東京工業大学 1964年 理系 第5問 解説

方針・初手
まずは与えられた条件から、関数 $f(x) = ax+b$ の係数 $a, b$ を決定する。その後、$G(t)$、$A$、$H(t)$ をそれぞれ具体的に計算し、差 $G(t) - H(t)$ の符号を微分を用いて調べるという手順を踏む。
解法1
$f(x) = ax+b$ を条件式に代入する。
$$ \int_{-1}^{1} f(x) dx = \int_{-1}^{1} (ax+b) dx = 2b $$
これが $1$ に等しいので、
$$ 2b = 1 \iff b = \frac{1}{2} $$
また、
$$ \int_{-1}^{1} xf(x) dx = \int_{-1}^{1} (ax^2+bx) dx = \frac{2}{3}a $$
これが $0$ に等しいので、
$$ \frac{2}{3}a = 0 \iff a = 0 $$
したがって、関数 $f(x)$ は定数関数となる。
$$ f(x) = \frac{1}{2} $$
次に、$G(t)$ と $A$ を計算する。
$$ G(t) = \int_{-1}^{t} f(x) dx = \int_{-1}^{t} \frac{1}{2} dx = \left[ \frac{1}{2}x \right]_{-1}^{t} = \frac{t+1}{2} $$
$$ A = \int_{-1}^{1} x^2 f(x) dx = \int_{-1}^{1} \frac{1}{2} x^2 dx = \left[ \frac{1}{6}x^3 \right]_{-1}^{1} = \frac{1}{3} $$
これを用いて $H(t)$ を求める。
$$ H(t) = \frac{A}{A+t^2} = \frac{\frac{1}{3}}{\frac{1}{3}+t^2} = \frac{1}{1+3t^2} $$
$-1 \leqq t \leqq 0$ における $G(t)$ と $H(t)$ の大小を比較するため、差を考える。
$$ \begin{aligned} G(t) - H(t) &= \frac{t+1}{2} - \frac{1}{3t^2+1} \\ &= \frac{(t+1)(3t^2+1) - 2}{2(3t^2+1)} \\ &= \frac{3t^3+3t^2+t-1}{2(3t^2+1)} \end{aligned} $$
ここで、分子の関数を $p(t) = 3t^3+3t^2+t-1$ とおき、その増減を調べる。
$$ p'(t) = 9t^2+6t+1 = (3t+1)^2 $$
すべての実数 $t$ において $p'(t) \geqq 0$ であるため、$p(t)$ は単調に増加する関数である。
定義域 $-1 \leqq t \leqq 0$ における $p(t)$ の最大値は $p(0)$ である。
$$ p(0) = -1 < 0 $$
したがって、$-1 \leqq t \leqq 0$ の範囲において、常に $p(t) < 0$ が成り立つ。
また、分母について $2(3t^2+1) > 0$ であるから、
$$ G(t) - H(t) = \frac{p(t)}{2(3t^2+1)} < 0 $$
以上より、与えられた区間において $G(t) < H(t)$ であることが示された。
解説
関数の決定から微積分の基本的な計算、そして差をとって微分を用いて大小比較を行うという、数学II・数学IIIの標準的な手法を組み合わせた問題である。
$G(t) - H(t)$ の分子を $3次関数$ として取り出し、その導関数が完全平方式になることに気づければ、単調増加性がすぐに分かり、区間の右端である $t=0$ での符号を調べるだけで十分であると見抜ける。
答え
$$ G(t) < H(t) $$
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