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九州大学 1974年 文系 第4問 解説

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九州大学 1974年 文系 第4問 解説

方針・初手

式の大小を比較する基本的な手法である、差をとって正負を調べる方針をとる。

$p - q$ を計算し、通分して分子を因数分解することで、与えられた不等式の条件から符号を判定する。文字が巡回的に与えられているため、分子は交代式となり、因数分解がしやすい形になる。

解法1

$p - q$ の値を計算する。

$$\begin{aligned} p - q &= \left( \frac{y}{x} + \frac{z}{y} + \frac{x}{z} \right) - \left( \frac{x}{y} + \frac{y}{z} + \frac{z}{x} \right) \\ &= \frac{y-z}{x} + \frac{z-x}{y} + \frac{x-y}{z} \\ &= \frac{yz(y-z) + zx(z-x) + xy(x-y)}{xyz} \end{aligned}$$

ここで、分子を因数分解する。$x$ について整理すると、

$$\begin{aligned} yz(y-z) + zx(z-x) + xy(x-y) &= yz(y-z) + z^2 x - z x^2 + x^2 y - x y^2 \\ &= -(y-z)x^2 + (y^2 - z^2)x - yz(y-z) \\ &= -(y-z) \{ x^2 - (y+z)x + yz \} \\ &= -(y-z)(x-y)(x-z) \\ &= (x-y)(y-z)(z-x) \end{aligned}$$

となる。したがって、$p - q$ は次のように表される。

$$p - q = \frac{(x-y)(y-z)(z-x)}{xyz}$$

(1)

与えられた条件 $x > y > z > 0$ より、各因数の符号を調べる。

$$x - y > 0$$

$$y - z > 0$$

$$z - x < 0$$

また、$x, y, z$ はすべて正であるから、

$$xyz > 0$$

である。よって、

$$(x-y)(y-z)(z-x) < 0$$

となるから、

$$p - q = \frac{(x-y)(y-z)(z-x)}{xyz} < 0$$

が成り立つ。したがって、$p < q$ である。

(2)

与えられた条件 $0 > x > y > z$ より、各因数の符号を調べる。

大小関係 $x > y > z$ 自体は (1) と同じであるため、

$$x - y > 0$$

$$y - z > 0$$

$$z - x < 0$$

となり、分子の符号は負である。

$$(x-y)(y-z)(z-x) < 0$$

一方、$x, y, z$ はすべて負の数であるから、負の数3つの積は負となる。

$$xyz < 0$$

よって、負の数を負の数で割ることになるため、

$$p - q = \frac{(x-y)(y-z)(z-x)}{xyz} > 0$$

が成り立つ。したがって、$p > q$ である。

解説

大小比較の基本である「差をとって符号を調べる」という原則に従えば、自然と解にたどり着くことができる。

式が $x, y, z$ についての対称な構造(正確には交代式)を持っていることに着目すると、分子の計算で見通しが立ちやすくなる。分子の $yz(y-z) + zx(z-x) + xy(x-y)$ は $x, y, z$ の交代式であるため、$(x-y)(y-z)(z-x)$ を因数に持つことがあらかじめ予想できる。これを知っていれば、因数分解の計算ミスを防ぎやすくなる。

(1) と (2) の違いは分母 $xyz$ の符号のみであり、分子の符号は文字の大小関係のみで決まるため変化しない点に注意する。

答え

(1) $p < q$

(2) $p > q$

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