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京都大学 2006年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学2/図形と式テーマ/空間図形テーマ/存在証明
京都大学 2006年 理系 第2問 解説

方針・初手

線分と線分が交点を持つ条件を、ベクトルを用いて数式化します。交点を $Q$ とおき、「$Q$ が線分 $OP$ 上にある条件」と「$Q$ が線分 $AB$ 上にある条件」をそれぞれ媒介変数を用いて立式し、それらが同時かつ媒介変数の範囲を満たす解を持つことを示します。

解法1

線分 $OP$ と線分 $AB$ が交点 $Q$ を持つとする。

$Q$ は線分 $OP$ 上にあるから、実数 $k$($0 \leqq k \leqq 1$)を用いて

$$ \overrightarrow{OQ} = k \overrightarrow{OP} $$

と表せる。また、$Q$ は線分 $AB$ 上にあるから、実数 $s$($0 \leqq s \leqq 1$)を用いて

$$ \overrightarrow{OQ} = (1-s)\overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{OB} $$

と表せる。これらより、

$$ k \overrightarrow{OP} = (1-s)\overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{OB} $$

成分で表すと、

$$ k \begin{pmatrix} 5+t \\ 9+2t \\ 5+3t \end{pmatrix} = (1-s) \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix} + s \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \\ 0 \end{pmatrix} $$

各成分を比較して以下の連立方程式を得る。

$$ \begin{cases} k(5+t) = 2s & \cdots \text{①} \\ k(9+2t) = 1 + 2s & \cdots \text{②} \\ k(5+3t) = 2 - 2s & \cdots \text{③} \end{cases} $$

①を②に代入して $2s$ を消去すると、

$$ k(9+2t) = 1 + k(5+t) $$

$$ k(4+t) = 1 \quad \cdots \text{④} $$

また、①を③に代入して $2s$ を消去すると、

$$ k(5+3t) = 2 - k(5+t) $$

$$ k(5+2t) = 1 \quad \cdots \text{⑤} $$

④、⑤より、

$$ k(4+t) = k(5+2t) \implies k(-1-t) = 0 $$

ここで、$k=0$ とすると④が $0=1$ となり矛盾するため $k \neq 0$ である。したがって、

$$ -1-t = 0 \iff t = -1 $$

$t = -1$ のとき、④より

$$ k(4-1) = 1 \iff k = \frac{1}{3} $$

これは $0 \leqq k \leqq 1$ を満たす。このとき①より

$$ \frac{1}{3}(5-1) = 2s \iff s = \frac{2}{3} $$

これも $0 \leqq s \leqq 1$ を満たす。

以上より、$0 \leqq k \leqq 1$ かつ $0 \leqq s \leqq 1$ を満たす実数 $k, s$ と、実数 $t=-1$ が存在することが示された。すなわち、線分 $OP$ と線分 $AB$ が交点を持つような実数 $t$ は存在する。

このとき、交点 $Q$ の座標は、

$$ \overrightarrow{OQ} = \frac{1}{3} \overrightarrow{OP} = \frac{1}{3} \begin{pmatrix} 4 \\ 7 \\ 2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \dfrac{4}{3} \\[6pt] \dfrac{7}{3} \\[6pt] \dfrac{2}{3} \end{pmatrix} $$

となる。

解説

空間ベクトルにおける、2直線の交点の有無や座標を求める典型問題です。「線分」と「線分」が交わるためには、直線として交わる条件を満たす媒介変数が、線分上に存在するための範囲($0 \leqq k \leqq 1$ など)をともに満たす必要があります。

本問は交点の存在を示す形式ですが、単に「交点を持つと仮定して連立方程式を解き、求まった解が媒介変数の定義域を満たすことを確認する」だけで十分な証明になります。方程式を解く過程で、両辺から $k$ を割る際に $k \neq 0$ であることを論証するなどの細かな記述の抜けに注意しましょう。

答え

題意は示された($t=-1$ のとき交点を持つ)。

交点の座標は $\left( \dfrac{4}{3},\ \dfrac{7}{3},\ \dfrac{2}{3} \right)$

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