京都大学 1974年 理系 第4問 解説

方針・初手
多項式の次数に着目する。条件(イ)から $F(x)$ と $g(x)$ の次数を比較し、条件(ロ)を用いて $F(x)$ を $g(x)$ と1次式の積として表す。この式を微分して条件(イ)を適用することで、$g(x)$ に関する微分方程式を導き、係数を比較して $g(x)$ を特定する。
解法1
条件(ハ)より、$g(x)$ は $n$ 次式である。($x^{n-1}$ の係数が定義されていることから、$n \ge 1$ である)
条件(イ)より
$$ \frac{dF(x)}{dx} = g(x) $$
であるから、$F(x)$ は $(n+1)$ 次の多項式である。
条件(ロ)より、$F(x)$ は $g(x)$ で割り切れるため、その商は1次式となる。 商を $ax+b$ ($a, b$ は定数、$a \neq 0$)とおくと、
$$ F(x) = (ax+b)g(x) $$
と表すことができる。
条件(ハ)より、$g(x)$ の $x^n$ の係数は $1$、$x^{n-1}$ の係数は $0$ であるから、
$$ g(x) = x^n + c_{n-2}x^{n-2} + \dots + c_1 x + c_0 $$
と書ける。($n=1$ のときは $g(x)=x$ となる)
これを積分すると、条件(イ)より
$$ F(x) = \int g(x) dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + \frac{c_{n-2}}{n-1} x^{n-1} + \dots + C $$
となり、$F(x)$ の $x^{n+1}$ の係数は $\frac{1}{n+1}$、$x^n$ の係数は $0$ であることがわかる。
一方、$F(x) = (ax+b)g(x)$ を展開すると、
$$ F(x) = (ax+b)(x^n + c_{n-2}x^{n-2} + \dots) = ax^{n+1} + bx^n + \dots $$
となる。
これら2つの $F(x)$ の式について、$x^{n+1}$ および $x^n$ の係数を比較すると、
$$ a = \frac{1}{n+1}, \quad b = 0 $$
となる。 したがって、
$$ F(x) = \frac{1}{n+1} x g(x) $$
が成り立つ。
この式の両辺を $x$ で微分すると、積の微分法より
$$ \frac{dF(x)}{dx} = \frac{1}{n+1} \{ 1 \cdot g(x) + x \cdot g'(x) \} $$
となる。
条件(イ)より $\frac{dF(x)}{dx} = g(x)$ であるから、
$$ g(x) = \frac{1}{n+1} \{ g(x) + x g'(x) \} $$
両辺に $n+1$ を掛けて整理すると、
$$ (n+1)g(x) = g(x) + x g'(x) $$
$$ n g(x) = x g'(x) $$
が得られる。
ここで、$g(x)$ を一般に
$$ g(x) = x^n + \sum_{k=0}^{n-1} a_k x^k $$
とおき、$n g(x) = x g'(x)$ に代入する。
左辺は
$$ n g(x) = n x^n + \sum_{k=0}^{n-1} n a_k x^k $$
右辺は
$$ x g'(x) = x \left( n x^{n-1} + \sum_{k=1}^{n-1} k a_k x^{k-1} \right) = n x^n + \sum_{k=1}^{n-1} k a_k x^k $$
となる(右辺の和は便宜上 $k=0$ を含めて $\sum_{k=0}^{n-1} k a_k x^k$ と書いても値は変わらない)。
両辺の各次数の係数を比較すると、$0 \le k \le n-1$ を満たす任意の整数 $k$ について、
$$ n a_k = k a_k $$
$$ (n-k) a_k = 0 $$
が成り立つ。
$k < n$ より $n-k \neq 0$ であるから、すべての $k$ において
$$ a_k = 0 $$
となる。 よって、
$$ g(x) = x^n $$
であることがわかる。 (これは条件(ハ)の「$x^{n-1}$ の係数が $0$」という条件も満たしている)
これを $F(x) = \frac{1}{n+1} x g(x)$ に代入して、
$$ F(x) = \frac{1}{n+1} x^{n+1} $$
を得る。
解説
多項式の決定問題における定石である、「次数」と「最高次の係数」に着目する手法を用いる問題だ。
条件(ロ)の「割り切れる」という性質から $F(x) = (ax+b)g(x)$ と置くことができ、これと条件(イ)の積分関係から生じる係数の一致を利用することで、商が $\frac{1}{n+1}x$ であることを見抜けるかが最大のポイントとなる。
商が判明した後は、それを再度微分して元の条件式に代入し、各項の係数を比較することで、$g(x)$ の $x^n$ 以外のすべての係数が $0$ になることを鮮やかに示すことができる。
答え
$$ F(x) = \frac{1}{n+1} x^{n+1}, \quad g(x) = x^n $$
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