトルを $\vec{d}$ とすると、 $$ \vec{d} = \vec{AB} = (1, -a, b) $$ である。
直線 $l$ 上の点 $P$ は、実数 $s$ を用いて次のように表せる。 $$ \vec{OP} = \vec{OA} + s\vec{d} = (0, a, 0) + s(1, -a, b) = (s, a-as, bs) $$
点 $P$ の $x$ 座標が $t$ であるから、$s = t$ となる。 したがって、点 $P$ の座標は $$ (t, a(1-t), bt) $$ である。
(2) 直線 $l$ 上の点 $P(t, a(1-t), bt)$ を $x$ 軸のまわりに1回転して得られる図形は、空間内で中心が $(t, 0, 0)$ で、半径が $\sqrt{(a(1-t))^2 + (bt)^2}$ の円である。
図形 $M$ (回転面)上にある任意の点 $(x, y, z)$ は、ある実数 $t$ に対する上記の円上の点である。このとき $x=t$ であり、$y$ と $z$ は次を満たす。 $$ y^2 + z^2 = a^2(1-x)^2 + b^2x^2 $$ これが空間内における図形 $M$ の方程式である。
図形 $M$ と $xy$ 平面が交わって得られる図形は、$xy$ 平面上の点 $(x, y, 0)$ が図形 $M$ 上にある条件から得られる。 上の式に $z=0$ を代入して、 $$ y^2 = a^2(1-x)^2 + b^2x^2 $$
展開して整理すると、 $$ y^2 = a^2(1 - 2x + x^2) + b^2x^2 $$ $$ y^2 = (a^2+b^2)x^2 - 2a^2x + a^2 $$ これが求める図形の方程式である。
(3) 図形 $M$ と2つの平面 $x=0$ と $x=1$ で囲まれた立体の体積 $V$ を求める。
立体を $x$ 軸に垂直な平面 $x=x \ (0 \leqq x \leqq 1)$ で切ったときの断面は、(2) の考察より中心が $(x, 0, 0)$ で半径が $\sqrt{a^2(1-x)^2 + b^2x^2}$ の円の内部である。 したがって、その断面積 $S(x)$ は $$ S(x) = \pi \{ a^2(1-x)^2 + b^2x^2 \} $$ となる。
これを $x=0$ から $x=1$ まで積分して体積 $V$ を求める。 $$ \begin{aligned} V &= \int_{0}^{1} S(x) dx \\ &= \int_{0}^{1} \pi \{ a^2(1-x)^2 + b^2x^2 \} dx \\ &= \pi \left[ -\frac{a^2}{3}(1-x)^3 + \frac{b^2}{3}x^3 \right]_{0}^{1} \\ &= \pi \left\{ \left( 0 + \frac{b^2}{3} \right) - \left( -\frac{a^2}{3} + 0 \right) \right\} \\ &= \frac{\pi}{3}(a^2+b^2) \end{aligned} $$ これが求める体積である。
解説
空間図形と回転体の標準的な問題である。 直線などの図形を座標軸のまわりに回転させた曲面を考える際は、(1) のように回転させる図形上の点をパラメータで表し、そこから回転軸に下ろした垂線の長さ(すなわち回転半径)を立式する手順が基本となる。 (2) では $y^2+z^2 = (\text{半径})^2$ によって曲面の方程式を作り、$xy$ 平面で切断するために $z=0$ を代入している。 (3) の体積計算は、回転軸に垂直な断面が円になるという回転体の性質を用い、断面積を積分するという定石通りの処理で解決する。式をすべて展開してから積分してもよいが、$(1-x)^2$ をひとかたまりと見て積分すると計算量が減り、ミスを防ぎやすくなる。
答え
(1) $(t, a(1-t), bt)$
(2) $y^2 = (a^2+b^2)x^2 - 2a^2x + a^2$
(3) $\frac{\pi}{3}(a^2+b^2)$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











