トップ 京都大学 1987年 文系 第1問

京都大学 1987年 文系 第1問 解説

数学2/式と証明テーマ/整式の証明テーマ/場合分け
京都大学 1987年 文系 第1問 解説

方針・初手

多項式 $f(x)$ と $g(x)$ をそれぞれ $h(x)$ で実際に割り算し、余りを求める。「割り切れる」とは「余りが $x$ についての恒等式として $0$ になる」ということであるため、それぞれの余りの係数がすべて $0$ になる条件を導出し、それらが一致することを確認するという方針をとる。

解法1

$f(x)$ を $h(x)$ で割ったときの商と余りを求める。

$$ \begin{aligned} f(x) &= ax^3 + (a^2+b)x^2 + (2ab+c)x + a^2+b^2-a \\ &= ax(x^2+ax+b) - a^2x^2 - abx + (a^2+b)x^2 + (2ab+c)x + a^2+b^2-a \\ &= ax h(x) + bx^2 + (ab+c)x + a^2+b^2-a \\ &= ax h(x) + b(x^2+ax+b) - abx - b^2 + (ab+c)x + a^2+b^2-a \\ &= (ax+b) h(x) + cx + a^2-a \end{aligned} $$

したがって、$f(x)$ を $h(x)$ で割った余りは $cx + a^2-a$ である。 $f(x)$ が $h(x)$ で割り切れるための条件は、この余りが $x$ についての恒等式として $0$ になることであるから、

$$ \begin{cases} c = 0 \\ a^2 - a = 0 \end{cases} $$

$a^2 - a = a(a-1) = 0$ であり、問題の条件より $a \neq 0$ であるから、$a = 1$ となる。 よって、$f(x)$ が $h(x)$ で割り切れる条件は、「$a = 1$ かつ $c = 0$」である。

次に、$g(x)$ を $h(x)$ で割ったときの商と余りを求める。

$$ \begin{aligned} g(x) &= ax^3 + (a^2-b)x^2 + (a-1)x + c^2-b^2 \\ &= ax(x^2+ax+b) - a^2x^2 - abx + (a^2-b)x^2 + (a-1)x + c^2-b^2 \\ &= ax h(x) - bx^2 + (a-1-ab)x + c^2-b^2 \\ &= ax h(x) - b(x^2+ax+b) + abx + b^2 + (a-1-ab)x + c^2-b^2 \\ &= (ax-b) h(x) + (a-1)x + c^2 \end{aligned} $$

したがって、$g(x)$ を $h(x)$ で割った余りは $(a-1)x + c^2$ である。 $g(x)$ が $h(x)$ で割り切れるための条件は、先ほどと同様に余りが $x$ についての恒等式として $0$ になることであるから、

$$ \begin{cases} a - 1 = 0 \\ c^2 = 0 \end{cases} $$

これを解くと、$a = 1$ かつ $c = 0$ となる。 よって、$g(x)$ が $h(x)$ で割り切れる条件もまた、「$a = 1$ かつ $c = 0$」である。

以上より、$f(x)$ が $h(x)$ で割り切れる条件と、$g(x)$ が $h(x)$ で割り切れる条件は完全に一致する。 したがって、$f(x), g(x)$ はともに $h(x)$ で割り切れるか、または、ともに $h(x)$ では割り切れないかの、いずれかである。(証明終)

解説

文字係数を含んだ多項式の割り算の問題である。一見すると複雑な式に見えるが、特別なテクニックや剰余の定理を用いる必要はなく、愚直に割り算を実行して余りを比較するだけで完答できる。 文字式での割り算は、解法1のように式変形(くくり出しと相殺)を繰り返して商を立てていく方法のほか、通常の筆算形式で行っても構いない。計算ミスにだけ注意して丁寧に進めよう。

答え

略(解法1の証明を参照)

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。