九州大学 1984年 文系 第2問 解説

方針・初手
2直線の式をそれぞれ別の媒介変数を用いて表し、これらが一点で交わるための条件(すなわち、3成分の連立方程式が解をもつ条件)から $a$ の値を求める。交点の座標は、求まった媒介変数の値を直線の式に代入して得る。 (2)の平面の方程式は、2直線の方向ベクトルから平面の法線ベクトルを求め、(1)で求めた交点を通るという条件と合わせて立式する。
解法1
(1)
直線 $l_1$, $l_2$ 上の点をそれぞれ媒介変数 $s, t$ を用いて表す。 $l_1$ の方程式において $2x+a = y-2a = \frac{2z+5}{3} = s$ とおくと、
$$\begin{cases} x = \frac{s-a}{2} \\ y = s+2a \\ z = \frac{3s-5}{2} \end{cases}$$
$l_2$ の方程式において $x = y+2a = \frac{z-2a+2}{3} = t$ とおくと、
$$\begin{cases} x = t \\ y = t-2a \\ z = 3t+2a-2 \end{cases}$$
2直線が交わるとき、ある実数 $s, t$ が存在して $x, y, z$ の値がそれぞれ等しくなるので、以下の連立方程式が成り立つ。
$$\begin{cases} \frac{s-a}{2} = t & \cdots \text{①} \\ s+2a = t-2a & \cdots \text{②} \\ \frac{3s-5}{2} = 3t+2a-2 & \cdots \text{③} \end{cases}$$
①より $s-2t = a$ を得る。 ②より $s-t = -4a$ を得る。 この2式から $s, t$ を $a$ を用いて解くと、
$$\begin{cases} s = -9a \\ t = -5a \end{cases}$$
これらを③に代入して $a$ についての方程式を解く。
$$\frac{3(-9a)-5}{2} = 3(-5a)+2a-2$$
$$\frac{-27a-5}{2} = -13a-2$$
両辺を2倍して整理する。
$$-27a-5 = -26a-4$$
$$-a = 1 \iff a = -1$$
このとき、$s = 9$、$t = 5$ となる。 交点の座標は、$t=5, a=-1$ を $l_2$ の座標の式に代入して、
$$\begin{cases} x = 5 \\ y = 5 - 2(-1) = 7 \\ z = 3(5) + 2(-1) - 2 = 11 \end{cases}$$
よって、$a = -1$ であり、交点の座標は $(5, 7, 11)$ である。
(2)
$l_1$ の方程式は $\frac{x+\frac{a}{2}}{\frac{1}{2}} = \frac{y-2a}{1} = \frac{z+\frac{5}{2}}{\frac{3}{2}}$ と変形できるため、その方向ベクトルの一つを $\vec{d_1}$ とすると、
$$\vec{d_1} = \left(\frac{1}{2}, 1, \frac{3}{2}\right) \parallel (1, 2, 3)$$
よって、計算を簡略化するため $\vec{u} = (1, 2, 3)$ を用いる。 $l_2$ の方程式から、その方向ベクトルの一つ $\vec{v}$ は、
$$\vec{v} = (1, 1, 3)$$
求める平面の法線ベクトルを $\vec{n} = (p, q, r)$ とおく。 $\vec{n}$ は $\vec{u}$ と $\vec{v}$ の両方に垂直であるから、内積がそれぞれ $0$ となる。
$$\begin{cases} \vec{n} \cdot \vec{u} = p+2q+3r = 0 \\ \vec{n} \cdot \vec{v} = p+q+3r = 0 \end{cases}$$
この連立方程式を解くと、$q = 0$、$p = -3r$ となる。 $r = -1$ とすると $p = 3$、$q = 0$ となり、法線ベクトルの一つとして $\vec{n} = (3, 0, -1)$ をとることができる。
また、求める平面は (1) で求めた交点 $(5, 7, 11)$ を通る。 したがって、求める平面の方程式は、
$$3(x-5) + 0(y-7) - 1(z-11) = 0$$
展開して整理すると、
$$3x - 15 - z + 11 = 0$$
$$3x - z - 4 = 0$$
解説
空間における直線の交点や平面の方程式を求める基本問題である。 直線の式を媒介変数表示に直し、$x, y, z$ 各成分について等式を立てることで、交点の条件を連立方程式に帰着させるのが定石である。 平面の方程式は、「平面上の2つの1次独立な方向ベクトルに垂直なベクトル(法線ベクトル)」と「平面が通る1点」が分かれば一意に定まる。本問では2直線の方向ベクトルから法線ベクトルを求め、直線の交点を平面が通る点として利用している。
答え
(1) $a = -1$, 交点の座標は $(5, 7, 11)$ (2) $3x - z - 4 = 0$
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