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京都大学 2005年 理系 第2問 解説

数学2/指数対数数学1/方程式不等式テーマ/場合分け
京都大学 2005年 理系 第2問 解説

方針・初手

与えられた不等式の各辺は正であるから、底を $10$ とした常用対数をとることで $n$ についての1次不等式を導く。その際、$\log_{10} \dfrac{5}{4}$ を $\log_{10} 2$ を用いて表し、与えられた $\log_{10} 2$ の近似値の範囲を利用して各辺のとりうる値を評価し、$n$ を絞り込む。

解法1

不等式 $2^{10} < \left(\dfrac{5}{4}\right)^n < 2^{20}$ の各辺は正であるから、常用対数をとっても大小関係は変わらない。

$$ 10 \log_{10} 2 < n \log_{10} \frac{5}{4} < 20 \log_{10} 2 $$

$\log_{10} \dfrac{5}{4}$ を $\log_{10} 2$ を用いて表す。

$$ \log_{10} \frac{5}{4} = \log_{10} \frac{10}{2^3} = 1 - 3 \log_{10} 2 $$

これを代入すると、

$$ 10 \log_{10} 2 < n (1 - 3 \log_{10} 2) < 20 \log_{10} 2 $$

条件 $0.301 < \log_{10} 2 < 0.3011$ より、

$$ 0.0967 < 1 - 3 \log_{10} 2 < 0.0970 $$

よって $1 - 3\log_{10} 2 > 0$ であるから、各辺をこの値で割ることができる。

$$ \frac{10 \log_{10} 2}{1 - 3 \log_{10} 2} < n < \frac{20 \log_{10} 2}{1 - 3 \log_{10} 2} $$

左辺の評価:

分子の範囲 $3.01 < 10\log_{10} 2 < 3.011$、分母の範囲 $0.0967 < 1-3\log_{10}2 < 0.0970$ より、

$$ \frac{3.01}{0.0970} < \frac{10\log_{10}2}{1-3\log_{10}2} < \frac{3.011}{0.0967} $$

$$ \frac{3010}{97} = 31.03\cdots < \frac{10\log_{10}2}{1-3\log_{10}2} < \frac{3011}{96.7} = 31.13\cdots $$

よって、$n \geqq 32$ が確定する。

右辺の評価:

右辺は左辺のちょうど2倍であるから、

$$ 62.06\cdots < \frac{20\log_{10}2}{1-3\log_{10}2} < 62.27\cdots $$

よって、$n \leqq 62$ が確定する。

以上より、条件を満たす $n$ の範囲は $32 \leqq n \leqq 62$ であり、自然数 $n$ の個数は

$$ 62 - 32 + 1 = 31 \text{ (個)} $$

解説

桁数や大小を扱う問題において、常用対数をとることは基本中の基本です。真数に $5$ が含まれる場合は $5 = \dfrac{10}{2}$ と変形し、$\log_{10} 5 = 1 - \log_{10} 2$ を利用して $\log_{10} 2$ だけの式に帰着させるテクニックは頻出です。

また、不等式の厳密な評価では、$\dfrac{A}{B}$($A, B > 0$)の最小値が「分子最小・分母最大」で、最大値が「分子最大・分母最小」で得られることに注意して計算を進める必要があります。

答え

$$ 31 \text{ 個} $$

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