トップ 京都大学 2009年 理系 第5問(乙)

京都大学 2009年 理系 第5問(乙) 解説

数学C/式と曲線数学3/積分法数学2/三角関数テーマ/極座標テーマ/面積・体積
京都大学 2009年 理系 第5問(乙) 解説

方針・初手

極方程式 $r = f(\theta)$ で表された図形の回転体の体積を求める問題です。 まずは極座標 $(r, \theta)$ を直交座標 $(x, y)$ の媒介変数表示に変換します。$x = r\cos\theta$, $y = r\sin\theta$ を用いて $x$ と $y$ をそれぞれ $\theta$ の関数として表し、$x$ 軸周りの回転体の体積の公式 $V = \pi \int y^2 \,dx$ に当てはめて置換積分を行います。

積分の計算においては、三角関数の高次式が現れるため、$\cos\theta = t$ とおくことで多項式の積分に帰着させるのが有効なアプローチです。

解法1

極座標と直交座標の関係式 $x = r\cos\theta, \ y = r\sin\theta$ より、曲線 $C$ 上の点 $(x, y)$ は媒介変数 $\theta$ を用いて次のように表される。

$$ x = (2 + \cos\theta)\cos\theta = 2\cos\theta + \cos^2\theta $$

$$ y = (2 + \cos\theta)\sin\theta $$

ここで、$x$ の増減を調べるために $\theta$ で微分する。

$$ \frac{dx}{d\theta} = -2\sin\theta + 2\cos\theta(-\sin\theta) = -2\sin\theta(1 + \cos\theta) $$

$0 < \theta < \pi$ において $\sin\theta > 0$, $1 + \cos\theta > 0$ であるから、$\dfrac{dx}{d\theta} < 0$ となる。

したがって、$x$ は単調に減少する。

$\theta = 0$ のとき $x = 3$、$\theta = \pi$ のとき $x = -1$ である。また、$0 \leqq \theta \leqq \pi$ において $y \geqq 0$ である。

求める立体の体積 $V$ は

$$ V = \pi \int_{-1}^3 y^2 \,dx $$

$x$ を $\theta$ の関数とみて置換積分を行うと、区間は $\pi \to 0$ となり、$dx = \dfrac{dx}{d\theta} \,d\theta$ であるから、

$$ V = \pi \int_{\pi}^0 y^2 \frac{dx}{d\theta} \,d\theta = \pi \int_0^\pi y^2 \left( -\frac{dx}{d\theta} \right) \,d\theta $$

それぞれの式を代入すると、

$$ V = \pi \int_0^\pi (2+\cos\theta)^2 \sin^2\theta \cdot 2\sin\theta(1+\cos\theta) \,d\theta $$

$$ = 2\pi \int_0^\pi (2+\cos\theta)^2 (1+\cos\theta) \sin^3\theta \,d\theta $$

ここで $\cos\theta = t$ とおく。$-\sin\theta \,d\theta = dt$ であり、$\theta$ が $0$ から $\pi$ まで変化するとき、$t$ は $1$ から $-1$ まで変化する。また、$\sin^2\theta = 1 - t^2$ である。

これを用いて積分を変数 $t$ で書き換えると、

$$ V = 2\pi \int_1^{-1} (2+t)^2 (1+t) (1-t^2) (-dt) = 2\pi \int_{-1}^1 (t+2)^2 (1+t) (1-t^2) \,dt $$

被積分関数を展開して整理する。

$$ (t+2)^2 = t^2 + 4t + 4 $$

$$ (1+t)(1-t^2) = 1 + t - t^2 - t^3 $$

よって、

$$ (t^2+4t+4)(1+t-t^2-t^3) $$

$$ = (t^2+t^3-t^4-t^5) + (4t+4t^2-4t^3-4t^4) + (4+4t-4t^2-4t^3) $$

$$ = -t^5 - 5t^4 - 7t^3 + t^2 + 8t + 4 $$

積分区間が $-1$ から $1$ までであるから、奇数次数の項($-t^5, -7t^3, 8t$)の定積分は $0$ になる。偶関数・奇関数の性質を利用して、

$$ V = 2\pi \int_{-1}^1 (-5t^4 + t^2 + 4) \,dt = 4\pi \int_0^1 (-5t^4 + t^2 + 4) \,dt $$

$$ = 4\pi \left[ -t^5 + \frac{1}{3}t^3 + 4t \right]_0^1 = 4\pi \left( -1 + \frac{1}{3} + 4 \right) = 4\pi \cdot \frac{10}{3} = \frac{40\pi}{3} $$

解説

極方程式で表された図形の回転体の体積を求める標準的な問題です。

「極座標から直交座標の媒介変数表示へ変換」→「$x$ の増減を調べてから体積の公式に代入」→「置換積分で処理」という一連の定石の流れを確実に踏めるかが問われます。

計算の中盤であらわれる $\int f(\cos\theta)\sin\theta \,d\theta$ の形は、$\cos\theta = t$ とおくことでただの多項式の積分に持ち込むことができます。展開の手間はかかりますが、積分区間が対称になるため奇数次の項を無視できることに気づけば、計算ミスのリスクを大幅に減らすことができます。

答え

$$ \frac{40\pi}{3} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。