京都大学 2014年 理系 第2問 解説

方針・初手
- 2 つの粒子の状態を「同じ頂点にいる」と「異なる頂点にいる」の 2 つに分類し、1 秒後の状態遷移を考えて漸化式を立てるのが簡明である。
- 別解として、1 つの粒子が時刻 $n$ 秒後に各頂点にいる確率を求め、2 つの粒子が独立に動くことから確率を計算する方法も示す。
解法1(状態の分類と漸化式)
時刻 $n$ 秒後に 2 つの粒子が同じ点にいる確率を $p(n)$ とすると、異なる点にいる確率は $1-p(n)$ である。
(i)$n$ 秒後に 2 つの粒子が同じ点にいる場合
2 つの粒子がともに頂点 $A$ にいるとしても一般性を失わない。次の 1 秒で、各粒子は頂点 $B$ または $C$ へ確率 $\dfrac{1}{2}$ で独立に移動する。移動先の組合せは $(B,B),\, (B,C),\, (C,B),\, (C,C)$ の 4 通り(各確率 $\dfrac{1}{4}$)のうち、移動後も同じ点になるのは $(B,B),\, (C,C)$ の 2 通りであるから、確率は $\dfrac{1}{2}$。
(ii)$n$ 秒後に 2 つの粒子が異なる点にいる場合
2 つの粒子がそれぞれ頂点 $A,\, B$ にいるとしても一般性を失わない。移動先の組合せ $(B,A),\, (B,C),\, (C,A),\, (C,C)$ の 4 通りのうち、移動後に同じ点になるのは $(C,C)$ の 1 通りのみであるから、確率は $\dfrac{1}{4}$。
以上より、
$$ p(n+1) = \frac{1}{2}p(n) + \frac{1}{4}\{1-p(n)\} = \frac{1}{4}p(n) + \frac{1}{4} $$
$$ p(n+1) - \frac{1}{3} = \frac{1}{4}\!\left(p(n) - \frac{1}{3}\right) $$
時刻 $0$ において 2 つの粒子はともに頂点 $A$ にいるため $p(0) = 1$。数列 $\left\{p(n) - \dfrac{1}{3}\right\}$ は初項 $\dfrac{2}{3}$、公比 $\dfrac{1}{4}$ の等比数列であるから、
$$ p(n) = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\!\left(\frac{1}{4}\right)^{\!n} $$
解法2(各粒子の確率を独立に計算)
1 つの粒子に着目し、時刻 $n$ 秒後に頂点 $A,\, B,\, C$ にいる確率をそれぞれ $a_n,\, b_n,\, c_n$ とする。対称性から $b_n = c_n = \dfrac{1-a_n}{2}$ であり、
$$ a_{n+1} = \frac{1}{2}b_n + \frac{1}{2}c_n = \frac{1-a_n}{2} $$
$$ a_{n+1} - \frac{1}{3} = -\frac{1}{2}\!\left(a_n - \frac{1}{3}\right) $$
$a_0 = 1$ より、
$$ a_n = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\!\left(-\frac{1}{2}\right)^{\!n}, \quad b_n = c_n = \frac{1}{3} - \frac{1}{3}\!\left(-\frac{1}{2}\right)^{\!n} $$
2 つの粒子は独立に運動するから、
$$ p(n) = a_n^2 + 2b_n^2 $$
$$ a_n^2 = \frac{1}{9} + \frac{4}{9}\!\left(-\frac{1}{2}\right)^{\!n} + \frac{4}{9}\!\left(\frac{1}{4}\right)^{\!n} $$
$$ 2b_n^2 = \frac{2}{9} - \frac{4}{9}\!\left(-\frac{1}{2}\right)^{\!n} + \frac{2}{9}\!\left(\frac{1}{4}\right)^{\!n} $$
$\left(-\dfrac{1}{2}\right)^n$ の項が打ち消し合い、
$$ p(n) = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\!\left(\frac{1}{4}\right)^{\!n} $$
解説
確率と漸化式の典型的な問題である。2 つの粒子が動く設定では、解法1のように「2 つの粒子の相対的な関係(同じ頂点か異なる頂点か)」を 1 つの状態にまとめると遷移のパターンが少なくなり、漸化式がシンプルになる。
解法2のように各粒子ごとに確率を求めてから最後に掛け合わせる方法でも解答可能だが、状態をまとめる発想は難関大の確率問題で頻出のテクニックなので身につけておきたい。
答え
$$ p(n) = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\!\left(\frac{1}{4}\right)^{\!n} $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。
/04081904.png)
/04082203.png)
/05081902.png)
/07081638.png)
/08063005.png)
/08090302.png)





