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九州大学 1966年 文系 第2問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小
九州大学 1966年 文系 第2問 解説

方針・初手

点 $A$ を原点とし、点 $B$ の方向を正とする数直線上の座標で考える。 修理所の位置を点 $A$ から距離 $x$ の地点とし、$x$ の関数として総運搬費を立式する。 修理所は線分 $AB$ 上にあるので、定義域は $0 \leqq x \leqq l$ である。 あとは、それぞれの条件に応じて関数の最小値を求める。

解法1

点 $A$ を原点とし、線分 $AB$ を数直線上の区間 $[0, l]$ とみなす。 修理所の位置を座標 $x$ とおくと、修理所は線分 $AB$ 上にあるから $0 \leqq x \leqq l$ である。 このとき、点 $A$ にある $m_1$ 両のバスの修理所までの距離は $x$、点 $B$ にある $m_2$ 両のバスの修理所までの距離は $l - x$ である。

(1)

1両あたりの運搬費が距離に比例するので、比例定数を $k$ ($k > 0$) とおく。 総運搬費を $f(x)$ とすると、次のように表される。

$$f(x) = k \cdot m_1 x + k \cdot m_2 (l - x)$$

これを $x$ について整理する。

$$f(x) = k(m_1 - m_2)x + k m_2 l$$

$f(x)$ は $x$ の1次関数(または定数関数)である。区間 $0 \leqq x \leqq l$ における最小値を、$x$ の係数 $k(m_1 - m_2)$ の符号によって場合分けして求める。

(i) $m_1 > m_2$ のとき

$k(m_1 - m_2) > 0$ となり、$f(x)$ は単調に増加する。 よって、$x = 0$ のとき最小となる。

(ii) $m_1 < m_2$ のとき

$k(m_1 - m_2) < 0$ となり、$f(x)$ は単調に減少する。 よって、$x = l$ のとき最小となる。

(iii) $m_1 = m_2$ のとき

$k(m_1 - m_2) = 0$ となり、$f(x)$ は定数関数 $f(x) = k m_1 l$ となる。 よって、$0 \leqq x \leqq l$ のすべての $x$ において最小値をとる。

(2)

1両あたりの運搬費が距離の3乗に比例するので、比例定数を $k$ ($k > 0$) とおく。 総運搬費を $g(x)$ とすると、次のように表される。

$$g(x) = k \cdot m_1 x^3 + k \cdot m_2 (l - x)^3$$

$g(x)$ の増減を調べるため、$x$ で微分する。

$$g'(x) = 3k m_1 x^2 + 3k m_2 (l - x)^2 \cdot (-1)$$

$$g'(x) = 3k \{ m_1 x^2 - m_2 (l - x)^2 \}$$

因数分解すると以下のようになる。

$$g'(x) = 3k \{ \sqrt{m_1} x - \sqrt{m_2} (l - x) \} \{ \sqrt{m_1} x + \sqrt{m_2} (l - x) \}$$

$0 \leqq x \leqq l$ の範囲において、$\sqrt{m_1} x + \sqrt{m_2} (l - x)$ は $x=0$ で $\sqrt{m_2}l > 0$、$x=l$ で $\sqrt{m_1}l > 0$ となる一次関数であり、常に正である。 したがって、$g'(x)$ の符号は $\sqrt{m_1} x - \sqrt{m_2} (l - x)$ の符号と一致する。

$g'(x) = 0$ となる $x$ を求める。

$$\sqrt{m_1} x - \sqrt{m_2} (l - x) = 0$$

$$(\sqrt{m_1} + \sqrt{m_2}) x = \sqrt{m_2} l$$

$$x = \frac{\sqrt{m_2}}{\sqrt{m_1} + \sqrt{m_2}} l$$

この値を $\alpha$ とおく。$m_1, m_2, l$ はいずれも正であるから、$0 < \alpha < l$ である。 $\sqrt{m_1} x - \sqrt{m_2} (l - x)$ は傾きが $\sqrt{m_1} + \sqrt{m_2} > 0$ の右肩上がりの直線であるから、$x = \alpha$ の前後で $g'(x)$ の符号は負から正に変わる。 よって、$g(x)$ は区間 $0 \leqq x \leqq l$ において $x = \alpha$ で極小かつ最小となる。

解説

関数の最大・最小を求める標準的な問題である。 (1)は1次関数の最大・最小となるため、傾きの符号によって最小値をとる場所が変わることに注意し、丁寧に場合分けを行う必要がある。 (2)は3次関数の最小値問題であり、微分を用いて増減を調べる。導関数の符号を判定する際、式を展開せずに2乗の差として捉え、和と差の積に因数分解すると符号の判定が容易になる。

答え

(1) $m_1 > m_2$ のとき、$0$ (点 $A$ の位置) $m_1 < m_2$ のとき、$l$ (点 $B$ の位置) $m_1 = m_2$ のとき、$0$ 以上 $l$ 以下の任意の値 (線分 $AB$ 上の任意の位置)

(2) $\frac{\sqrt{m_2}}{\sqrt{m_1} + \sqrt{m_2}} l$

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