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京都大学 1983年 文系 第5問 解説

数学2/積分法数学2/微分法数学2/図形と式テーマ/面積・体積テーマ/接線・法線
京都大学 1983年 文系 第5問 解説

方針・初手

(1) 与えられた第2次導関数 $f''(x)$ を2回不定積分し、初期条件 $f(0)=0$ と $f'(0)=0$ を用いて積分定数を決定することで $f(x)$ を求める。

(2) 曲線 $C$ 上の接点を文字 $t$ を用いて設定し、接線の方程式を立てる。この接線が点 $(-1, 0)$ を通るという条件から $t$ の値を決定する。 その後、「$x$ 軸の負の部分」「曲線 $C$」「接線 $T$」がどのようになっているかを図形的に把握し、定積分(または三角形の面積との差)を用いて面積を計算する。

解法1

(1) 条件より $f''(x) = 2(1-x) = -2x + 2$ である。 両辺を $x$ について積分すると、

$$ f'(x) = \int (-2x + 2) dx = -x^2 + 2x + C_1 \quad (C_1 \text{ は積分定数}) $$

$f'(0) = 0$ より $C_1 = 0$ となる。 したがって、

$$ f'(x) = -x^2 + 2x $$

さらに両辺を $x$ について積分すると、

$$ f(x) = \int (-x^2 + 2x) dx = -\frac{1}{3}x^3 + x^2 + C_2 \quad (C_2 \text{ は積分定数}) $$

$f(0) = 0$ より $C_2 = 0$ となる。 よって、

$$ f(x) = -\frac{1}{3}x^3 + x^2 $$

(2) 曲線 $C$ は $y = -\frac{1}{3}x^3 + x^2 \ (x \geqq 0)$ である。 $C$ 上の点 $(t, f(t))$ ($t \geqq 0$) における接線の方程式を求める。 接線の傾きは $f'(t) = -t^2 + 2t$ であるから、接線の方程式は

$$ y - \left( -\frac{1}{3}t^3 + t^2 \right) = (-t^2 + 2t)(x - t) $$

$$ y = (-t^2 + 2t)x + t^3 - 2t^2 - \frac{1}{3}t^3 + t^2 $$

$$ y = (-t^2 + 2t)x + \frac{2}{3}t^3 - t^2 $$

この接線が点 $(-1, 0)$ を通るので、代入して

$$ 0 = (-t^2 + 2t)(-1) + \frac{2}{3}t^3 - t^2 $$

$$ 0 = t^2 - 2t + \frac{2}{3}t^3 - t^2 $$

$$ \frac{2}{3}t^3 - 2t = 0 $$

$$ \frac{2}{3}t(t^2 - 3) = 0 $$

$t \geqq 0$ であるから、$t = 0$ または $t = \sqrt{3}$ となる。 ここで、接線 $T$ の傾きは $0$ でないという条件がある。 $t = 0$ のとき、傾きは $f'(0) = 0$ となり不適である。 したがって、$t = \sqrt{3}$ である。

このとき、接点の座標は $(\sqrt{3}, f(\sqrt{3}))$ である。

$$ f(\sqrt{3}) = -\frac{1}{3}(\sqrt{3})^3 + (\sqrt{3})^2 = -\sqrt{3} + 3 $$

接線 $T$ の方程式は、$y = (2\sqrt{3}-3)(x+1)$ となる。

次に、求める領域の面積を考える。 $x$ 軸の負の部分、曲線 $C$ ($x \geqq 0$)、接線 $T$ で囲まれた領域は、 区間 $-1 \leqq x \leqq 0$ においては $T$ と $x$ 軸で囲まれ、 区間 $0 \leqq x \leqq \sqrt{3}$ においては $T$ と $C$ で囲まれている。

したがって、求める面積 $S$ は、点 $(-1, 0)$、$ (\sqrt{3}, 0)$、$(\sqrt{3}, 3-\sqrt{3})$ を頂点とする直角三角形の面積から、区間 $0 \leqq x \leqq \sqrt{3}$ における曲線 $C$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積を引いたものに等しい。 直角三角形の面積を $S_1$、引く部分の面積を $S_2$ とすると、

$$ S_1 = \frac{1}{2} \times \{ \sqrt{3} - (-1) \} \times (3 - \sqrt{3}) = \frac{1}{2}(\sqrt{3} + 1)\sqrt{3}(\sqrt{3} - 1) = \frac{\sqrt{3}}{2}(3 - 1) = \sqrt{3} $$

$$ S_2 = \int_{0}^{\sqrt{3}} \left( -\frac{1}{3}x^3 + x^2 \right) dx = \left[ -\frac{1}{12}x^4 + \frac{1}{3}x^3 \right]_0^{\sqrt{3}} = -\frac{9}{12} + \frac{3\sqrt{3}}{3} = -\frac{3}{4} + \sqrt{3} $$

よって、求める面積 $S$ は

$$ S = S_1 - S_2 = \sqrt{3} - \left( -\frac{3}{4} + \sqrt{3} \right) = \frac{3}{4} $$

解説

(1) は導関数の定義と不定積分の基本を確認する問題である。積分定数を忘れないように注意しよう。 (2) は「曲線の外の点から引いた接線」を求める定石通り、接点を $(t, f(t))$ と置いて方程式を立てるのがポイントである。その後、囲まれた領域の面積を求める際、定積分を2つの区間に分けて愚直に計算してもよいが、接線が作る大きな直角三角形の面積から曲線下の面積を引くという図形的な工夫をすると計算が非常に楽になり、ミスも防げる。

答え

(1)

$$ f(x) = -\frac{1}{3}x^3 + x^2 $$

(2)

$$ \frac{3}{4} $$

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