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東北大学 1998年 文系 第1問 解説

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東北大学 1998年 文系 第1問 解説

方針・初手

領域 $S$ は,$x$ の範囲で見れば 2 つの放物線の交点の間にある部分である。したがって,まず交点を求め,どちらが上側の曲線かを確認すれば,面積は定積分で求められる。

また,直線 $y=x+k$ が $S$ と共通部分をもつ条件は,$S$ 内の点 $(x,y)$ で $k=y-x$ となるものが存在することと同値である。したがって,領域 $S$ 上で $y-x$ の最小値と最大値を求めればよい。

解法1

2 つの曲線

$$ y=x^2,\qquad y=-\frac12 x^2+\frac32 x+3 $$

の交点を求める。

$$ x^2=-\frac12 x^2+\frac32 x+3 $$

より,

$$ \frac32 x^2-\frac32 x-3=0 $$

すなわち

$$ x^2-x-2=0 $$

となるから,

$$ (x-2)(x+1)=0 $$

より交点の $x$ 座標は $x=-1,,2$ である。

このときの $y$ 座標は,

$$ x=-1\ \text{のとき}\ y=1,\qquad x=2\ \text{のとき}\ y=4 $$

である。

さらに 2 曲線の差をとると,

$$ \left(-\frac12 x^2+\frac32 x+3\right)-x^2 =-\frac32 x^2+\frac32 x+3 =-\frac32(x-2)(x+1) $$

となる。$-1<x<2$ では $(x-2)(x+1)<0$ であるから,この差は正である。したがって,$-1\le x\le 2$ において,上側の曲線は

$$ y=-\frac12 x^2+\frac32 x+3 $$

であり,下側の曲線は

$$ y=x^2 $$

である。

(1) $S$ の面積

よって面積は

$$ \int_{-1}^{2}\left{\left(-\frac12 x^2+\frac32 x+3\right)-x^2\right},dx =\int_{-1}^{2}\left(-\frac32 x^2+\frac32 x+3\right),dx $$

である。

原始関数は

$$ -\frac12 x^3+\frac34 x^2+3x $$

であるから,

$$ \begin{aligned} \text{面積} &=\left[-\frac12 x^3+\frac34 x^2+3x\right]_{-1}^{2} \\ &=\left(-4+3+6\right)-\left(\frac12+\frac34-3\right) \\ &=5-\left(-\frac74\right) \\ &=\frac{27}{4} \end{aligned} $$

したがって,$S$ の面積は

$$ \frac{27}{4} $$

である。

(2) 直線 $y=x+k$ が $S$ と共通部分をもつための $k$ の範囲

直線 $y=x+k$ が $S$ と共通部分をもつとは,$S$ 内のある点 $(x,y)$ に対して

$$ y=x+k $$

すなわち

$$ k=y-x $$

となることである。よって,$S$ 上で $y-x$ の値の範囲を求めればよい。

領域 $S$ は

$$ -1\le x\le 2,\qquad x^2\le y\le -\frac12 x^2+\frac32 x+3 $$

で表されるので,固定した $x$ に対して $y-x$ は $y$ が大きいほど大きい。したがって,

まず最小値を求める。下側境界では

$$ y-x=x^2-x=\left(x-\frac12\right)^2-\frac14 $$

であるから,$-1\le x\le 2$ における最小値は

$$ -\frac14 $$

である。

次に最大値を求める。上側境界では

$$ y-x=-\frac12 x^2+\frac12 x+3 $$

であり,

$$ -\frac12 x^2+\frac12 x+3 =-\frac12\left(x-\frac12\right)^2+\frac{25}{8} $$

となるから,$-1\le x\le 2$ における最大値は

$$ \frac{25}{8} $$

である。

したがって,$S$ 上で $y-x$ の値の範囲は

$$ -\frac14\le y-x\le \frac{25}{8} $$

であり,これがそのまま $k$ の範囲になる。よって,

$$ -\frac14\le k\le \frac{25}{8} $$

である。

解説

(1) は,交点を求めてから「上の曲線 $-$ 下の曲線」を積分する典型問題である。どちらが上側かは,差を因数分解して符号を見ると確実である。

(2) では,直線 $y=x+k$ をそのまま追いかけるよりも,$k=y-x$ と見直すのが本質である。傾きが $1$ の平行な直線群を考える問題では,領域上で $y-x$ の最小値・最大値を調べると一気に整理できる。

答え

$$ \text{(1)}\ \frac{27}{4} $$

$$ \text{(2)}\ -\frac14\le k\le \frac{25}{8} $$

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