大阪大学 1984年 理系 第2問 解説

方針・初手
空間座標における球面と接線の関係を扱う問題である。 (1) では、接点を文字で置き、直線が球面に接する(直交する)条件、あるいは接平面の公式を利用して、接点座標の満たす関係式を導く。 (2) では、直線の方程式を媒介変数(パラメータ)で表し、「直線と球面が接する=連立した2次方程式が重解をもつ」と捉える方針が最も計算が少なく確実である。(1) で求めた接点の条件式を利用してパラメータ消去を行うことも可能である。
解法1
(1)
球 $x^2 + y^2 + (z - 1)^2 = 1$ の中心を $\mathrm{C}(0, 0, 1)$、点 $(0, 1, 3)$ を $\mathrm{P}$ とする。 直線と球の接点を $\mathrm{T}(x, y, z)$ とおくと、直線 $\mathrm{PT}$ は球面と点 $\mathrm{T}$ で接するため、半径 $\mathrm{CT}$ と直交する。 したがって、$\overrightarrow{\mathrm{CT}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{PT}} = 0$ が成り立つ。
$\overrightarrow{\mathrm{CT}} = (x, y, z - 1)$、$\overrightarrow{\mathrm{PT}} = (x, y - 1, z - 3)$ であるから、内積を計算して
$$ x^2 + y(y - 1) + (z - 1)(z - 3) = 0 $$
展開して整理すると
$$ x^2 + y^2 - y + z^2 - 4z + 3 = 0 \cdots ① $$
一方、点 $\mathrm{T}$ は球面上にあるため、
$$ x^2 + y^2 + (z - 1)^2 = 1 $$
展開すると
$$ x^2 + y^2 + z^2 - 2z = 0 \cdots ② $$
① から ② を辺々引くと
$$ -y - 2z + 3 = 0 $$
$$ y + 2z - 3 = 0 $$
よって、接点 $\mathrm{T}$ の座標はこの方程式を満たすため、接点の全体は平面 $y + 2z - 3 = 0$ 上にある。求める平面の方程式は $y + 2z - 3 = 0$ である。
(2)
直線と $xy$ 平面の交点を $\mathrm{Q}(X, Y, 0)$ とおく。 点 $\mathrm{P}(0, 1, 3)$ と点 $\mathrm{Q}(X, Y, 0)$ を結ぶ直線 $\mathrm{PQ}$ 上の任意の点は、実数 $t$ を用いて次のように表せる。
$$ (1 - t)(0, 1, 3) + t(X, Y, 0) = (tX, \ 1 - t + tY, \ 3 - 3t) $$
この点が球 $x^2 + y^2 + (z - 1)^2 = 1$ 上にあるような実数 $t$ がただ1つ存在するとき、直線 $\mathrm{PQ}$ は球と接する。 球の方程式に代入して
$$ (tX)^2 + (1 - t + tY)^2 + (3 - 3t - 1)^2 = 1 $$
$$ X^2 t^2 + \{1 + (Y - 1)t\}^2 + (2 - 3t)^2 = 1 $$
展開して $t$ について整理する。
$$ X^2 t^2 + 1 + 2(Y - 1)t + (Y - 1)^2 t^2 + 4 - 12t + 9t^2 = 1 $$
$$ \{X^2 + (Y - 1)^2 + 9\}t^2 + 2(Y - 7)t + 4 = 0 $$
直線 $\mathrm{PQ}$ が球に接するためには、この $t$ についての2次方程式が重解をもてばよい。 判別式を $D$ とすると、$D = 0$ より
$$ \frac{D}{4} = (Y - 7)^2 - 4\{X^2 + (Y - 1)^2 + 9\} = 0 $$
展開して整理する。
$$ Y^2 - 14Y + 49 - 4X^2 - 4(Y^2 - 2Y + 1) - 36 = 0 $$
$$ -4X^2 - 3Y^2 - 6Y + 9 = 0 $$
両辺に $-1$ を掛けて
$$ 4X^2 + 3Y^2 + 6Y - 9 = 0 $$
平方完成すると
$$ 4X^2 + 3(Y + 1)^2 = 12 $$
$$ \frac{X^2}{3} + \frac{(Y + 1)^2}{4} = 1 $$
したがって、求める曲線の方程式は $4x^2 + 3y^2 + 6y - 9 = 0$ (または $\frac{x^2}{3} + \frac{(y + 1)^2}{4} = 1$)である。
解法2
(1)
接点を $\mathrm{T}(x_0, y_0, z_0)$ とおくと、$\mathrm{T}$ は球面 $x^2 + y^2 + (z - 1)^2 = 1$ 上にあるので
$$ x_0^2 + y_0^2 + (z_0 - 1)^2 = 1 \cdots ① $$
球上の点 $\mathrm{T}$ における接平面の方程式は
$$ x_0 x + y_0 y + (z_0 - 1)(z - 1) = 1 $$
直線 $\mathrm{PT}$ はこの接平面に含まれるため、点 $\mathrm{P}(0, 1, 3)$ は接平面上の点である。 $(x, y, z) = (0, 1, 3)$ を代入して
$$ y_0 + 2(z_0 - 1) = 1 $$
$$ y_0 + 2z_0 - 3 = 0 \cdots ② $$
接点 $(x_0, y_0, z_0)$ は方程式 $y + 2z - 3 = 0$ を満たすから、接点全体は1つの平面 $y + 2z - 3 = 0$ 上にある。
(2)
接線 $\mathrm{PT}$ 上の点 $\mathrm{Q}(x, y, z)$ は、実数 $s$ を用いて $\overrightarrow{\mathrm{OQ}} = (1 - s)\overrightarrow{\mathrm{OP}} + s\overrightarrow{\mathrm{OT}}$ と表せる。
$$ (x, y, z) = (s x_0, \ 1 - s + s y_0, \ 3 - 3s + s z_0) $$
$\mathrm{Q}$ が $xy$ 平面上にあるとき $z = 0$ であるから
$$ 3 - 3s + s z_0 = 0 \iff s(3 - z_0) = 3 $$
球の中心は $(0, 0, 1)$、半径は $1$ であるから、球上の点 $\mathrm{T}$ の $z$ 座標の範囲は $0 \leqq z_0 \leqq 2$ である。 よって $3 - z_0 \neq 0$ であり、$s = \frac{3}{3 - z_0}$ と定まる。
このとき、$xy$ 平面上の交点 $(x, y)$ の座標は
$$ x = \frac{3x_0}{3 - z_0} \cdots ③ $$
$$ y = 1 - \frac{3}{3 - z_0} + \frac{3y_0}{3 - z_0} = \frac{3y_0 - z_0}{3 - z_0} \cdots ④ $$
(1) の ② より $y_0 = 3 - 2z_0$ であるから、これを ④ に代入する。
$$ y = \frac{3(3 - 2z_0) - z_0}{3 - z_0} = \frac{9 - 7z_0}{3 - z_0} $$
これを $z_0$ について解く。
$$ y(3 - z_0) = 9 - 7z_0 \iff (7 - y)z_0 = 9 - 3y $$
$y = 7$ のとき $0 = -12$ となり等式を満たさないため、$y \neq 7$ である。
$$ z_0 = \frac{9 - 3y}{7 - y} $$
この結果から、$x_0, y_0$ および $z_0 - 1$ を $x, y$ で表す。
$$ 3 - z_0 = 3 - \frac{9 - 3y}{7 - y} = \frac{12}{7 - y} $$
よって ③ より
$$ x_0 = \frac{3 - z_0}{3} x = \frac{4x}{7 - y} $$
また、$y_0$ と $z_0 - 1$ は以下のようになる。
$$ y_0 = 3 - 2z_0 = 3 - 2\left(\frac{9 - 3y}{7 - y}\right) = \frac{3y + 3}{7 - y} $$
$$ z_0 - 1 = \frac{9 - 3y}{7 - y} - 1 = \frac{2 - 2y}{7 - y} $$
これらを ①(球面の方程式)に代入する。
$$ \left(\frac{4x}{7 - y}\right)^2 + \left(\frac{3y + 3}{7 - y}\right)^2 + \left(\frac{2 - 2y}{7 - y}\right)^2 = 1 $$
両辺に $(7 - y)^2$ を掛けて展開し、整理する。
$$ 16x^2 + 9y^2 + 18y + 9 + 4 - 8y + 4y^2 = 49 - 14y + y^2 $$
$$ 16x^2 + 12y^2 + 24y - 36 = 0 $$
両辺を $4$ で割って
$$ 4x^2 + 3y^2 + 6y - 9 = 0 $$
これが求める $xy$ 平面上の曲線の方程式である。
解説
空間図形と方程式の基本事項を問う標準的な問題である。 (1) は「球外の点から引いた接線の接点全体は、平面上の円となる」という有名な事実(この平面を極面と呼ぶ)を背景としている。解法1のように法線ベクトルの直交性(内積ゼロ)を用いるか、解法2のように接平面の公式を用いることで、すっきりと方程式を導出できる。 (2) は、直線と球面が接する条件を立式して軌跡を求める。解法1のように「直線上の点をパラメータで表し、球面の方程式に代入して判別式 $D=0$」とするのが、変数の消去が少なく計算ミスを防ぎやすい定石である。解法2のパラメータ消去によるアプローチも論理的で美しいであるが、分数式の代入と展開が続くため、計算力が必要になる。
答え
(1)
$y + 2z - 3 = 0$
(2)
$4x^2 + 3y^2 + 6y - 9 = 0$ (または $\frac{x^2}{3} + \frac{(y + 1)^2}{4} = 1$)
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











