京都大学 1962年 理系 第2問 解説

方針・初手
(イ)は方程式を $k$ について整理し、係数の関係を調べる。 (ロ)は円の方程式を平方完成して中心を求め、媒介変数 $k$ を消去する。
解法1
(イ)
与えられた円の方程式 $(k+1)(x^2+y^2)=ax+kby$ を $k$ について整理すると、
$$ k(x^2+y^2-by) + (x^2+y^2-ax) = 0 $$
これが $k \neq -1$ である任意の実数 $k$ について成り立つための条件は、
$$ \begin{cases} x^2+y^2-by = 0 & \cdots \text{①} \\ x^2+y^2-ax = 0 & \cdots \text{②} \end{cases} $$
① $-$ ② より、
$$ ax - by = 0 $$
$b \neq 0$ であるから、
$$ y = \frac{a}{b}x \quad \cdots \text{③} $$
③を②に代入すると、
$$ x^2 + \left( \frac{a}{b}x \right)^2 - ax = 0 $$
$$ x \left\{ \left( 1 + \frac{a^2}{b^2} \right) x - a \right\} = 0 $$
$$ x \left( \frac{a^2+b^2}{b^2} x - a \right) = 0 $$
これを解くと、$x = 0$ または $x = \frac{ab^2}{a^2+b^2}$ となる。
$x = 0$ のとき、③より $y = 0$ となる。 $x = \frac{ab^2}{a^2+b^2}$ のとき、③より $y = \frac{a}{b} \cdot \frac{ab^2}{a^2+b^2} = \frac{a^2b}{a^2+b^2}$ となる。
ここで、$a, b$ は0でない実数であるため、$a^2+b^2 \neq 0$ であり、また $\frac{ab^2}{a^2+b^2} \neq 0$ であるから、これら2点は異なる点である。 したがって、$k \neq -1$ である任意の $k$ について、円は異なる2つの定点 $(0, 0)$, $\left( \frac{ab^2}{a^2+b^2}, \frac{a^2b}{a^2+b^2} \right)$ を通る。
(ロ)
円の方程式 $(k+1)(x^2+y^2)=ax+kby$ について、$k \neq -1$ より $k+1 \neq 0$ であるから両辺を $k+1$ で割ると、
$$ x^2 + y^2 - \frac{a}{k+1}x - \frac{kb}{k+1}y = 0 $$
平方完成すると、
$$ \left( x - \frac{a}{2(k+1)} \right)^2 + \left( y - \frac{kb}{2(k+1)} \right)^2 = \frac{a^2+k^2b^2}{4(k+1)^2} $$
よって、この円の中心の座標を $(X, Y)$ とおくと、
$$ X = \frac{a}{2(k+1)} \quad \cdots \text{④} $$
$$ Y = \frac{kb}{2(k+1)} \quad \cdots \text{⑤} $$
$k \neq -1$ であるすべての実数値をとるとき、④において $a \neq 0$ より $X \neq 0$ である。 ④より、
$$ k+1 = \frac{a}{2X} $$
$$ k = \frac{a}{2X} - 1 $$
これを⑤に代入すると、
$$ Y = \frac{ \left( \frac{a}{2X} - 1 \right) b }{ 2 \cdot \frac{a}{2X} } = \frac{b(a-2X)}{2a} = -\frac{b}{a}X + \frac{b}{2} $$
この直線上の点において、$X=0$ のとき $Y = \frac{b}{2}$ であるから、求める軌跡は直線 $y = -\frac{b}{a}x + \frac{b}{2}$ から点 $\left(0, \frac{b}{2}\right)$ を除いたものとなる。
解説
(イ)は $k \neq -1$ のすべての値で成り立つことから、$k$ についての恒等式として扱うと整理しやすい。 (ロ) は媒介変数表示された点の軌跡を求める問題であり、除外点が生じる。本問では $x \neq 0$ がその条件である。
答え
(イ)
円の方程式を $k$ について整理すると $k(x^2+y^2-by) + (x^2+y^2-ax) = 0$ となり、これが $k$ の値によらず成り立つための条件は $x^2+y^2-by = 0$ かつ $x^2+y^2-ax = 0$ である。これを解くと $(x, y) = (0, 0), \left( \frac{ab^2}{a^2+b^2}, \frac{a^2b}{a^2+b^2} \right)$ となり、$a \neq 0, b \neq 0$ よりこれらは異なる2点である。
(ロ)
直線 $2bx+2ay-ab=0$ (ただし、点 $\left(0, \frac{b}{2}\right)$ を除く) ※ 直線 $y = -\frac{b}{a}x + \frac{b}{2} \ (x \neq 0)$ と表してもよい。
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