九州大学 1997年 文系 第1問 解説

方針・初手
点 $P$ は円 $(x-2)^2+(y-2)^2=4$ 上の点である。 (1) は直線 $OA$ の方程式を求め、円の方程式と連立して交点を求める。 (2) は軌跡の定石通り、動点 $P$ の座標を $(s,t)$ とおいて重心の座標 $(x,y)$ との関係式を立式し、$s,t$ を消去する。その際、(1) の結果を用いて除外点に注意する。 (3) は $\triangle OAP$ の面積が最大となる条件を考える。底辺 $OA$ の長さは一定であるため、高さとなる「直線 $OA$ と点 $P$ の距離」が最大となるときを考えればよい。
解法1
(1)
点 $O(0,0)$、点 $A(4,2)$ を通る直線 $OA$ の方程式は
$$y = \frac{2}{4} x \iff x - 2y = 0$$
である。 点 $A$ は円 $(x-2)^2+(y-2)^2=4$ の方程式を満たすため、円上の点である。 3点 $O, A, P$ が同一直線上にあるとき、点 $P$ は直線 $OA$ と円の交点であるから、$x = 2y$ を円の方程式に代入して
$$(2y - 2)^2 + (y - 2)^2 = 4$$
$$4(y^2 - 2y + 1) + (y^2 - 4y + 4) = 4$$
$$5y^2 - 12y + 4 = 0$$
$$(5y - 2)(y - 2) = 0$$
よって、$y = 2, \frac{2}{5}$ となる。 $y=2$ のとき $x=4$ であり、これは点 $A$ に一致する。 点 $P$ は $A$ と異なる点であるから、$y=\frac{2}{5}$ を採用し、このとき $x=\frac{4}{5}$ となる。 したがって、求める点 $P$ の座標は
$$\left( \frac{4}{5}, \frac{2}{5} \right)$$
である。
(2)
点 $P$ は円上の点であるから、$P(s,t)$ とおくと
$$(s - 2)^2 + (t - 2)^2 = 4$$
が成り立つ。 $\triangle OAP$ の重心を $G(x,y)$ とすると、重心の座標は3頂点の座標の平均であるから
$$x = \frac{0 + 4 + s}{3}, \quad y = \frac{0 + 2 + t}{3}$$
これを $s, t$ について解くと
$$s = 3x - 4, \quad t = 3y - 2$$
となる。これを円の方程式に代入して
$$(3x - 4 - 2)^2 + (3y - 2 - 2)^2 = 4$$
$$(3x - 6)^2 + (3y - 4)^2 = 4$$
両辺を $9$ で割って
$$(x - 2)^2 + \left( y - \frac{4}{3} \right)^2 = \frac{4}{9}$$
を得る。これは中心 $\left( 2, \frac{4}{3} \right)$、半径 $\frac{2}{3}$ の円を表す。 ここで、3点 $O, A, P$ が同一直線上にないという条件から、点 $P$ は (1) で求めた直線 $OA$ と円の交点である $(4,2)$ および $\left(\frac{4}{5}, \frac{2}{5}\right)$ にはならない。 $(s,t) = (4,2)$ のとき、対応する重心の座標は $x = \frac{8}{3}, y = \frac{4}{3}$ である。 $(s,t) = \left(\frac{4}{5}, \frac{2}{5}\right)$ のとき、対応する重心の座標は $x = \frac{24}{15} = \frac{8}{5}, y = \frac{12}{15} = \frac{4}{5}$ である。 したがって、求める軌跡は除外点を持つ。
(3)
底辺を線分 $OA$ とみると、その長さは
$$OA = \sqrt{4^2 + 2^2} = \sqrt{20} = 2\sqrt{5}$$
で一定である。 $\triangle OAP$ の面積が最大となるのは、点 $P$ と直線 $OA: x - 2y = 0$ の距離 $h$ が最大となるときである。 円の中心 $C(2,2)$ と直線 $x - 2y = 0$ の距離 $d$ は、点と直線の距離の公式より
$$d = \frac{|2 - 2 \cdot 2|}{\sqrt{1^2 + (-2)^2}} = \frac{|-2|}{\sqrt{5}} = \frac{2}{\sqrt{5}}$$
である。 点 $P$ は円周上を動くため、点 $P$ と直線 $OA$ の距離 $h$ の最大値は、中心 $C$ からの距離 $d$ に円の半径 $2$ を加えた値となる。すなわち
$$h_{max} = d + 2 = \frac{2}{\sqrt{5}} + 2$$
である。(このとき $P$ と $OA$ の距離は正であるから、3点が同一直線上にないという条件も満たしている。) よって、$\triangle OAP$ の面積の最大値 $S_{max}$ は
$$S_{max} = \frac{1}{2} \cdot OA \cdot h_{max} = \frac{1}{2} \cdot 2\sqrt{5} \cdot \left( \frac{2}{\sqrt{5}} + 2 \right) = 2 + 2\sqrt{5}$$
となる。
解説
(1) は円と直線の交点を求める基本的な計算問題である。点 $A$ 自体が円上にあることを見落とさないようにする。 (2) は軌跡の基本手順に従い、求めたい点の座標を $(x,y)$ として $x,y$ の関係式を導く。図形問題において「三角形をなす」などの条件があるときは、3点が同一直線上に並ぶような除外点が発生することが多いため、軌跡の端点や欠落点には常に注意を払う必要がある。 (3) は三角形の面積の最大・最小を考える典型的な問題である。底辺が固定されているため、高さの最大値を考えればよい。円周上の点と直線の距離の最大値・最小値は、「円の中心と直線の距離 $\pm$ 半径」で求められるという定石を活用する。
答え
(1) $\left( \frac{4}{5}, \frac{2}{5} \right)$
(2) 円 $(x - 2)^2 + \left( y - \frac{4}{3} \right)^2 = \frac{4}{9}$ 。ただし、点 $\left(\frac{8}{3}, \frac{4}{3}\right)$ および 点 $\left(\frac{8}{5}, \frac{4}{5}\right)$ を除く。
(3) $2 + 2\sqrt{5}$
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