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京都大学 1981年 文系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数数学B/数列テーマ/漸化式テーマ/場合分け
京都大学 1981年 文系 第4問 解説

方針・初手

円陣に並んだ帽子の色の「境界の数」と「人数の偏り」に着目する。 ルール(i)およびルール(ii)の操作によって、帽子の色の並び方がどのような状態を行き来するかを分類し、状態遷移を考える。 具体的には、ゲームが継続している間は常に「4人が同色、2人が別色」という特定の状態(ブロック)を保ち続けることを示し、毎ターンの終了確率が一定であることを導き出す。

解法1

帽子の色を赤(R)、白(W)とする。 ルール(i)により、最初の操作ではあらかじめ指定された隣り合う2人ずつの3組(すべてRとWのペア)でジャンケンが行われる。 各組のジャンケンの結果、その2人は確率 $\frac{1}{2}$ で RR、確率 $\frac{1}{2}$ で WW になる。 3組の結果は独立であるから、全8通りの結果が等確率で生じる。

次に、ルール(ii)による状態 $S$ からの遷移を考える。 状態 $S$ においては、色の異なる境界は円陣上にちょうど2箇所ある。 よって、境界を挟んで隣り合う異なる色の2人ずつ、計2組(4人)がジャンケンを行う。残りの2人(同色4人のブロックの中央にいる2人)は、両隣が自分と同色であるためジャンケンを行わず、帽子の色は変わらない。

境界の2組はどちらも (R,W) のペアであるから、ジャンケンの結果、独立に確率 $\frac{1}{2}$ で RR、確率 $\frac{1}{2}$ で WW になる。 多数派の色を $C_1$、少数派の色を $C_2$ とすると、2組のジャンケンの結果は以下の4通り(各確率 $\frac{1}{4}$)である。

(a) 2組とも $C_1 C_1$ になる場合 境界の4人が $C_1$ となり、ジャンケンしなかった2人も $C_1$ であるから、6人全員が $C_1$ となりゲーム終了となる。

(b) 2組とも $C_2 C_2$ になる場合 境界の4人が $C_2$ となり、ジャンケンしなかった2人は $C_1$ のままである。よって $C_2$ が4人連続、$C_1$ が2人連続となり、色が入れ替わって状態 $S$ を維持する。

(c) 1組が $C_1 C_1$、もう1組が $C_2 C_2$ になる場合(2通り) 境界の4人のうち2人が $C_1$、2人が $C_2$ となるため、ジャンケンしなかった2人の $C_1$ と合わせて、$C_1$ が4人、$C_2$ が2人のまま境界の位置がずれ、状態 $S$ を維持する。

以上より、状態 $S$ から1回の操作で、ゲームが終了する確率は $\frac{1}{4}$、状態 $S$ を維持する確率は $\frac{3}{4}$ である。 また、1回目の操作で終了する確率も $\frac{1}{4}$、状態 $S$ に移行する確率も $\frac{3}{4}$ であった。

したがって、ゲームが終了せずに継続している場合、その状態は常に状態 $S$ であり、毎回の操作においてゲームが継続する(終了しない)確率は常に $\frac{3}{4}$ である。 $n$ 回目まで一度も終了せずにゲームが継続する確率は $\left(\frac{3}{4}\right)^n$ であるから、$n$ 回目までにゲームが終了する確率は、その余事象を考えて

$$ 1 - \left(\frac{3}{4}\right)^n $$

となる。

解説

確率の遷移において、一見複雑に見える操作が「本質的には数パターンの状態しか持たない」という構造に気づけるかが鍵となる良問である。 最初の組分けによって同色のブロックが必ず「偶数人」で作られるため、奇数人のブロックができたり、境界の数が4箇所以上になってジャンケンの組の作り方が重複・複雑化したりする事態は発生しない。 状態遷移を具体的に書き出し、常に「多数派4人・少数派2人」の構成が保たれ、毎ターン一定の確率($1/4$)で全員同色になることに気づけば、あっけなく解答にたどり着くことができる。

答え

$$ 1 - \left(\frac{3}{4}\right)^n $$

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