トップ 京都大学 2011年 文系 第2問

京都大学 2011年 文系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/図形総合
京都大学 2011年 文系 第2問 解説

方針・初手

四面体の頂点を始点とする3つのベクトル $\vec{OA}, \vec{OB}, \vec{OC}$ を基本ベクトルとして、長さを2乗し内積をすべて求めるのが第一歩です。その後、$H$ が平面 $ABC$ 上にある条件と、$OH \perp$ 平面 $ABC$ となる条件から $\vec{OH}$ を基本ベクトルで表し、その大きさを計算するのが標準的な流れです。あるいは、求められた内積を利用して空間座標に頂点を配置し、点と平面の距離の公式を利用するアプローチも非常に見通しが良く強力です。

解法1(ベクトルを用いた標準的な解法)

$\vec{OA} = \vec{a}$, $\vec{OB} = \vec{b}$, $\vec{OC} = \vec{c}$ とおく。条件より $|\vec{a}| = 2$, $|\vec{b}| = 3$, $|\vec{c}| = 3$ である。

$\vec{OB} \perp \vec{OC}$ より $\vec{b} \cdot \vec{c} = 0$。

$|\vec{AB}| = \sqrt{7}$ より $|\vec{b} - \vec{a}|^2 = 7$ であるから、

$$ 9 - 2\vec{a}\cdot\vec{b} + 4 = 7 \implies \vec{a}\cdot\vec{b} = 3 $$

$\vec{OA} \perp \vec{BC}$ より $\vec{a} \cdot (\vec{c} - \vec{b}) = 0$ であるから、

$$ \vec{a}\cdot\vec{c} = \vec{a}\cdot\vec{b} = 3 $$

点 $H$ は平面 $ABC$ 上の点であるから、実数 $s, t$ を用いて

$$ \vec{OH} = (1-s-t)\vec{a} + s\vec{b} + t\vec{c} $$

と表せる。$OH \perp$ 平面 $ABC$ より $\vec{OH} \cdot \vec{AB} = 0$ かつ $\vec{OH} \cdot \vec{AC} = 0$。

$\vec{OH} \cdot \vec{AB} = 0$ に内積の値を代入して整理すると、

$$ 7s - 2t = 1 \quad \cdots① $$

$\vec{OH} \cdot \vec{AC} = 0$ に内積の値を代入して整理すると、

$$ -2s + 7t = 1 \quad \cdots② $$

①、②を解くと $s = t = \dfrac{1}{5}$。したがって、

$$ \vec{OH} = \frac{1}{5}(3\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}) $$

大きさを求める。

$$ |\vec{OH}|^2 = \frac{1}{25}(9|\vec{a}|^2 + |\vec{b}|^2 + |\vec{c}|^2 + 6\vec{a}\cdot\vec{b} + 2\vec{b}\cdot\vec{c} + 6\vec{c}\cdot\vec{a}) $$

$$ = \frac{1}{25}(36 + 9 + 9 + 18 + 0 + 18) = \frac{90}{25} = \frac{18}{5} $$

よって $|\vec{OH}| = \dfrac{3\sqrt{10}}{5}$

解法2(座標空間への設定)

$\vec{OB} \perp \vec{OC}$、$|\vec{OB}| = |\vec{OC}| = 3$ より、$O(0,0,0)$、$B(3,0,0)$、$C(0,3,0)$ と配置する。$A = (x, y, z)$ とおくと、

$$ \vec{a}\cdot\vec{b} = 3x = 3 \implies x = 1 $$

$$ \vec{a}\cdot\vec{c} = 3y = 3 \implies y = 1 $$

$$ |\vec{a}|^2 = 1 + 1 + z^2 = 4 \implies z = \sqrt{2} $$

よって $A(1, 1, \sqrt{2})$。

3点 $A, B, C$ を通る平面の法線ベクトル $\vec{n} = (p, q, r)$ を求める。$\vec{n} \perp \vec{BC} = (-3, 3, 0)$ より $p = q$。$\vec{n} \perp \vec{BA} = (-2, 1, \sqrt{2})$ より $-p + \sqrt{2}r = 0$。$r=1$ とすると $\vec{n} = (\sqrt{2}, \sqrt{2}, 1)$。

点 $B(3, 0, 0)$ を通るから、平面の方程式は

$$ \sqrt{2}x + \sqrt{2}y + z - 3\sqrt{2} = 0 $$

原点 $O$ とこの平面との距離が $|\vec{OH}|$ であるから、

$$ |\vec{OH}| = \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{2+2+1}} = \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{5}} = \frac{3\sqrt{10}}{5} $$

解説

四面体の頂点から対面への垂線の長さを求める空間ベクトルの典型問題である。

解法1は、基準となる3つのベクトルを定め、すべての内積を洗い出した上で、平面上の点という条件と垂直条件から立式する最もオーソドックスな手法である。計算量はやや多いが、やるべきことが明確なので一本道で解ける。

解法2は、内積の条件を利用して各頂点を座標空間に具体的に配置するという強力なテクニックである。点と平面の距離の公式を使うことで、解法1の後半の面倒な計算をスキップできる。内積や長さの条件がシンプルに与えられている場合は、座標化が非常に有効な手段となる。

答え

$$ \frac{3\sqrt{10}}{5} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。