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京都大学 1965年 文系 第2問 解説

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京都大学 1965年 文系 第2問 解説

方針・初手

$k$ の値に関係なく一定の根をもつという条件から、その一定の根を文字でおき、元の2次方程式に代入する。得られた式が「任意の正の数 $k$ について成り立つ(= $k$ についての恒等式)」となるように、定数 $a, b$ および一定の根の値を定める。

後半は、求めた $a, b$ の値を方程式に代入し、解と係数の関係などを用いてもう一つの根を $k$ の式で表し、その最小値を与える $k$ の値を求める。

解法1

$k$ の値に関係なく一定である根を $x = \alpha$($\alpha$ は $k$ に依存しない定数)とおく。 $x = \alpha$ は与えられた2次方程式の根であるから、

$$ k\alpha^2 - (k+2)^2\alpha + (ak^2+4k+b) = 0 $$

が成り立つ。これを $k$ について整理すると、

$$ k\alpha^2 - (k^2+4k+4)\alpha + ak^2+4k+b = 0 $$

$$ (a-\alpha)k^2 + (\alpha^2-4\alpha+4)k + (b-4\alpha) = 0 $$

これが任意の正の値 $k$ に対して成り立つためには、$k$ についての恒等式でなければならない。したがって、すべての係数が $0$ となるから、

$$ \begin{cases} a - \alpha = 0 \\ \alpha^2 - 4\alpha + 4 = 0 \\ b - 4\alpha = 0 \end{cases} $$

第2式より、

$$ (\alpha-2)^2 = 0 $$

$$ \alpha = 2 $$

これを第1式、第3式に代入して、

$$ a = 2, \quad b = 8 $$

このとき、もとの2次方程式は

$$ kx^2 - (k+2)^2x + (2k^2+4k+8) = 0 $$

となる。2つの根のうち1つは $\alpha = 2$ である。もう一つの根を $\beta$ とおくと、解と係数の関係より、2つの根の積について

$$ 2\beta = \frac{2k^2+4k+8}{k} $$

$$ \beta = \frac{k^2+2k+4}{k} = k + 2 + \frac{4}{k} $$

ここで、$k > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$ k + \frac{4}{k} \geqq 2\sqrt{k \cdot \frac{4}{k}} = 4 $$

が成り立つ。よって、

$$ \beta = k + \frac{4}{k} + 2 \geqq 4 + 2 = 6 $$

等号が成立するのは、$k = \frac{4}{k}$ すなわち $k^2 = 4$ のときである。$k > 0$ より $k = 2$ のとき等号が成立し、$\beta$ は最小値をとる。

したがって、他の根が最小となる $k$ の値は $k = 2$ である。

解説

「$k$ の値に関係なく」という表現から、「$k$ についての恒等式」として処理する典型問題である。定根を $\alpha$ とおいて $k$ について式を整理し、各係数が $0$ になることを利用する。

後半の他の根の最小値を求める部分では、解と係数の関係を用いてもう一つの根 $\beta$ を $k$ の式で表すのがスムーズである。得られた式が $k + \frac{4}{k} + 2$ となり、$k > 0$ という条件が与えられていることから、相加平均と相乗平均の大小関係を利用して最小値を求めるのが自然な流れとなる。

もちろん、関数 $f(k) = k + 2 + \frac{4}{k}$ とおいて微分法を用いて増減を調べても同様に解答できる。

答え

$a = 2, \quad b = 8$ $k = 2$ のとき最小となる

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